スーパーカブ 耐久チャレンジ

JA07型スーパーカブの耐久性を検証するブログです。

2020年6月 カブ吉くん 近況報告

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 沖縄地方ではすでに梅雨が明けていますが、それ以外の地域にお住いの方は『今が、梅雨真っ盛り』という状況ではないかと思います。

 昔の感覚で言うと『梅雨』のイメージは、ジトジトと身体にまとわりつくような雨の降り方を想像するのですが、昨今はタイミングよく梅雨前線が刺激されたりすると、バケツをひっくり返したような豪雨になったりします。

 この6月末から7月初旬にかけては、梅雨前線が本州付近に長く延び、その前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むので、九州から北海道にかけて幅広い地域で雨となります。特に、北海道と東北地域を除くエリアでは、大雨となる恐れもあるようなので、河川の増水や氾濫、土砂災害等からくれぐれも身をお守り頂くようお願い致します。

 また、この時期は日が暮れてからの雨にも充分注意をして頂きたいと思います。

ジョニーさんも仕事の終わりが遅くなったりすると、カブ吉くんと一緒に夜間移動をする場合があります。運悪く大雨と夜間が重なった時などは、安全を確保する為の視界や音の聞こえ方が不十分になったりするので、本当に気を付けて頂きたいと思います。

 特に、夜間に山越えのルートを走行する際は、霧の発生があったり、ただでさえ視界不良の中の走行になると思いますので、落石や土砂崩れなどに細心の注意を払って走行して頂ければと思います。

 ジョニーさんが昔やっていた四輪のラリー競技にも、こんな格言がありました。

『途中まで、どんなに速くうまく走っても、ゴールランプに戻れなければ意味がない』

 奇しくも、スーパーカブの誕生と同じ1958年(昭和33年)に、読売新聞の主催で『日本一周ラリー』というものが開催されました。このあたりが日本の四輪ラリー競技の始まりだと思いますが、初期の日本のラリー競技は、現在のラリー競技とは違い、『指定された区間を、指定された時間で走る』という、リライアビリティ・ランという形で競技が開催されていました。

 「な~んだ、全開で走ってタイムを競ってるんじゃないんだ……」などと簡単に考えてはいけません。皆さんが今、興味をお持ちになっている『スーパーカブ』のタイヤ径が何故『17インチ』なのかという事にもつながりますが、その当時は一般道はもとより、国道も含めてまだまだ舗装されていない道路が本当に多かったのです。

 『カブ吉くん 月まで走れ(小説)-2』の中にも少し書いていますが、ジョニーさんも含めて、東京や神奈川のライダー達が富士山方面を目指す時によく使う『道志みち(国道413号線)』も昔はそんな道の一つでした。

 そこら中にある水深も分からないような大きな水溜りを左右にかわしながら、デコボコだらけの道をそれなりのスピードで走ろうとすると、どうしても車両を壊したり、コースアウトをしてしまったりする事があるのです。

 ゴールランプの100m手前まで一位でも、そこで壊れて止まってしまってはダメなのです。

 家から出掛けた人は、ちゃんと帰らなければなりません。競馬界には『無事之名馬』という言葉もあります。ジョニーさんは、いつもそんな心持ちで走っているそうです。

 皆さまも、本当に注意をされて過ごして頂ければと思います。最近の雨の降り方は、昔と全く違うので……。

 

 さて、それではカブ吉くんの6月の近況報告をさせて頂きます。

 先月の報告の中で、『6月はホタルが見れるといいな』などというロマンティックな事をジョニーさんは申しておりましたが、実際蓋を開けてみたら、時間的には全くそんな余裕もなく、ジョニーさんとカブ吉くんは神奈川県の県央地域からみなとみらい地区にかけてを毎日々々走り回っておりました。

 ジョニーさんの仕事的にも、数年に一度あるかないかという週末の徹夜での仕事が二週ほど続き、その度にカブ吉くんは、みなとみらいの駐輪場に金曜日の夕方から、日曜日の夕方まで一人ぼっちでお留守番となります。

 ジョニーさんは、日曜日の夕方に疲れ切った身体でカブ吉くんの待つ駐輪場までとぼとぼと戻って来ます。そして、カブ吉くんシートを軽くぽんぽんと叩きながら、

『カブ吉、ただいま……』と小さな声でつぶやいた後、カブ吉くんの廻りをくるりとまわりながら、何か以上がないかを確認します。

 問題がなければエンジンを始動して、灯火類の確認をします。そして、それが済むと、後は家に帰るだけです。

 とは言いながらも、練馬まで戻るのに約40kmほどありますので、川崎や環七通り外回りが順調に流れている事を前提としても、約1時間30分ほどのライディングとなります。ジョニーさんは眠気を感じるさせる事もなく、的確な操作でカブ吉くんと自身を家まで運んで行きます。

