スーパーカブ 耐久チャレンジ

JA07型スーパーカブの耐久性を検証するブログです。

カブ吉くん メンテナンス(ハンドル廻り編)その二

(その二)

 

 それでは次に、コンビネーションメータについて話しをしたいと思います。

 

【メータ照明関係ほか】

 JA07型スーパーカブのメータ内に使用されているバルブは、ニュートラルインジケータ、メータ照明ライトの二つが通常バルブを使用するもので、ウインカインジケータ、PGM-FI警告灯の二つが交換不要のLEDとなります。ここではひとまず交換可能な通常バルブの話しをしていきたいと思いますので、宜しくお願い致します。

 まず最初に、そのバルブは標準仕様で12v-1.7wという非常に省電力なウェッジ球が使われています。そして、それはニュートラルインジケータとメータ照明ライトに、それぞれ一つずつ使われています。

 メーカーの見解としては、この仕様に関して市販化される前に十分にテストを重ねた上に、さらキチンと検証をして最終仕様を決定しているはずなので、メータ照度的には十分な明るさが確保されていて、特段の問題はないと考えていると思います。

 しかし、ジョニーさんもそれは十分に理解できるのですが、いかんせん比較的年齢が高く、ジョニーさんも含めて、視力に若干問題を抱え始めたライダー達からは、

「う~ん、もう少しハッキリと見えると嬉しいんだけどなぁ~」と、いうような評価も少なからずある事を報告させて頂きます。

 話しが若干脱線するようで申し訳ないのですが、ジョニーさん個人の話しを少しさせて頂くと、ジョニーさんはカブ吉くんと走り始める少し前くらいから、夜間の視力低下がだんだん気になるようになってきていました。それは、走行中の前方視界や路面状況もそうですが、計器類の確認も含めての事となります。昼間はそうでもないのですが、暗くなってくると視力の低下がとても気になるのようです。

 そういう訳で、ジョニーさんは運転免許の条件に眼鏡等の使用指定はないのですが、それを少しでも改善する為に、夜間走行の際は必ずメガネを掛けて運転をするようにしていました。

 

 話しを元に戻します。

そのような理由から、ジョニーさんにとってメータ照明は、少しでも明るいに越したことはないのです。走り始めて2年3か月(約5万5千キロ)の間は、純正仕様の1.7wで頑張っていたのですが、2012年10月の時点でメータ照明とニュートラルインジケータのバルブは、12v-3.4wタイプに変更となりました。

 当然、このバルブ交換をした時点で、どちらかのバルブが切れたりするようなトラブルが発生した訳ではありません。

 ニュートラルインジケータは、ギヤがニュートラルの時にしか点灯しませんが、メータ照明のバルブはヘッドライトやテールライトと一緒で、エンジンが掛かっている間は、ず~っと点きっぱなしです。ここまで5万5千キロの距離を走って来ていると言う事は、それを時間に換算(ここではやや速い感じもしますが、平均時速30km/hで計算しました)してみると、合計で約1800時間くらい点灯しているという事になります。純正の1.7wの小さなウェッジ球の耐久性という意味では、全く問題が無いという事を、ここに記載しておきます。

 とは言いながらも、取り外された1.7wのウェッジ球を見てみると、経年劣化は隠すことが出来ません。電球のガラス表面には広範囲に黒く煤が付き、これでは新車の時と比べて照度が落ちるのはやむを得ないと思えるような状態です。これを確認したジョニーさんは、ワット数の向上も含めてこのタイミングで交換する事を選択しました。

 そして、ほぼ同様の理由から、2015年7月に再び3.4wから5wへの変更交換が行われます。ここまでワット数を上げる必要があるのかは、若干疑問が残りますが、この時点ではジョニーさんの視力の低下も進んで来ており、このような対応となっている事をご報告しておきます。

 その後、メータ照明に関しては一度もバルブ切れの発生はありません。現在までの交換回数は3回で、最長使用は5wタイプを8万5千キロ使用していました。しかし、このバルブは20万8千キロ走行時点で、強制的に交換されています。その理由は、ニュートラルインジケータのバルブ切れによるものです。この2本のバルブ取付位置は、コンビネーションメータの裏側にあり、すぐ隣り同士になっています。どちらかに不都合が起きれば、その後の事も考えて同時に交換してしまうのが普通です。

