スーパーカブ 耐久チャレンジ

JA07型スーパーカブの耐久性を検証するブログです。

カブ吉くん 月まで走れ!

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 20万キロ通過! 次なる目標は30万キロ!

★2022年9月19日 30万キロを通過しました。

★2025年8月28日 35万キロを通過しました。

 

 このブログは、伝説にもなっている『スーパーカブの耐久性』に関して、「でも、本当のところはどうなんだろう?」という素朴な疑問に答えるべく、実際に検証チャレンジをしているものです。

 

 本来ならば、『スーパーカブ』の原点である50ccや70ccモデルを使う事が正統なのかもしれませんが、今回このチャレンジに使用しているマシンは、2007年で製造が中止されてしまった『スーパーカブ90』の後継モデルである、2010年式JA07型スーパーカブ110です。

 

 このマシンは純日本製だった今までの『スーパーカブ』とは違って、タイで製造されたエンジン部品等を使って、ホンダ熊本工場で組み上げられたものです。

 外装も樹脂部品が多用されており、昔からスーパーカブに乗り続けている人々からは、「今度のカブは、一体どのくらい走れるんだろう? 外装部品の寿命は『鉄カブ』と比べたら、きっと短いんだろうな~」などという辛口の意見も数多く聞かれ、その車体寿命に関しては販売当初からかなり心配をされていた車種でございます。

 しかし、そのJA07型スーパーカブは、走り始めてから4年目の2014年8月に10万キロを走破。そして約8年経過した2018年6月には、大きく調子を落とすこともなく無事20万キロを通過致しました。

  当然、それまでにエンジンのオーバーホール等の大きな整備(※1)は一切なく、クラッチ関係についても、現在まで調整は一度も行われておりません。

 エンジンオイルは、推奨純正オイルのウルトラG1(鉱物油10W-30)及びウルトラG2(部分化学合成油10W-40)の二種類のみを使用し、季節及び使用状況等に応じて使い分けています。

――2019年3月以降は、エンジンにオイル下がりの症状が出て来た為、ウルトラG2(部分化学合成油10W-40)のみを使用しています――

 

 オイル交換に関しては、メーカー指示は3,000キロ毎ですが、乗り手が比較的高回転を多用する使用状況を考慮して、これだけは2,000キロ毎で実施しています。

 ドライブチェーン及び前後スプロケットも、定期的な給油は行っていますが、新車装着の物をそのまま使用しております。

――2020年2月に実施した『24万キロ整備』にて、ドライブチェーン及び前後スプロケットが初めての交換となりました――

 

 それ以外の交換部品類も、原則的にはメーカー等の指示に従って交換するような使用方法で現在に至っています。

 

 2014年に二輪自動車では初となる立体商標に登録され、2017年には世界累計生産台数が1億台を突破。そして2018年はスーパーカブ発売から60周年となり、この『スーパーカブ』という世界中で走り続けるマシンに、今後も更に多くの方々が興味をお持ちになるのではないかと思います。

 現在スーパーカブに乗られている方々はもちろんの事、これから『ちょっと乗ってみようかな』と考えている方々も含めて、少しでも皆様のお役に立てればと考えてこのブログを立ち上げました。

 しかし『耐久チャレンジ』や『月まで走れ!』などというタイトルを付けてブログを始めたものの、5万キロくらいで壊れてしまってはどうしようもありません。

 最低でも月まで半分強の距離である20万キロを越える事が出来たらという理由から、このタイミングでのブログ開設となりました。

 

 このブログの次の当面の目標は30万キロとなりますが、サブタイトルにもある通り、地球から月までの距離である38万4千4百キロを一応の最終目標に設定してチャレンジを続けて参ります。

 今後はJA07型スーパーカブの使用状況が分かる走行データやメンテナンス記事、近況報告やセミドキュメンタリー形式の小説などを随時掲載していく予定です。

  そして、その小説の中に登場する『カブ吉くん』の描写部分は、ノンフィクションとなります。実際に、『カブ吉くん』がどのように乗られてきたのかが、分かるように書いています。

 それらをお読み頂き、少しでも皆様のお役に立てるところがあるならば、とても嬉しく思います。

 また、『カブ吉くん』の走行シーンや走行データ以外の部分については、『読み物』としても楽しんで頂けたらという思いから、若干の脚色が含まれている事をご了承いただければと思います。

 

それでは、どうぞ宜しくお願い致します。                    

                                    

                                   管理人

 

(※1)

2019年3月から発生していたマフラーからの排煙と、エンジンオイルの消費量増加に対する根本的なメンテナンスとして、2022年1月(その時点での走行距離28万4千キロ)に初めてシリンダー、ピストン、ピストンリング等が交換されました。

 

 

2026年5月 カブ吉くん 近況報告

【 メインスタンド分解メンテナンス 】

【 スタッドボルト ヘリサート加工 】

 

 皆さんこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 5月の大型連休も終わった7日の日に、ジョニーさんはカブ吉くんのスパークプラグ交換の為に吉村さんのお店を訪れていました。

 

「ジョニー、それで5月の連休は結局何日仕事したんだ?」吉村さんが尋ねます。

 