 ライダーというのは、不思議なものだなと管理人は思います。カブ吉くんの待つ駐輪場に入って来た時のジョニーさんは、結構ヘロヘロな足どりだったような気がしたのですが、自分の荷物をビジネスボックスの放り込み、ヘルメットをかぶってグローブをはめながらカブ吉くんの廻りを点検し始めた時には、もう目の輝きが違っているのです。

 もっとも、オートバイというのは本来そういうものなのだと思います。怪我をしない為にも、ある程度の緊張感を持って乗らないといけない乗り物なのです。

 ちょっとめんどくさい感じもしますが、そうしてやると、うまく乗れた時に、それが逆に大きな喜びや感動に、そして最終的に自分の身を守る事にもつながって行くのです。

 海外の道路は自分で走ったことがないので分かりませんが、日本の道路のマンホールの位置というのは、どうしてみんなライダーが通りたい走行ラインの上にあるのでしょうか? 大体コーナーにあるマンホールは、クリッピングポイント(公道にそんなものがあるか分かりませんが)あたりにあります……。それが、この梅雨の時期は特に気になってきます。また、路面上に描かれたペイントもとてもよく滑りますので、こちらも注意しないといけません。カブ吉くんくらいのパワーでも、発進の時にペイントにのった状態で不用意にスロットルを開けると、たまにリヤがホイールスピンをする事があったりします。

 先日もジョニーさんは、第二京浜の鶴見の辺りで、道路のグレーチングの上に乗ったカブ吉くんのリヤホイールを空転させながら、

『おォッ?! すげぇ~! すげぇ~!』などと言って、はしゃいでおりました。

皆さんは、こんな大人になってはいけません。

 

 話しを、マンホールとペイントに戻します。

 ベテランライダー達は、そういう部分をすべて頭に入れながら、『速度はどのくらいか? 車間距離は? 走行ラインは? ブレーキングポイントは? ほかの車両の動きは?』という様々な状況と、路面のマンホールやペイント位置を一瞬で判断しながらライディングしていきます。当然、自身の乗るマシンのタイヤのコンディション(溝の深さや空気圧等)も含めて、考えて走っているのです。

 文字にすると長くなってしまいますが、ライディング中は、これを次から次へと繰り返して走っているのです。こんな事、緊張感が無くて出来る訳がありません。

 ですから、オートバイという乗り物には、無事に目的地に到着した時に、他の乗り物ではなかなか味わう事の出来ない、心地よい疲労感と感動があるのだと思います。

 まぁ、ライダーの中にも、雨の日は絶対に乗らないというライダーもいるので管理人は全面的にお勧めする気はありませんが、空を飛んだりするようなハードルの高さはありませんし、比較的簡単に出来る非日常体験の中では、結構上位にはいる楽しさだとは思っています。興味のある方は、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 

 今月のカブ吉くんの整備に関しては、エンジンオイルの交換が一回と、あとは毎週末の空気圧チェックとドライブチェーンへの給油というメンテナンスが実施されました。

 エンジンオイルの減り方は、やはり1000km走って100ccくらいの減り方です。また、気温がもう少し高くなってくると、当然ながら消耗する量も増えるのではないかと思われます。

 ドライブチェーンに関しては、交換してから約8000km走行して、途中三回ほどチェーン張り調整をしましたが、初期伸びはほぼ止まったようです。

 しかし、この梅雨の時期はちょっと気を抜くとすぐにドライブチェーンのサイドプレート辺りに錆が浮いてきたりします。

 ジョニーさんも新型コロナウイルスの影響もあり、在宅で仕事をする機会が増えてきています。そのような理由もあって、カブ吉くんと毎日走らなかったりすると、途端にカブ吉くんのドライブチェーンにも錆が出て来てしまいます。

 こんな事を見ていると、やっぱり毎日乗ってやる事が、オートバイを長く使い続ける為の、一番の秘訣なのだなぁと今更ながらに思い知らされます。

 

 カブ吉くんは、2010年7月15日からジョニーさんと一緒に走り始めて、ほぼ10年の月日が経過しました。

 走り始めた当初は、ひと月に走る距離を2000kmくらいに考えていたので、10年後は、距離的に24万キロぐらいまで走れていればいいなぁなどと、漠然と考えていました。そういう意味では、今月末で24万8千キロまで走れたというこの予想を上回る結果は、大変に上出来だと思います。

 10年間、雨の日も風の日も走り続けたカブ吉くんの外装の状態は、リヤフェンダーの左側の部分に紫外線による白化が若干進んでいますが、それ以外の部分はまだまだ十分にきれいな状態を保っています。もっとも、新車のように綺麗という意味ではありません。10年間走り込んだ綺麗さとでも言うんでしょうか? 使い込まれたものの味が大分感じられるようになってきた気が致します。

 そのあたりは、また来月の報告で詳しくお話しさせて頂く予定です。

 

 それでは皆さま、巷では再び新型コロナウイルスの感染拡大が問題になり始めてきましたが、くれぐれもご自愛くださいますように祈っております。

 

                                    管理人

 

2020年6月末日現在 全走行距離 248,110km

(6月走行距離 2,021km 燃費 60.45km/ ℓ )

月まであと 136,290km