 でも、このニュートラルインジケータのバルブ切れには、さすがのジョニーさんも少し驚いたようです。40年以上のライダー人生の中で、二度目の経験だそうです。一度目は、72年型のマッハⅢに乗っていた時に同様の事があったようですが、その時は別にそれ程不便を感じなかったそうです。何故なら、その時ジョニーさんが乗っていたマッハⅢは、ボトム・ニュートラルというタイプの5速ミッションで、止まる時にはひたすらシフトダウンさえしていれば、必ずニュートラルにたどり着くのが分かっていたからだそうです。しかしカブ吉くんの場合は、停止してしまうとロータリー式の為、それまで何速で走っていたのかをキチンと覚えていないと、止まってから不自由な思いをする事になります。とは言いながらも、何速に入っていてもとりあえず走り出せてしまうのが、スーパーカブのいいところなんですが……。

 ジョニーさんは、カブ吉くんで使用するバルブ類のスペアを、ビジネスボックスの中に常時持っています。この時も12v-5wのウェッジ球は、スペアとして持っていたのですが、バルブが切れた場所が比較的自宅に近かったので、この時は、

「おっ、まずい。また四速で発進しちゃった」などと言いながら、そんな不具合も楽しんだうえで、自宅に戻ってからの交換となりました。

 

 次に、メータ照明の話しではありませんが、メータ関係でもう一つ珍しいトラブルがあったので、そちらも報告させて頂きます。

 それは、2017年7月16日の夜間に国道246号線を東京に向かって走行してい時に起こりました。累計走行距離は、約17万7千kmくらいの時です。

 ジョニーさんとカブ吉くんは、江田駅前の交差点を過ぎて、峠茶屋手前の長い上り坂をいつものように快調に走っておりました。道路は上り坂から下り坂に変わり、その先の鷺沼二丁目の交差点で信号停止をした時です。

 ジョニーさんは、何気なくスピードメータに視線を落としました。次の瞬間、

「あれっ!? 針が変なとこにいる!」と、びっくりしたような声を上げました。

その視線の先にあるカブ吉くんのスピードメータの赤い針は、メータ文字盤のちょうど30km/hのあたりを指して、ピタリと止まっています。

「え~っ、どうなっちゃってるの~?」などとジョニーさんは言いながら、軽くではありますが、カブ吉くんのスピードメータをポンポンと叩き始めました。

 

 一瞬、話しは変わりますが、この何か物に不具合が起こった時に『ポン、ポン』と叩いてしまうのは人間の本能なのでしょうか?

 そうやって考えてみると、昔からテレビが急に映らなくなったり、ラジオが急に聞こえなくなったりしたときに、家のお父さん達はよく『ポン、ポン』と叩いていました。それで直ってしまう時もあれば、当然まったく復活しない時もあります。

 あの悪者を相手に華麗に戦うスーパーヒーローのバットマンでさえ、技術の粋を集めて製造されたバットマンカーが不調に陥ると、ダッシュボードを『バン、バン』(ポン、ポンではありません)と豪快に叩いておりました。(ジョニーさんは、大笑いしていたそうです) 非常に興味深い話しです。

 

 話しを戻します。

 

 しかし、その変なところで止まってしまった赤い針は、いっこうにいつもの位置に戻ろうとはしません。

 そんな事をしているうちに、信号が青に変わり、二人は再び走り始めます。すると、その止まっていた赤い針は、カブ吉くんの速度が30km/hを超えていくと、何事もなかったかのように、また普通に動き始めるのです。そして、その針の動き方は、先ほどまで変なところで止まっていたのが嘘のように滑らかに動いています。

「あ~良かった! ちゃんと普通に動くじゃん。なんか、メータの中で引っ掛かってたのかなぁ~? でも、動いてくれて本当に助かったよ。このタイミングでメータ交換は、悲しいもんな~」などと言いながら、ジョニーさんはほっとしているようです。

 宮崎小入口の交差点を通り過ぎ、新道馬絹の交差点もタイミングよくクリアした二人ですが、梶ヶ谷の交差点では、再び赤信号で停止する事になります。

 ジョニーさんはカブ吉くんを減速させながら、スピードメータをちらちらと確認しています。先行車に合せながら、速度が40km/h以下に落ちたところで、赤い針は再びピタリと動かなくなりました。

