スーパーカブ 耐久チャレンジ

JA07型スーパーカブの耐久性を検証するブログです。

2020年12月 カブ吉くん 近況報告

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 今月はカブ吉くんの『近況報告』の前に、まずこのお話しから始めさせて頂きたいと思います。皆さまもよくご存じの『はやぶさ2』のお話しです。

 

 2019年2月の『カブ吉くん近況報告』の中で、小惑星リュウグウ』へ見事に第1回タッチダウンを決めた『はやぶさ2』の事を書かせて頂きましたが、その『はやぶさ2』が『リュウグウ』での活動を終えて、2020年12月5日14時30分頃『リュウグウ』から採取した『物質試料』を格納した回収カプセルを『はやぶさ2』本体から無事に分離して、それを地球に送り届けるミッションを見事に完遂致しました。

 その後の『はやぶさ2』は、回収カプセル分離後、15時30分から16時30分にかけて30分おきに3回に分けて『地球圏離脱軌道変更』を実施し、地球を再び離れて別の小惑星『1998KY26』を目指す拡張ミッションに既に旅立っています。

 

 小惑星リュウグウ』からのサンプルリターンミッションの主役である『はやぶさ2』は、2014年12月3日13時22分04秒に鹿児島県の種子島宇宙センターから『H-ⅡAロケット』で打ち上げられました。

 そして、そのちょうど一年後の2015年12月3日に地球の引力等を利用した『地球スイングバイ』を実施した後、2018年6月27日に小惑星リュウグウ』の上空20kmの位置(ホームポジションと呼ぶそうです)に到着します。

 その後は、探査車『MINERVA-Ⅱ1』や『MASCOT小惑星着陸機』を『リュウグウ』に投下して様々な場所でデータを収集したり、2019年2月22日には自ら第1回目のタッチダウンに成功します。それらで得られたデータは随時地球に送信され、JAXAの臼田宇宙空間観測所に設置されている64m反射鏡パラボラアンテナやJAXA相模原、その他アメリカのNASA等の施設で受信されています。

 その『はやぶさ2』は、2019年8月26日にサンプル採集容器を耐熱シールドで覆われた再突入カプセルに収納した後、同年11月13日『リュウグウ』からの離脱を開始します。

 そして、その一週間後にはイオンエンジンの試運転を実施した後、地球へ向けての第1期、第2期のイオンエンジン巡航運転(各期とも、2ヶ月から3ヶ月の運転)等を2020年8月下旬まで続けます。

 その後、イオンエンジンを停止して、地球へ帰還する為の精密な軌道測定を開始し、その結果に基づいて地球距離(高度)約3600万kmに迫ったところで、再びイオンエンジンによる軌道修正を実施します。 この作業は、2020年9月15日から17日のあいだに、約30時間をかけて行われました。この軌道修正を以って、地球帰還時のイオンエンジンの使用は全て終了となります(この時点でも、イオンエンジンの燃料はまだ55%ほど残っているそうです)。

 2020年10月以降は最終誘導フェーズとなり、あとは化学推進系エンジンでガスを「シュッ、シュッ」っと吹きながら軌道微調整や軌道変更を4回程実施して、本ミッションの最終的な目的である12月5日14時30分の回収カプセルの分離へと進んで行きます。

 

 総飛行時間:2194日13時間32分、総飛行距離:52億4000万km。

約6年間に渡り、日本だけにとどまらない世界に広がる技術者の力を集めた、実に壮大なミッションの完了です。

 

 『はやぶさ2』のミッションに関しては、詳細に書き始めるとこの『近況報告』の中でお伝えするのは全く不可能な事になってしまいます。

 しかし、皆さまに少しでもこの偉業を知って頂きたくて、大事なところは最低限記載をしながら、お伝え出来るように書いたつもりなのですが、よく分からない部分がありましたら、それは私の力不足でございます。申し訳ございません。

 もし、興味があればご自身で詳しく調べて頂ければ幸いでございます。きっと、このプロジェクトに参加した多くの人々の努力や行動に心が躍り、『人間の英知を集めると、こんな凄い事も出来るんだ!』という、思いに至るのではないでしょうか?

 それでは、このお話しの最後に『はやぶさ2』のミッションのプロジェクト・マネージャーである津田雄一氏の著書にある一節をここに記載させて頂きます。

 

「大人はすごい事をやっている。とんでもない事に挑戦し、面白い未来を創っている。未来に希望は確かにあり、大人になる事は楽しい事だ」そう子供たちに感じて欲しい。

 

 2020年は、世界中が新型コロナウイルスの感染拡大で振り回された大変な一年となりました。

 そこで様々な大人たちが見せた背中は、本当に子供たちに見せて良い背中だったのでしょうか? この事については、管理人もきちんと考えてみたいと思います。

 

 

 さあ、今年最後のカブ吉くん近況報告です。

 

 今月のジョニーさんとカブ吉くんの行動範囲は、ジョニーさんの年末の挨拶回りがあるので、東京都内から埼玉県南部、神奈川県県央部から川崎・横浜という地域を中心とした移動となりました。