「それがさあ、もっとあるかと思ってたんだけど、2日に丸の内で一日あっただけで、それ以外は全部休みになっちゃったんだよな~」ジョニーさんは少し不満げに返事をしています。

 

 現役時代は5月の大型連休を利用して、仕事の調整がうまくついた時にはロングツーリングを楽しんでいたジョニーさんですが、退職してからは『もう今は、何も無理して混む時期に走らなくてもいいんだよ。走るのは連休が終わってからさ』と言いながら、アルバイトがある時は現在はそちらを優先するようになっています。

 

「そうか……、でも一日だけじゃ小遣いもあんまり増えなかったなあ」

 

「本当だよ……、去年の連休は何だかんだ言っても3日くらいはあったからね……。これじゃ、今日のプラグ代も払えないかもしれないな……」

 

いつものジョニーさんと吉村さんの会話が続いていますが、前回の交換から約5千キロを走行しているカブ吉くんのスパークプラグは、その後きちんと交換されているのでご安心ください。但し、料金がきちんと支払われているかは分かりませんが……。

 

 吉村さんが他のお客さんの対応をしている間、ジョニーさんは何の気なしにカブ吉くんの交換されたプラグ周りを見ています。そして、ちょっとした異変に気付きます。

 

「あれ!? この前ちゃんと締めたはずなのに、スタッドボルトのフランジナット緩んでるじゃん……。何で?」

 

 確かにようく見てみると、マフラーのエキゾースト部分をシリンダーヘッドに固定しているフランジナット(正式にはエキゾーストパイプジョイントナットと言います)の締付面(座面)に微妙に隙間が出来ています。

 

 ジョニーさんは、カブ吉くんのビジネスボックスの中にある車載工具袋から12mmのスパナを取り出して、軽く締め直してみます。

 車体に対して左側のナットはすぐに手応えがある状態で締める事が出来たのですが、右側のナットは締め込んでいっても一向に手応えが出て来ない怪しい感じです。

 そこへ接客を終えた吉村さんが戻って来ます。ジョニーさんはすかさず吉村さんにスパナを手渡しながら、

 

「なんか変……、ちょっと締めてみて……」と、吉村さんに声を掛けます。

 

 吉村さんは慎重にフランジナットを締め始めましたが、その顔がすぐに曇ります。そして、吉村さんは一度フランジナットを緩めて外し、スタッドボルト単体をシリンダーヘッドから取外しに掛かります。

 吉村さんは、予想外に簡単に外れたスタッドボルトを手に載せながら、そのネジ部分のピッチの間に残る薄い金属片をつまんで、ジョニーさんの手のひらにそれをそっと載せます。

 怪訝な顔をしているジョニーさんの手のひらに、吉村さんはピックアップツールの磁石部分を近づけていきます。

 

「……、くっつかない……。っていう事は、アルミだ……」ジョニーさんが呟きます。

 

そうです。スタッドボルトを埋め込んでいるシリンダーヘッド側の雌ねじの山がダメになって、その破片が出て来たのです。 

 

 カブ吉くんのこのダメになったスタッドボルトは、2015年10月に動きの悪くなったメインスタンドを分解整備しようとしていたジョニーさんが、マフラーを取り外す為に固着していたフランジナットを緩めようとして折損してしまい、その時に一度修理交換をしているスタッドボルトです。

 その後も、いつの時期からなのかはっきりとしないのですが、再びフランジナットが固着し、ジョニーさんは頻繁にCRC5ー56等を吹き付けたりしていたのですが改善はせず、一時期からは固着したフランジナットとスタッドボルトが一緒に共回りをするようになっていました。

 それが正常な事ではないのは充分に分かっているのですが、マフラーを脱着しなければならないような作業頻度はそれほど多くはないので、ついついそのままになってしまっていたのです。

 しかし、それが不思議な事に、先月最終の日常メンテナンスを実施している際に、ジョニーさんがいつものようにCRCを吹き付けた後、12mmのメガネレンチを掛けて軽く緩めてみると、なんとフランジナットがすんなりと緩むではないですか! 

 もう、ジョニーさんは大喜びです。『これで、ここの所また動きが悪くなって来ているメインスタンドの分解整備がやっと出来るな~』などと言いながら、その為に随分前からストックしていた新品のピボットシャフトなどの部品達を引っ張り出す事をウキウキしながら考えていたのです。

 それが、まさかまさかこんな事になろうとは……。ジョニーさんは目の前が真っ暗になっておりました。

 

「まあ、ジョニーそんなに落ち込むな……。ちゃんと手はあるから……」吉村さんが優しく声を掛けます。

 

「でも、カブ吉のスタッドボルトって一度修理してるし、またヘッド外さなきゃなんないじゃん……」

 

「ヘリサートすれば大丈夫だから心配するな。ただ、今うちにはM8のヘリサートキットはないから、ジョニー自分でネットで探して、値段はバラバラだけどM8のヘリサートキットとかリコイルキットっていうのが一杯あるから、ピッチ1.25のやつで、タップはパイロットタップじゃないやつを選んで買って持ってこい。止まり穴だからパイロットタップは使えないからな。安いやつで十分使えるって言ってたから、そんなんでいいだろう……、手伝ってやるから心配するな」吉村さんがいろいろと要点を教えてくれます。

 