「ありゃ~!? やっぱりダメだよ~」などと言いながら、ジョニーさんはまたカブ吉くんのメータ辺りをペンペンと叩き始めます。

その振動に反応したのか、赤い針が一瞬動きました。しかし、ちょっと動いただけで、今度は文字盤の25km/hあたりでピタリと止まって動かなくなってしまいました。

 結局、その後もそんな事を繰り返しながら二人は走っていたのですが、ジョニーさんの自宅に帰り着いても、カブ吉くんのスピードメータの赤い針は0km/hを指すことはありませんでした。

 ジョニーさんは一日の仕事の疲れもあったのか、その日はカブ吉くんを直そうとはしませんでした。まぁ、0km/hのところに赤い針は降りて来ないけど、スピードが出てしまえば、速度はキチンと指し示しているようだし、距離計も普通に動いているみたいなので、明朝に明るくなってから確認してみるつもりのようです。

 

 そして、翌朝に少し早く起きたジョニーさんは、カブ吉くんの様子を見に来ます。

カブ吉くんのシートをポンポンと叩きながら、おはようの挨拶をしたジョニーさんは、スピードメータを恐る恐る覗き込みます。

「……、あれっ!? ビス……、取れてんじゃん……」

カブ吉くんのスピードメータの文字盤の中には、小さいプラスのスクリュで、3か所ほど固定されているところがあります。1か所は左上に配置されている燃料計の『F』の左側あたりと、もう2か所は赤い速度指示針が取り付けられている部分の左右にあります。

 そして、その速度指示針の右側に本来締め込まれているスクリュの位置には、主であるはずのスクリュは存在せず、ただ小さな丸い空洞が見えているのです。

更に観察を続けると、その本来の場所から抜け落ちた小さなスクリュは、メータ内の一番低い所に居場所を見つけただけではなく、赤い速度指示針のお尻の少し幅広い部分をうまくホールドする事に成功していました。

「なんだよ~、これかよ~」と思わず声を漏らしたジョニーさんは、その後、安堵の表情を浮かべながら、修理に取り掛かりました。

 抜け落ちたスクリュを正規の位置に締め直し、その他の2本のスクリュも増し締めをしておきます。

 長い距離を走っている間に、恐らく振動で緩んでしまったのではないかと考えられます。それでも、きっと目の良いライダーなら、昼間走行している時に緩んでいるのに気が付いていたかもしれません。

「へぇ~、こんなこともあるんだね~」という、お話しでした。

 

【スイッチ関係】

 カブ吉くんのハンドル廻りに付いているスイッチ類は、右側にスタータスイッチ、左側にディマスイッチ、ウインカライトスイッチ、ホーンスイッチの合計4個となります。

この中で、現在まで不具合のあったスイッチは、ディマスイッチとウインカライトスイッチの二つです。

 ディマスイッチに関しては、2017年5月の17万2千キロ時点で部品交換になっています。このスイッチは、ヘッドライトが常時点灯になっているので、微弱な電流ではありますが、スイッチにも電流が流れ続けています。そうすると、どうしてもスイッチ接点に問題が発生してしまうようです。カブ吉くんも半年くらい前から、不意にライトが消えてしまう等の問題が、ちょこちょこと起きていました。そのたびに、スイッチのローとメインの切り替え操作を『バチバチ』とやってみると、一時的に復活するのですが、最後はまったく反応を示すことなく、終了となりました。部品単体の使用時間としては、メータ照明と同じ計算式を使って計算すると、約5700時間になります。これも、これだけ持てばどなたも不足は感じないのではないかと思いますが、一つだけ注意をしなければいけない事があります。ジョニーさんはカブ吉くんに、雪の日以外は一年中乗るので、カブ吉くんには一年間の内八~九ヶ月間はハンドルカバーが付いているという事です。そうです、ハンドルカバーのおかげで、この期間は直接スイッチに雨が当たる事がないのです。デザイン面や操作性の好き嫌いがあるので、一概には言えませんが、これがあるかないかではスイッチ類の寿命に結構差が出るかも知れません。

 

 次に、ウインカライトスイッチの話しをしたいと思います。

このスイッチに関しては、割合接点不良が起こる事が多いような気がします。

でも、うまくウインカライトが点滅しなかったり、不灯だったりしても、ガチャガチャやってると自然に復活してしまったりするスイッチです。もし、ガチャガチャで復活しない時は、スプレーの接点復活剤を吹いてみます。過去にこれで復活しなかった事はありません。

 ジョニーさんは、もしもの為にウインカライトスイッチとウインカリレーの新品スペアを持っているのですが、まだ出番が来たことはありません。

 

(その三)に続く

                                    管理人

 

