スーパーカブ 耐久チャレンジ

JA07型スーパーカブの耐久性を検証するブログです。

カブ吉くん メンテナンス(オイル編)その一

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 今日は、カブ吉くんのエンジンオイルの話しをしたいと思います。

 

 カブ吉くんのオドメーターは、現在219,800kmを少し超えたあたりを表示しています。エンジンオイル交換のサイクルは、『JA07型スーパーカブ110』の取扱説明書の中では、新車で走り始めてから1回目のみを1,000kmで実施し、それ以後は3,000km毎に交換するように記載されています。

 しかし、実際のカブ吉くんでは、ジョニーさんの比較的高回転を多用する事を厭わないライディングスタイルや、『雪の日以外は走ろうね!』というお約束で、どうしても一般の空冷マシン達と比べても走行距離が多くなってしまう事を踏まえて、初回1,000kmで交換の後は、何らかの理由がない限り2,000km毎の交換を実施する事で現在に至っています。

 そうやって考えてみると、距離的にはカブ吉くんはすでに100回以上のエンジンオイルの交換をして来たという事になります。1台のオートバイで、ここまでエンジンオイルの交換をされたオートバイは、周りを見渡してもなかなかいないかもしれません。

 そして、その交換に使われるエンジンオイルは、一体どのようなものが指定されているのか確認してみると、サービスマニュアルによれば『JA07型スーパーカブ110』のメーカー推奨エンジンオイルは、『Honda純正ウルトラG1』という事になっています。

 しかし、その推奨エンジンオイルの相当品を使用する事に何も問題はなく、次の三つの条件を満たすように記載されています。

 

1.API分類:SG、SH、SJ、またはSL級相当品

2.JASO規格:MA

3.SAE規格:外気温に応じ10W-30及び10W-40から選択

但し、API分類が合致していても、特性が微妙に異なり、この車両に適合しない場合がある。

 

以上のような条件から、ジョニーさんと吉村さんは『JA07型スーパーカブ110』の耐久性を確認する事も含めて、カブ吉くんに使うエンジンオイルを次のように決めたのです。

 

『使用するエンジンオイルは、推奨純正エンジンオイルのG1(10W-30)を基本とする。しかし、中距離及び長距離ツーリングや高回転での使用が増える春から秋に掛けての時期はG2(10Wー40)を使用しても構わない』

 

 耐久性の見極めの為、それ以外のエンジンオイルは基本的に使用しません。いろいろなエンジンオイルを使ってしまうと、どの種類のエンジンオイルが、カブ吉くんのエンジンにどのような影響を及ぼしたのかが、まったく分からなくなってしまうからです。

 そしてカブ吉くんは、この二種類のエンジンオイルを使用しながら、21万キロを過ぎるまで大きな問題も起こさずに走って来ておりました。

 そういう意味で考えてみると、10万キロあたりを目標にして走るのであれば、推奨されている純正エンジンオイルを使用して、決まった距離できちんとエンジンオイルを交換さえしていれば、現在の『スーパーカブ』は、何の問題も起こさずにほとんどが普通に走ってしまうような気が致します。

 しかし、その倍の距離である20万キロを超えてからも走行を続けているカブ吉くんには、昨年末の213,000kmを超えたあたりから、少しずつ小さな異変が起こり始めました。 その時点で使用していたオイルは、寒い冬の時期なので『ウルトラG1』エンジンオイルです。

 では、どんな事が実際起こり始めたのかというと、通常の2,000kmのエンジンオイル交換サイクルの間に、エンジンオイルが少量ではありますが微妙に減るようになって来たのです。

 カブ吉くんには、20万キロを過ぎるまでは、まったくそういう事はなかったのですが、昨年末あたりから微妙に減っている事が増えて来ました。

 その減り方は、1,000km走って、だいたい100~150ccくらいの減り方です。まだまだ少ない減り方ですが、確実にエンジンオイルは減っているようです。

 ジョニーさんがその事を吉村さんに伝えると、『エンジンオイルが減ること自体は、それだけで特別に異常という訳じゃないからな……。まぁ、もう少し様子を見てみるようかなぁ~』という、いたって普通の答えが返ってきました。

 しかし、今年の3月に入って事態は次のステップに進んで行ったのです。

 ジョニーさんがカブ吉くんに乗って出かけている時に、たまたま交差点で信号待ちをしていたら、何かオイルの焼けたような臭いを感じたのです。ジョニーさんは、『あれっ?』っと思いながら、まずは周りにいる車たちの様子を確認したそうです。でも、その中にはトラックやマフラーから煙りが出ているような古い車はいませんでした。ジョニーさんはもしやと思い、カブ吉くんのギヤがニュートラルである事を確認した後、マフラーを見ながらスロットルを少し多めに開いてみました。そして、そこにまだ非常に薄い感じではありますが、カブ吉くんのマフラーからごく少量の白い煙りが確実に出ている事をおもいっきり見てしまったのです。

『え~っ!? 、これって、オイル上がりじゃないの~?』

 ジョニーさんは、その事実に少なからず衝撃を受けたようです。そして、その日の晩のうちに吉村さんと相談して、とりあえずエンジンオイルを交換する事となりました。気温のまだ低いこの3月の時期には、今まで使う事のなかった『ウルトラG2 10W-40』への交換です。

 このエンジンオイルの粘度を上げるやり方は、シリンダーとピストンのクリアランスが大きくなってきたエンジンには良く使われる手法です。

 このくらいの応急処置で済んでくれればよいとは思うのですが、仮にある程度煙を吹く症状が治まったとしても、決して根本的な原因が解決された訳ではありません。

 現在、そのG2への交換後800kmほど走行をしていますが、エンジンオイルの焼けた臭いは無くなっています。そして、マフラーからの白い煙りもほとんど確認出来ないくらいの状態になっています。

 

――2019年9月の近況報告以降、カブ吉くんのこの症状はオイル上りではなく、『排気バルブのステムシール不良によるオイル下がり』だろうという推測に変わっています。詳細は、『2020年3月メンテナンス(オイル編)その二』にも記載してありますので、宜しければそちらもご覧頂ければと思います――

 

 近年、都市部を含めて法定速度の60km/hで走行できる道路が徐々に増えて来ました。そして、それより更に速い70km/hの指定速度で走行可能な『新潟バイパス』や『岡山バイパス』のような道路も、どんどん増えているようです。

 そして、そういう道路での実際の交通の流れは、その指定速度からさらに速くなっている事が、当たり前であるような気も致します。

 ジョニーさんは、結構『郷に入れば郷に従え』的なところがある人なので、そういう場所に行くと地元の方々と同じように走行する事が多く、時には地元の方々以上に元気に走ってしまう事もあります。

 ちなみに、70km/hで走行しているの時のカブ吉くんのエンジン回転数は、約6,200回転になります。これは普通の乗用車で考えると、ほぼレッドゾーン直前くらいの回転数に相当するような気が致します。

 まぁ、一気筒当たりの排気量が、三~四倍以上の違いがある四輪車のエンジンと単純に比較する事は出来ませんが、それにしても、この常用回転域の高さで20万キロ以上もの距離をほぼ問題を起こさずに走り続けて来たカブ吉くんに、管理人は心の底から驚きを隠せません。

 

 果たして、これから先、カブ吉くんはこのままの状態で、エンジンのオーバーホールもせずに月までたどり着けるのでしょうか?

 

 さあ、いよいよここからが『月まで走れ!』の本番です。

                                   管理人