その後、ジョニーさんと吉村さんはお店のパソコンで修理動画を確認したり、売っているキットを選んだりしながら、カブ吉くんのスタッドボルト修理の日程を調整します。

 そして、キットを頼んでから来るまでに時間も少し掛かるので、修理をするタイミングはお店の混まない週明け11日、月曜日の午前中に決定します。

 

 家に戻ったジョニーさんは、マフラーがいつでも外せるこのタイミングで、メインスタンドの分解メンテナンスを先にやってしまおうと考えて、それに使用する部品のチエックとその手順や作戦を考える事にします。

 カブ吉くんのサイドスタンドは現在強化型のものが装着されていますが、その取付は純正サイドスタンドが固定されていたステップバーの穴と、スイングアームピボットボルトを利用した2箇所締めとなっています。

 通常はこのスイングアームピボットボルトは、車体左側からマフラーが固定されている右側に向けて差し込まれているのですが、カブ吉くん場合、ドライブスプロケットカバーを外したりするメンテナンス頻度が割と多いので、このスイングアームピボットボルトがマフラー側からの逆差しに変更されています。

 理由は、強化サイドスタンドの本体自体がドライブスプロケットカバーを上から押さえつけるような形で装着されているので、このカバーを外す為には強化サイドスタンドのスイングアームピボットボルトの取り付け部分を一度外してやり、サイドスタンド自体を少しずらしてやらないとドライブスプロケットカバーが外せないというのがその理由となります。

 しかし、11日のスタッドボルト修理の作業では最初にマフラーを外さなければならないので、ここでスイングアームピボットボルトが逆差しになっていたりすると全部抜かなければならず、いちいち手間が増えるだけです。

 そのような訳から、スイングアームピボットボルトは一度正規の車体左側方向からの差し込みに戻し、サイドスタンドもメインスタンド分解メンテナンスをする時には車体を支えなければならないので、このタイミングで一度純正に戻す事にします。

 

 8日の日は、カブ吉くんの日常メンテナンスを実施しながら、ジョニーさんは作戦通りにスイングアームピボットボルトの差し込む向きを変更し、サイドスタンドも強化型から純正に交換を済ませておきます。

 

 翌日の9日、朝食を済ませたジョニーさんは整備用のツナギに着替えて、カブ吉くんのメインスタンド分解メンテナンスを始めます。

 最初の方にも書きましたが、カブ吉くんのメインスタンド分解メンテナンスがきちんと行われるのは約11年ぶりの事となります。その時はスタッドボルト修理と一緒に吉村さんがやってくれていたので、ジョニーさん自身がこのメンテナンスを実施するのは初めての事です。その時の距離は12万9千キロだったので、実に23万6千キロぶりの分解メンテナンスとなります。

 まず最初にエキゾーストのフランジナットを外して後、スイングアームピボットボルトのナットも緩めて外し、マフラーを知恵の輪のようにして引き抜いていきます。

 次に、リヤブレーキ廻りのロッドの接続を外し、ブレーキライトスイッチスプリング、メインスタンドリターンスプリング、スプリングフックという順番で部品を取り外していきます。これでようやくピボットシャフトが抜けるようになりました。

 そして、ピボットシャフトを抜き取り、ブレーキペダル、ブレーキロッドAssy、メインスタンドを取り外していきます。

 抜き取られたピボットシャフトは錆だらけではありましたが、危惧していたスタンド自体の動きを悪くするような段差などは付いておらず、思っていたよりも状態は悪くありません。ジョニーさんはシャフトの錆を丁寧にヤスリを使って落した後、オイルの滲みこんだウエスを使って磨き上げ、全体にグリスを塗ってピボットシャフトを再使用する事にします。

 恐らく、今まで一度も分解整備がされていなかったとしたら、こんなに良い状態ではなかったと思われるので、途中で一度手を入れてくれた吉村さんに感謝です。

 ジョニーさんは次に、このピボットシャフトが入るフレーム側の穴の中の錆落しを始めます。CRCを吹いた後、ウエスを穴の中に突っ込み、何度も何度も丁寧に錆を落としていきます。そして、最後にこちらもしっかりグリスを塗布しておきます。それ以外にも、ブレーキペダルやブレーキロッド等も綺麗に磨き上げます。

 一連の作業を終えたジョニーさんは、カブ吉くんの脇にちょこんと座り、綺麗になった部品たちを見つめて実にいい顔をしています。こういう時間がジョニーさんにとって至福の時だというのがよく分かります。

 一息入れたジョニーさんは、メインスタンド、ブレーキ関係、マフラーという具合に一気に組み上げていきます。

 分解メンテナンスが実施されたメインスタンドは、今までになかったくらいの軽快な動きをしています。スタンドを解除した時はもちろんですが、スタンドを掛ける時も今までの半分くらいの力で掛けられるようになりました。これには、ジョニーさんもびっくりです。カブ吉くんに付いている部品たちが正常に動くと言う事は、こういう事なんだというのを思い知らされる瞬間です。

 

 週が明けた11日、ジョニーさんとカブ吉くんは朝から吉村さんのお店に登場です。

 

「吉村さん、とにかくメインスタンド凄いから、ちょっとやってみて!」

 

「なんだ、キットが来るまで時間があったからやったのか」

 