 

2019年9月 カブ吉くん 近況報告

 令和元年9月9日(月)早朝5時前に千葉県千葉市付近に上陸した台風15号は、千葉県を中心に1都7県(東京都、神奈川県、茨城県静岡県、埼玉県、福島県、栃木県)に大きな被害をもたらしました。千葉県の一部では、9月末まで停電の復旧が遅れてしまった地域もあるようです。まだまだ生活の立て直しには時間が掛かると思いますが、被災された地域の方々には、心からお見舞いを申し上げます。

 

 

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 オートバイ乗りとしては、この台風15号の暴風雨の影響を受けて、オートバイに乗って怪我をされたりしている方々がいない事を祈っております。

 カブ吉くんは、ジョニーさんが9月7日(土)から9月9日(月)までお休みを取っていた関係から、おかげ様で何事もなく過ごさせて頂きました。

 でも9月9日(月)のお休みに関しては、台風の関係というのもあったのですが、本当のところは、ジョニーさんが8月下旬に病院に通院する予定だった日が仕事で行けなくなったので、その代替え日として偶然にもお休みを取ってあったのです。

 9月8日の日曜日から翌日にかけての首都圏の電車は、終電時刻を早めたり、月曜日の始発電車を遅らせたりと、JR及び私鉄各社は台風対応に追われておりました。当然、それらを通勤や通学等の主要な交通手段にしている方々は、週明けから大変なご苦労をされたようです。

 そんな中、ジョニーさんとカブ吉くんは、9日の月曜日の9時過ぎに

「さて、カブ吉そろそろ行こうか? 風がまだまだ強くて何が飛んで来るか分からないから、気を付けて行きましょう」などと言いながら、小雨の中をそろりそろりと慎重に出掛けて行きました。

 ジョニーさんのかかりつけの病院は新大久保にあるので、自宅から新目白通りを上り込み、高田馬場の駅の脇を抜けて行けば、自宅からほんの20分ほどの道のりです。

 道中は、道路上に折れた木の枝や、何処からか飛んで来た看板などが散乱している場所もありましたが、さすがに皆さん仕事を控えたのか、月曜日の朝の割には渋滞もなくスムーズに病院に到着する事が出来ました。

 病院の受付ロビー内も、普段だと診察券を入れる自動再来受付機の前に多数の患者さんがおられるのですが、この日はガラガラです。

 

「そりゃ~そうだよな~。電車止まってるんだもんな~」

などとジョニーさんは呟きながら、ハタと一番大事な事に思い当たります。

「……、先生来てるのか~?」

そうです。その問題がありました。

 

恐る恐る受付で尋ねてみると、通常通り診察を行っているとの事。

待合で待っている患者さんも少なく、すぐにジョニーさんの診察は始まりました。

 ジョニーさんはこの病院で二つの診療科を受診しているのですが、診察費の支払いから薬の受領までの全てを午前中に終わる事が出来ました。こんな事は、今までに一度もなかった事です。こうやってスムーズに病院に受診が出来るのも、『カブ吉くん』のお陰と、ジョニーさんはいつも感謝しています。

 

 病院を終えた二人は、吉村さんのお店に向かいました。もう少しで走行距離が23万キロになるので、プラグ交換をする為です。

 

「吉村さ~ん、プラグ換えて~」店に着くなり、ジョニーさんが声を掛けます。

「お~ジョニー、待ってたぞ。病院への道中は、大丈夫だったか?』吉村さんが心配顔で返事をします。

「うん、病院も道路もが~らがら!」相変わらずのジョニーさんです。

 

 いつも通りバイクリフトにカブ吉くんを載せて、プラグ交換が始まります。

吉村さんは、プラグキャップを外し、プラグレンチを使って手際よくカブ吉くんのプラグを外していきます。そして、カブ吉くんから今取り外したばかりのプラグを手に取って、今回は何故かしげしげと眺めています。

 普段だと、何も問題が無ければ「よく焼けてるよ、ジョニー」などと言いながら、すぐにジョニーさんにそのよく焼けたプラグを見せるのですが、この日はいつもとなんだか違いました。

 

「……、よく焼けてるな。……、よく焼けてる」吉村さんは、そう同じ言葉を二度繰り返してから、ようやくジョニーさんにその『よく焼けたプラグ』を見せました。

 

「うん、いつも通りだね。よく焼けてる」ジョニーさんもそのプラグを見て、相槌を打ちます。

 