 一ヶ月の走行距離の合計は、ちょうど2000kmとなりました。7月からとても良い数値を連続で記録している平均燃費の方は、59.65km/ℓ となりました。これは、2015年12月に記録した58.62km/ℓ という、これまでの12月の平均最高燃費を約1km/ℓ ほども上回る記録となりました。

 この半年間を振り返ってみても、10月だけは過去の記録に0.3km/ℓ ほど及びませんでしたが(それでも、過去二番目の数値となる62.64km/ℓ を記録しています)、7月から今月まで記録した燃費の向上は、もはや計測ミスであるとか、計算ミス等ではない事は明白です。カブ吉くんの燃費は、ここにきて明らかに向上しているのです。

 先月も少し書きましたが、恐らくこの好燃費の要因として考えられる事は、24万キロ整備で交換されたドライブチェーン(DID420DS強化タイプ)、ドライブスプロケット(純正)、ドリブンスプロケット(純正)である事は間違いないと思われます。

 しかし、そうは思いながらも、現時点ではまだ若干の疑問も残しているのです。それは、この駆動系の交換が実施された24万キロ整備は、2020年2月20日であるという事です。

 まぁ、2月は交換してから10日間くらいしか走行出来ないので、燃費への貢献もほとんどないと思われますが、3月から6月の期間としては、それなりの数値が出て来てもいいはずなのですが、実際にはあまり大きな変化は見られませんでした。

 決して悪い燃費ではないのですが、良くもありません。過去と比較してもほぼ普通の燃費なのです。

 参考の為に、下記に2011年から2020年にかけての3月から6月の平均燃費データ表を貼り付けてみました。

f:id:cub-taikyu:20210102185559j:plain

 表を見て頂けるとよく分かると思いますが、本当に大きな変化はなかったのです。

 ジョニーさん自身も、駆動系を交換してからしばらくの間はこのようなデータしか出てこなかったので、燃費が向上しない事についてはそれほど気にしていなかったのです。とりあえず、ドライブチェーンのジャラジャラとうるさかった音が消えたので、『まぁ、それでよし!』ぐらいに考えていました。

 同時に交換した前後のスプロケットにしても、まだ使い続ける事も可能なくらいにしか磨耗していなかったので、新品と交換してもそれほどのメリットは出ないのではないかとこちらも考えていました。

  しかし、7月になるとこの月間平均燃費が突然過去最高の数値を記録します。そして、8月以降も現在に至るまでその傾向は続いています。

 恐らく、ドライブチェーンと前後のスプロケットが馴染んだ結果が反映されたものと考えられますが、それにしても馴染むまで少し時間が掛かり過ぎているのではないかという気がしないでもありません。概ね、四か月間も掛かっているのですから……。

 とりあえず、引き続き燃費に関しては様子を見ていきたいと思います。一年間の平均燃費も、7月以降に好燃費が続いたおかげで、59.71km/ℓ という過去二番目の数値を記録して終わる事が出来ました。

 ちなみに、年間平均燃費の最高記録は、2015年に記録した59.97km/ℓ です。この年は、ゴールデンウイークに全走行距離約3800kmに及ぶ九州ツーリングを実施した年でもあります。ツーリング中の平均燃費も63.1km/ℓ を記録し、月間平均燃費のみならず年間平均燃費の向上に一役かった事は想像に難しくありません。

 しかし、今年記録した59.71km/ℓ という数値は、そういう好燃費を記録するようなロングツーリング等のない条件で出された数値です。これはある意味、結構価値のある数値なのかもしれません。

 カブ吉くんは2010年7月から走りはじめていますが、今までに一度も年間平均燃費60km/ℓ 以上というのを記録した事がありません。

 過去で一番可能性のあった、その九州へのロングツーリングを含む2015年でさえも、最終的に0.03km/ ℓ 足らずに終わっています。ジョニーさんとしては、この好条件がそろった2015年でも年間平均燃費が60km/ ℓ を超えないのであれば、今後も東京を起点とした走行が中心となる中では、その達成はもう難しいのではないかと考えていたのです。

 ところが、今年の7月から好燃費が連続した結果として出て来た数値は、ジョニーさんに再び年間平均燃費60km/ ℓ 超えを意識させるのに充分なものとなりました。

 

 スーパーカブ耐久チャレンジの2021年は、走行距離を淡々と積み重ねるだけではなく、年間平均燃費を意識しながらの一年となりそうです。とは言いながらも、ジョニーさんにはいつも通りに燃費を特に意識することなく、普通に一年間走行してもらいます。

 また、先月の近況報告の中にも書きましたが、今月のカブ吉くんは予定通り26万キロを通過する事が出来たので、エアクリーナエレメント(純正)とスパークプラグ(純正デンソー製)が交換されております。これで、新年はきれいな空気に元気に着火しながらスタートが切れる事となりました。

 

 今年最後の近況報告は、宇宙から東京、埼玉、神奈川までの壮大なスケール? のお話しで幕を閉じる事となります。一年間ありがとうございました。

 2021年もこのブログをご覧になって頂いている皆さまに、少しでもお役に立てるようにやっていく予定でございますので、どうかよろしくお願いいたします。

 

                                   管理人

 

2020年12月末現在 全走行距離 260,501km

(12月走行距離 2,000km 月間平均燃費 59.65km/ℓ )

月まであと 123,899km