吉村さんはそう言いながら、カブ吉くんのメインスタンドを掛けたり降ろしたりしてみます。

 

「こりゃあ凄いな。ここまで動きが良くなるとはな……。ジョニー、いい仕事したな。これで今日スタッドボルトの修理が終われば、またカブ吉は完璧だな」

 

ジョニーさんがカブ吉くんのマフラーを外して、スタッドボルト修理(ヘリサート加工)が開始されます。

 最初にお断りをしておきますが、今回の修理のやり方はあまり参考にならないと思います。何故なら、シリンダーヘッドを取り外さない状態で、そのまま修理してしまおうというジョニーさんと吉村さんの考えによる修理だからです。

 普通の人がこの修理をオートバイ屋さんに頼んだら、お店の人はシリンダーヘッドを脱着して修理する事を前提に修理金額を提示すると思います。通常そのようにしなければ、修理への保証が持てないからです。この修理のスタートは、ドリルでスタッドボルトが入る穴にタップ下穴を開ける事から始まりますが、それがもし真っ直ぐに開かなければこの修理は失敗の可能性が一気に高まってしまいます。お店の人はそんなリスクは選択しないのが普通です。

 ですから、今回のスタッドボルト修理は、主の整備士はジョニーさん、副が吉村さんという体制となります。全ての作業責任はジョニーさんが取るのです。

 バイクリフトに車体後部をがっちりとベルトで締め上げられて、車体前部が浮いた状態で固定されているカブ吉くんの修理が始まります。

 電動ドリルにヘリサートキットに入っている8.3mmのドリル刃をセットして下穴を開けていきます。先ほども書きましたが、この作業は修理の良否を決める大事なポイントとなります。一応、吉村さんがドリルを持ってはいますが、スタッドボルトの下穴の角度を確認して最終的に判断するのはジョニーさんの役目です。

 ドリルの角度を決めた後は、ドリルがぶれないように二人で慎重に押さえながら下穴を開けていきます。

 

「うまいね~、完璧に垂直に入ってるね~」ジョニーさんが呟きます。

 

その後も、タップ立て、ヘリサート挿入、タング折り、と修理は順調に進み、大体一時間弱の作業時間で終了となりました。

 

 エキゾースト部分がしっかり固定されたカブ吉くんを見て、ジョニーさんの顔にも安堵の色が浮かんでいます。

 

 ここの所、4月のフロントフォークのオイルシール交換に続き、5月はスタッドボルト修理という具合に、長く走っている事による必然的なトラブルが発生しているような気がいたします。当然、耐久チャレンジとしては、そういうものを全て受け入れながら走り続けるというのが、基本的な考え方です。

 

 ジョニーさんは、復調したカブ吉くんと5月後半に久しぶりに宿泊ツーリングに出る計画を立てていました。しかし、ここで更に思わぬ事態が起こります。

 なんと、エンジンオイルがないのです。吉村さんにこの事を聞いてみると、『随分前から発注は掛けているけど、メーカーからは納期は未定の返事しか来ない』という状況だそうです。

 ロングツーリングに出掛けても、途中でエンジンオイルの交換が出来ないのは考えものです。こんな状況では、たとえその店にオイルがあったにしても、それを一見のツーリンング客に出してくれるかどうかは分かりません。

 

「まったく、50年以上オートバイに乗ってるけど、オイル交換が出来ないなんて初めてだな……」

 

ジョニーさんはカブ吉くんのシートに手を置きながら、ボソッと呟きます。

                                  

                                    管理人

 

2026年5月末日現在 全走行距離 366,719km

(5月走行距離 2,281km 月間平均燃費 62.70km/ℓ )

月まであと 17,681km

 

2026年4月 カブ吉くん 近況報告

【 フロントフォーク オイルシール交換 】

 

 皆さんこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 3月はアルバイトで忙しかったジョニーさんですが、4月に入るとそのアルバイトも一気になくなり、ただの暇そうなおじさんに戻っております。

 しかし、先月の報告の中でもお伝えしましたが、カブ吉くんのフロントフォークからとうとうオイル漏れが始まってしまった事もあるので、ジョニーさんはその整備計画の立案の為(暇なので単純に油を売りに来ているだけという話しもあります……)に月初めから吉村さんのお店に押し掛けています。

 

「ジョニー、結局のところ先月は何日働いたんだっけ?」

 

「そんなに大した事ないよ、確か13日だったかな? そんなにキツイ仕事もなかったしね……」

 

「それでも13日働いてりゃ、ひと月の半分近くは働いてたって事だからな~。身体はなんともなかったのか?」

 

「ううん、全然大丈夫だよ。やっぱり、ずうっとやってた慣れた仕事っていうのが大きいんだろうね……。それよりさ~、吉村さんどうしちゃったのよ日本代表は~」

 

「おおう、本当だな~。イングランドにとうとう勝っちまったなあ。それも、建て替えられたとは言え、一応ウェンブリーでだからなあ。これも、大したもんだ」

 

「本当だよね……。日本がアウェーでイングランドに勝つこと自体がなかなか想像出来ないのに、それもウェンブリーでだからね……。それにしても、三苫がボール奪取してからが速かったもんな~。鎌田から上田、そして三苫。全部ワンタッチで繋いだあと左サイドの中村に展開して、前を走る上田の後ろから三苫が中村のリターンを冷静にインサイドでゴール右隅にキッチリと流し込んでるもんね。見ててびっくりだよね、本当に強くなった……」