「そうなんだよ……、よく焼けてるんだよ」吉村さんはそう言って、少しのあいだ沈黙しました。

 

「……で、燃費だとかほかのところはどうなんだ?」吉村さんは再び口を開き、ジョニーさんに質問します。

 

「先月行った道志みちの山伏トンネル手前のいつもの坂は、上ってる時になんとなく力が落ちたかなぁ~って感じたけど、普段乗ってる限りではあまり感じないんだよね~。第一京浜(国道15号線)下りの大森陸橋を超えて行くとこなんか、カブ吉はけっこう元気に上って行くからね~。それにここんとこ燃費も悪くないしなぁ……」ジョニーさんは、不思議そうな顔をしながら吉村さんに答えます。

 

一瞬の沈黙の後、吉村さんが口を開きました。

「カブ吉のマフラーから煙りが出ているのかどうかを、ジョニーが店から帰る時にいつも気を付けて見てるんだ。だけど、今まで一度も煙が出てる事はなかった。それに、カブ吉のエンジンを掛けた時にも、やっぱり煙は全然出ない。それでもジョニーが言うように、走ってる時に煙が出てるんなら、距離も距離だし俺もオイル上りかなぁなんて軽く考えてたんだけどな……。なんかオイル上りじゃ、ないような気がするなぁ……」

 

吉村さんは更に続けます。

「カブ吉が煙を吹き始めたっていってG2の40番に変えてから、約1万1千キロくらいかなぁ。それで、今日が三本目のプラグ交換なんだよ。でも、面白い事に一度もプラグがオイルで汚れてた事がないんだよな。ジョニー、これたぶんオイル下がりだな。それも排気側のな」

 

先月『うぅ~ん、どうなんでしょう?』の長嶋茂雄さん状態だったジョニーさんが、ニッコリと納得した顔で頷きます。

「なんだぁ、そういう事だったんだ~。ここんとこ燃費もどんどん良くなって来てるし、どうなっちゃてるんだろうな~なんて思ってたんだよなぁ」

まだ、本当の原因が分かった訳ではありませんが、段々理屈が合って来ている事が、なんだか嬉しそうなジョニーさんです。

 

 どうやらカブ吉くんのマフラーからの煙は、排気側のバルブステムシールに原因がありそうな感じになってきました。では、どこまでの部品を交換していくのかは、『耐久チャレンジ』の非常に重要なポイントになってきますので、今後ジョニーさんと吉村さんの間で意見が交わされると思います。

 

 結論が出ましたら、皆さまにすぐにご報告をさせて頂きます。

 

 秋の交通安全運動は終わりましたが、最近世の中を騒がせている『あおり運転』の問題もありますので、皆さまくれぐれもお気をつけてオートバイをお愉しみください。

 

                                   管理人

 

2019年9月末日現在 全走行距離 231,239km

(9月走行距離 1,909km  燃費 60.14km/ℓ )

月まであと、153,161km

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カブ吉くん メンテナンス(ハンドル廻り編)その一

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 今日は、ハンドル廻りのメンテナンスについて少しお話しをしたいと思います。

しかし、ただ『ハンドル廻り』と言っても、一体どこら辺の事を指しているのか、何か今一つピンとこない感じがあります。それなので、現在までにカブ吉くんに実施した『ハンドル廻り整備記録』なる一覧表を作ってみました。下記に貼り付けますので、ちょっとご覧になって頂けると幸いです。

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 2010年7月から走り始めてから現在に至るまで、『カブ吉くんのハンドル廻りは、こんな整備(部品交換等)がされて来たのか』というのが良く分かって頂ける事と思います。

 今日からは、この中から順番に、ヘッドライトバルブ、スピードメータ関係及びスイッチ類について話しをして行きたいと思います。

 

【ヘッドライトバルブ】

 JA07型スーパーカブでは、同車種シリーズとして初めて『マルチリフレクターヘッドライト』が採用されました。当然、歴代のスーパーカブの中では一番のヘッドライト性能を持っている筈です。JA07型となり様々な機能が変更になったスーパーカブ110ですが、ジョニーさんはこの『マルチリフレクターヘッドライト』に関しては、特に期待を持っておりました。

 しかし、『カブ吉くん 月まで走れ(小説)-3』の中でも触れていますが、ジョニーさんがカブ吉くんに乗るようになって真っ先に感じたことが、『う~ん、ライトがまだ、微妙に暗いんじゃないの?』という感想だったのです。

 

 カブ吉くんが走り始めた2010年7月、慣らし運転のほとんどは夜間走行でした。そして翌月の8月には、毎週『道志みち』を通って富士山まで湧水を汲みに行くというツーリングを実施するようになっていました。

 この『水汲みツーリング』ですが、昼間だけの移動なら良いのですが、場合によっては夜間の走行を余儀なくされる時もあります。そうすると、この真っ暗な『道志みち』が、逆にヘッドライトの格好のテストの場となるのです。

 8月の初旬から中旬にかけて、ジョニーさんとカブ吉くんは3回の『水汲みツーリング』を純正バルブで走行しました。市街地走行ではあまり問題を感じないのですが、『道志みち』に入りメインビームでの走行が主体となると、その問題が持ち上がって来ます。純正バルブでは、どうしてもボーっと遠くを照らしてはいるのですが、その中の照射する中心に芯が出ないのです。

 個人的な好みもあるのですが、ジョニーさんはこういう照射パターンがあまり好きではありません。そして、その結果として『夜間走行のアベレージを安全に向上する為には、もう少しヘッドライトの性能を上げたいよな~』という結論になったのです。

 しかし、そうは言いながらもJA07型スーパーカブの耐久性を確認する意味で基本的にノーマルから大幅に改造はしない事が大前提ですので、その対応策は結局ごく限られたものになります。そして、その問題をクリアする方法が、純正バルブと消費電力が全く同様の『高効率バルブ』への変更です。

 この『高効率バルブ』への変更は、ロービーム時の照射範囲がやや狭くなる問題はありましたが、メインビーム使用時の照度がやや向上し、純正バルブに比べてややはっきりと照射される中心に芯が出来ている事などが確認できました。

 それでも、ジョニーさんの求めるヘッドライト性能を100%と考えた場合、ノーマルでは60パーセントくらいの評価にしかならないようですし、それを『高効率バルブ』に変更したとしても、『それでも、ようやく70パーセントくらいかなぁ』という、結局まだまだの評価にしかならないようです……。昔とった杵柄ではありませんが、元ラリー屋さんのライト評価は、夜間走行の本職でもありますので、カブ吉くんにはかなり厳しいものがあります。

 また、この『高効率バルブ』には、純正バルブと比較して大きな問題点がありました。それは、バルブの寿命の問題です。純正バルブは、吉村さんに聞くと『あまり切れねぇな~、4万キロくらいは持つんじゃねぇか~?』という回答を頂きました。

 一覧表を見て頂けると分かるのですが、カブ吉くんは2019年4月までに14回も交換しています。特に2014年ごろ迄は、1万キロくらいしか寿命がありませんでした。しかし、どうした事か2015年以降に交換した同じ『高効率バルブ』たちは、軒並み2万キロを超える寿命となっています。

 製造メーカー様が、耐久性(特に振動の問題)に関する部分を、何か変更されたのかもしれません。そうであれば、それはそれで大変うれしい事です。ヘッドライトバルブ1本にしても、決して安い値段ではありませんし、『中・長距離ツーリングの途中でバルブが切れちゃうとシャレにならないからな~』と、ジョニーさんも言っておりましたから……。

 

 そういう事で、ヘッドライトバルブに関しては、しばらくはこのまま『高効率バルブ』を使い続けていく予定のようです。

 でも、先日ジョニーさんと吉村さんの会話を聞いていると、こんな話しが耳に飛び込んで来ました。

 

『ねぇ、吉村さん、カブ吉のヘッドライトユニット径って130mmだったよね?』

 

『あぁ、確かそうだったと思うな』吉村さんが返事をすると、

 

『そうだよな~、ちょっと加工すれば昔の丸目4灯のライトユニットが使えそうな気がするんだよな~』ジョニーさんは、頭の中で想像を巡らせているようです。

 

『でも、H4だぞ……』吉村さんが、すかさず答えます。

 

『まぁ、バルブは適当に加工出来るからね~』ニヤリとするジョニーさんでした。

 

 ACジェネレータの発電容量の問題もあるので、なかなか簡単にいい方法が見つかる訳ではないのですが、ジョニーさんの頭の中には何らかの秘策があるようなので、ひょっとするとそのうち実現の運びとなるかもしれません。

 補助灯を追加するというような単純な方法ではなさそうなので、今後の展開を楽しみにしていたいと思います。

 

(その二)に続く

                                   管理人