 

「ジョニーが大好きだった72年の西ドイツが、昔のウェンブリーでイングランドを3対1(1972年欧州選手権準々決勝第1戦)で破った時の衝撃を思い出すだろう」

 

「そうだね……。もう50年以上も前だけど、あの時の西ドイツは本当に凄かったからね~。爆撃機ゲルト・ミューラー、無から有を創り出す男ギュンター・ネッツァー、皇帝フランツ・ベッケンバウアーの3人がど真ん中に並んでるところに、それにグラボウスキー、ハインケス、ヴィンマー、ブライトナー、シュバルツェンベックあたりが絡んで来るんだからなあ……、本当にあの破壊力は凄まじかったな……」

 

すみません……。サッカーの話ししかしていないジョニーさんと吉村さんですが、一頻りサッカーの話しをした後は、ちゃんとカブ吉くんの整備に関する打ち合わせも、少しはしていますのでご安心下さい。(しかし、このいい加減さが後でちょっとした問題を引き起こします)

 

 4月10日金曜日、この日はお昼前後から雨模様の予報が出ていたので、ジョニーさんとカブ吉くんは朝一番で吉村さんのお店に登場です。

 今日の整備予定は、フロントフォークのオイルシール交換、前後タイヤ交換、リヤブレーキシュー交換という項目となります。

 まずは、一番時間の掛るフロントフォークのオイルシールの交換から開始します。

最初に、バイクリフトの上に載せられたカブ吉くんの前カゴを、フロントキャリアごと外していきます。前カゴが外れたら、次は左右のフォークカバーを外します。

 

「ありゃ! ジョニー、右側のフォークもしっかり漏ってるじゃねえか」

吉村さんは、外した右フォークカバーを手に持ちながら、すかさずジョニーさんに突っ込みを入れます。

 

「あっ!? 本当だ……。俺、左側しか見てなかったんだよな……。でも、いいじゃん、部品はちゃんと2本分あって、初めっから両方交換する予定だったんだからさ……」

このおじさんは、今日もいつもと変わらず能天気です。

 

 ジョニーさんのフォローをする訳ではありませんが、JA07型からはフロントサスペンションの形式がテレスコピックタイプに変更になっており、フォークチューブの部分は先ほど吉村さんが持っていたフォークカバーが付いていて非常に見ずらくなっています。ジョニーさんは、このフロントフォークからのオイル漏れを日常メンテナンスの時に発見したのですが、それは左フロントフォークのボトムケースにオイルが付着して汚れていたので分かったと言っていました。しかし、右側のボトムケースは全くそういう状況にはなっていなかったそうです。恐らく、まだ少量の漏れで済んでいて、ボトムケースの方まで流れていっていなかったのかもしれません。

 まあ、この整備に関しては、2本のフロントフォークで同じ距離を走って来ている訳ですから、漏った方だけのオイルシールを交換するという事はありません。当然、2本分交換する予定で部品は2セット頼んであるので、ジョニーさんの言っている通りと言えば、その通りなのですが……。でも、『ジョニーさん、もう少しちゃんと見ようね』っていう話しなんだと思います。

 

 その後、ボトムケース底部のソケットボルトをゆるめるのはいつものお約束で若干の時間を要しましたが、その他の部分のバラシは順調に進み、いま目の前にはカブ吉くんのフロントフォークが初めてバラバラになって、部品単体として整然と並んでいます。

 この中には初めてお目に掛る部品たちもいます。ご紹介しましょう、フォークピストンとリバウンドスプリングです。彼らの仕事は、概ね1年間70ccという少量のクッションオイルにまみれながら、真っ暗闇の中でひたすらカブ吉くんのフロントサスペンションに減衰力を発生させる仕事をしています。36万キロの長きに渡り仕事を続けて来てくれていますが、お会いした限りでは彼らに衰え(摩耗・損傷・変形・へたり)は感じられません。オイルシール交換後は、所定のポジションにお戻り頂き、引き続き減衰力発生作業をお願いしたいと思います。

 もう御一方(おひとかた)いらっしゃいます。この方のダストシールから上の部分とはほぼ毎年お会いしているのですが、その下の隠された部分とお会いするのは今回が初めてとなります。なんとなくエッチな感じ(そんな事は全くありません!)がしますが、こちらも36万キロに渡りボトムケースの中に出たり入ったりを繰り返してくれていたフォークチューブです。

 さすがにこちらは、オイルシールとの摺動面のメッキ部分に若干の変色が見られますが、吉村さんは『損傷も変形もないし、メッキもこのぐらいなら問題はない』という事で、フォークチューブも継続使用する事になりました。

 古いオイルシールが専用工具によってボトムケースから外され、パーツクリーナーでボトムケースを洗浄した後、新しいオイルシールがストッパリングが入る溝が見える位置まで打ち込まれていきます。そこにストッパリングをはめ、あとは分解した手順の逆の順序で組み立てていきます。

 組み上がったフロントフォークを2~3回体重を掛けて伸縮させ、ジョニーさんはニコニコ顔です。こんな所にも、その人の人柄が滲み出て来ます。このおじさんは、本当にオートバイが大好きなのです。

 まあ、ニコニコ顔のオートバイ大好きおじさんの話しは暫く置いておくとして、それにしてもフロントフォークのオイルシールが36万キロも持つなんていう事は、どう考えても通常ではあり得ません。ジョニーさんと吉村さんも同様の感想を持っているようですが、管理人もこのカブ吉くんのフロントサシペンションの寿命の長さには只々驚くばかりです。

 では、何故ここまでオイルシールが持ったのか? 理由を考えてみると、二つの事が思い当たります。

 一つ目は、定期的にフロントフォークのオイル交換がされていた事です。カブ吉くんの場合は、1年に一回必ずタイヤ交換が実施されますが、そのタイミングでフロントフォークのオイル交換も同時に実施されています。こうやって定期的にクッションオイルが交換される事によって、オイル自体の減衰性能も維持されますし、部品の清浄性が保たれたというのはあるかも知れません。実際に、交換された時に排出されたクッションオイルを見てみると、大体いつもまだ薄っすらと新油の時のイチゴ色が残っている状態で、イヤな臭いなどもありません。カブ吉くんのオイルシールが長く持ったのは、こういう状態がずっと維持されていたという事が大きく影響をしていたと考えられます。

 そして、二つ目の理由は、カブ吉くんが新車の時から現在まで、約16年間ほぼ毎日乗り続けられていたという事ではないでしょうか。特にゴム製のシール類は、動く事で柔軟性を保ち、固着等を防いでいます。たまに吉村さんがお客さんに『どんなメンテナンスをすればいいのか教えて欲しい』と聞かれて、『毎日乗ること! それが一番のメンテナンス』なんて軽く言っていますが、でも実は、この『毎日乗る』という事こそが、本当は一番難しい事のような気がいたします。これは、乗り役のジョニーさんが『素晴らしい仕事をしてくれた』と、言ってもいいと思います。

 

 さあ、次は前後のタイヤ交換のお話しです。今年も昨年に続き、今までとはちょっと違う出来事が起こりました。

 昨年は、JA44型の後輪ホイールを使用する事によるリム幅の変更(1.4Jから1.6Jに変更)がありましたが、今年は16年ぶりに前輪に井上ゴム工業(皆さんよくご存じのIRCです)製のタイヤを履くことになりました。

 カブ吉くんが新車で履いていたタイヤは、同社製のNF3(2.25ー17)というものでしたが、最初の前輪タイヤ交換の時に吉村さんがサイズを誤発注――今となっては笑い話です――をしたお陰で、その時から現在までずっと2.50-17のダンロップD107Fという1サイズアップのタイヤが装着されていました。

 その1サイズアップのタイヤキャパシティーの向上が、ジョニーさんのライディングスタイルに合っていた事や、路面からの衝撃を格段に弱める効果があるので、今回もサイズを合わせたNF6(2.50-17)というタイヤを装着する事になりました。

 また、どうしてそのような事になったのかというと、その理由は実に単純明快であります。それは、今までずっと装着していたダンロップのD107Fが昨年末で廃番になってしまったからです。

 この件については、ジョニーさんも吉村さんから年末に聞いていたので、驚きは特段ありませんでしたが、やっぱりなんだかモヤモヤとした気持ちが残っているようです。

 

「ダンロップは、もうスーパーカブなんかどうでもいいってことなんだろうけどさ……。それにしたってっていう話しだよね……。まだ90とか乗ってる人だって、たくさんいるんだからさ……」

 

 ちなみに、井上ゴム工業(IRC)は創業が1926年(大正15年)の老舗企業で、今年がちょうど創業100周年にあたります。

 1958年にスーパーカブをこの世に登場させる際に、ホンダが17インチのタイヤを造ってくれる会社を探していた時、最初に手を挙げてくれた会社でもあります。

 その当時(昭和30年頃)は、主要道路でもまだまだ未舗装や悪路の道が多かった為、いろいろな人々が乗る事を想定しているスーパーカブを開発するにあたり、安全でより良い操縦安定性を確保するためには、17インチのタイヤを使用する事は設計段階からの必須条件だったそうです。

 ホンダはいろいろなメーカーにタイヤ製造の打診をしたそうですが、現在ではF1などにもタイヤを供給する某大手メーカーには、『そんな売れるかどうかも分からないバイクのタイヤを造るために、ラインを増やす事は出来ない』と、けんもほろろに断られたというエピソードも残っています。

 会社と会社の繋がりというのは、本当に面白いものです。その時手を挙げてくれた井上ゴム工業製のタイヤは、現在でも数多くのスーパーカブ達の純正タイヤとなって街を走り続けているのですから……。

 

 さて、前後タイヤの組み換えも順調に終わり、吉村さんはリヤのブレーキパネルを分解してブレーキカムを綺麗に拭いて、それにグリスを塗布しブレーキパネルに戻しています。ジョニーさんはそれを見ながら、いつもとちょっと違う違和感を覚え、吉村さんに声を掛けます。

 

「吉村さん、新しいブレーキシューは?」

 

吉村さんが整備をしている時は、新しく交換する部品は必ず手元に置いて整備をするのですが、この時は新品のブレーキシューがどこにも見当たらなかったのです。

 

「お前、ブレーキシューの事なんか何にも言わなかったじゃないか」

 

やってしまいました……。確かに事前の打ち合わせの時には、サッカーの話しばかりしていて、ブレーキシューの事など一切話していません。

いつもの事だからという慢心が、こういう事態を引き起こします。

 しょうがないので、今回はあと半年くらいは使えるだろうと思われるブレーキシューをもう一度組付けて、整備終了となりました。

 まあ、いよいよブレーキシューの残量が無くなってきたら、その時点で発注を掛け、部品が来たらジョニーさんが自分で交換すればいいだけの話しなので、なにも問題はないのですが……。

 皆さんは、こんなことが起こらぬように、充分に注意をして部品の発注をして下さい。そうしないと、何度も何度も工賃を支払う事になってしまいますので……。 

 

 ジョニーさんも自分の発注忘れに対して少しは反省したのか分かりませんが、その整備以降は、足廻りを95パーセント(リヤ・ブーキシューの分だけマイナスしました)リフレッシュしたカブ吉くんに跨り、タイヤの慣らしも兼ねて忍野にうどんと蕎麦の買い出しに行ったり、いつもの夜間パトロールに行ったりしながら、今年初めて2000kmを超える距離を走ってくれました。そして、カブ吉くんは相変わらず好調をキープしています。

 

 さあ、来月はいったいどんな走りを披露してくれるのでしょうか? ロングツーリングはあるのでしょうか? お楽しみにお待ちください。

 

 今月も長々とお付き合い頂きありがとうございました。

また来月お会いしましょう。

                                   管理人

 

2026年4月末日現在 全走行距離 364,438km

(4月走行距離 2,324km 月間平均燃費 61.25km/ℓ )

月まであと 19,962km

2026年3月 カブ吉くん 近況報告

 皆さんこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 2026年2月28日、アメリカとイスラエルがイランに対し攻撃を行い、最高指導者ハメネイ氏を殺害しました。

 対するイランは、イスラエルやアメリカ軍基地が点在する周辺の中東諸国に反撃をすると共に、ホルムズ海峡を事実上封鎖します。

 そして、3月に入ってもこの戦闘は続き、関係各国に発生する死傷者の問題だけではなく、世界経済にも大きな影響を及ぼそうとしています。

 資源に乏しい日本は、一次エネルギー(化石燃料が中心。石油、石炭、天然ガス等)の34.8パーセントを占める原油をほぼ輸入に依存しています。そして、その原油の約95パーセントをサウジアラビアとUAE(アラブ首長国連邦)、クウェート等の中東諸国に頼っています。それ以外にアメリカやメキシコ、ブラジル等からも輸入をしていますが、その量は全体の4パーセントくらいです。日本での原油国内産出量は、わずか0.3パーセントしかありません。

 その原油は、大型タンカーを使用して、ペルシャ湾からホルムズ海峡を通り、インド洋を経て日本に効率よく運ばれていました。このルートは、世界最大級の石油輸送ルートと言われており、ここが使えなくなると世界各国に様々な影響が出る事は、火を見るより明らかです。

 カブ吉くんをはじめ、皆さんの大好きなオートバイや自動車の燃料だけにとどまらず、石油製品は私たちの生活をあらゆる面で支えてくれています。

 人道上の観点からも、このアメリカ、イスラエルとイランの紛争を注意深く見ていかなければなりません。

 

「いや~、昨日の環八のガソリンの価格差は凄かったな~。いつもは一番安いシンエネの八幡山がもう188円に上がってたと思えば、大田区辺りのスタンドじゃあまだ140円台なんだもんな~、リッター40円違うとちょっとびっくりだよな~。せっかく暫定税率が廃止になったのに、これじゃあ全く意味がないんだよな~」

昨晩いつもの夜間パトロールに行って来たジョニーさんが、翌日に吉村さんのお店でガソリンの値段で騒いでいます。

 

「来週、再来週で200円を超えるとか言ってるしな……。これでまた補助金出して国民の目をごまかして、本当に日本っていう国は……、一体どうなっちまうんだか困ったもんだ……」吉村さんも諦め顔です。

 

 今月の冒頭で書いた事が、すでに現実的な問題としてジョニーさんや吉村さんの日常生活の中にも影を落とし始めています。

 

「だけど、本当に200円超えちゃったら、本当にカブしか乗れなくなっちゃうよな~。昔オイルショック(1970年代中頃と後半で、第一次と第二次に分かれます)の時、1リットル60~70円くらいだったのに、急に180円くらいまで上がっちゃってさ~、『セブンスター(たばこの銘柄です)と同じかよ』ってみんなで大騒ぎしてたもんな……」ジョニーさんは昔を思い出しながらため息をついています。

 

「そうだったな……。スタンドも日曜は休みになっちまってな、夜閉まるのも早いし、その時は走るのにも一苦労だったな~」吉村さんもジョニーさんにつられて約50年前のオイルショックを思い出したようです。

 

「出張行ってたってさ~、1回の給油で軽油30リッターしか入れてくれないんだもんな。『4トン車で仙台から30リッターで東京までどうやって帰れって言うんだよ』ってスタンドの店員に文句言っても入れてくれないからさ~、頭きて1回スタンド出て、くるっと回ってもう1回入り直して『さあ、入れろ!』って……」

 

どうやら、ジョニーさんと吉村さんの昔話に花が咲いてしまったようなので、このお話しはこの辺で……。

 

 毎年々々言っていますが、ジョニーさんにとって3月はアルバイト繁忙期です。今年も合計で13日間のアルバイトがありましたが、現場はすべて都内の現場なのでカブ吉くんの走行距離はあまり伸びません。そして、翌日の朝からアルバイトが入っていれば、当然深夜の夜間パトロールにも出動が出来なくなってしまいます。

 しかし、そんな過酷(まったくそんな事はありません!)な条件をかいくぐりながら、今月もジョニーさんは1,723kmを走ってくれました。まだまだ寒い日も多かったのですが、月間平均燃費も59.13km/ℓ という、まあまあの数値を記録しています。

 どうやらジョニーさんは、新しい生活パターンの中で、どういう風にカブ吉くんと走るのかを完全に会得したようです。あとは、自身の体調と相談しながら、無理をせずに淡々とカブ吉くんと走って頂ければ大丈夫です。ジョニーさん、よろしくお願いいたします。

 

 さて、そんなカブ吉くんですが、今月は3回の日常メンテナンスが実施されています。今回は、それぞれにいつもの空気圧調整、チェーン給油、オイル量点検、ブリーザドレン清掃以外の調整も行われているので報告させて頂きます。

 まずは3月1日に実施されたメンテナンス時には、同時にドライブチェーンの張り調整が行われています。この調整は去年の3月4日に実施されて以来となります。走行距離でいうと1万9千キロぶりの張り調整となります。初期伸びが済んでしまったチェーンは、油分を切らさずに定期的にメンテナンスしていれば問題なく使えます。このチェーンは現在まで6万キロを走って来ていますが、チェーンアジャスタの目盛りは前から2番目を少し越えたあたりなので、全く問題はありません。チェーン自体の横ブレもまだまだ大丈夫です。

 今回の張り調整も、アジャストナットを6分の1締め込んで終了という、極々少ない調整で済んでいます。皆さんの中には、『リヤタイヤの交換時に調整をしているのではないか?』と、お思いになる方がおられるかもしれませんが、リヤタイヤ交換時にチェーンの調整が必要なければ、チェーンアジャスタはアクスルシャフトを引き抜く時に取り外すだけで、ロックナット等には一切触りませんので、チェーンの遊びが変化する事はありません。たまに見ていると、タイヤを外す時にチェーンアジャスタまで全部緩めてしまう方がおられますが、それは不要の整備となります。

 次のお話しは、3月15日の日常メンテナンスが行われた時に、フロントブレーキの遊び調整が1万7千キロぶりされたお話しです。

 こちらの調整は、去年の4月にフロントタイヤが交換された時に調整して以来の調整となります。とは言っても、やっている事はブレーキアームのところのアジャストナットを1回転締め込むだけの調整です。

 現在使用中のフロントブレーキシューは、2017年に16万7千キロで交換してから一度も交換をしていないので、そろそろ20万キロを越えるところまで来ています。

カブ吉くんのフロントブレーキパネルに付いている△の刻印までは、まだ余裕があるのでもう少しは大丈夫だと思われますが、これは決して普通の事ではないと思います。

 前にもどこかで書きましたが、フロントブレーキシューがここまで減らないのは、乗り役であるジョニーさんのライディングスタイルが多分に影響していると考えられます。

 とにかくこのおじさんは、フロントブレーキを使わない訳ではないのですが、まずフロントブレーキを強く掛ける事がありません。街中を走っている時には適正な車間距離を保ち、視線は前走車ではなく更に先を走る車両に合わせながら、スピードを微妙にコントロールしながら走っています。そんなスムーズな走り方をしている結果が、ブレーキシューの減りにもこうして出ているのかもしれません。

 

 さあ、今月の近況報告はこれで終われれば本当に良かったのですが、実はそうはいかない事が出て来てしまったのです。

 今、お話しをさせて頂いたフロントブレーキの調整をしている時に、ジョニーさんはどうやらイヤな物を見てしまったようなのです。

 

「あれっ!? カブ吉の左フロントフォーク、なんだかオイルで汚れてない?」

 

そうです。どうやらカブ吉くんの左フロントフォークのオイルシールが、36万キロを超えたところでとうとうダメになってしまったようなのです。

ジョニーさんが、それを吉村さんに報告すると、

 

「そうか、そうか。よし、来月のタイヤ交換の時に一緒にやっちまおう」

 

と、なんだかとても嬉しそうだったと言って、ジョニーさんはぶすくれておりました。

 

 

 今月もお付き合い頂き、ありがとうございました。桜も大分盛りを越えてしまいましたが、もうしばらくは散る桜の花びらと共にライディングが楽しめると思います。

交通安全運動も始まりますが、事故に気を付けてゆったりと春のライディングを満喫してくださいませ。

 

 それでは、また来月お会いしましょう。

                                   管理人

 

2026年3月末日現在 全走行距離 362,114km

(3月走行距離 1,723km 月間平均燃費 59.13km/ℓ )

月まであと 22,286km