スーパーカブ 耐久チャレンジ

JA07型スーパーカブの耐久性を検証するブログです。

カブ吉くん 月まで走れ!

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 20万キロ通過! 次なる目標は30万キロ!

 

 このブログは、伝説にもなっている『スーパーカブの耐久性』に関して、「でも、本当のところはどうなんだろう?」という素朴な疑問に答えるべく、実際に検証チャレンジをしているものです。

 本来ならば、『スーパーカブ』の原点である50ccや70ccモデルを使う事が正統なのかもしれませんが、今回このチャレンジに使用しているマシンは、2007年で製造が中止されてしまった『スーパーカブ90』の後継モデルである、2010年式JA07型スーパーカブ110です。

 このマシンは純日本製だった今までの『スーパーカブ』とは違って、タイで製造されたエンジン部品等を使って、ホンダ熊本工場で組み上げられたものです。

 外装も樹脂部品が多用されており、昔からスーパーカブに乗り続けている人々からは、「今度のカブは、一体どのくらい走れるんだろう? 外装部品の寿命は『鉄カブ』と比べたら、きっと短いんだろうな~」などという辛口の意見も数多く聞かれ、その車体寿命に関しては販売当初からかなり心配をされていた車種でございます。

 しかし、そのJA07型スーパーカブは、走り始めてから4年目の2014年8月に10万キロを走破。そして約8年経過した2018年6月には、大きく調子を落とすこともなく無事20万キロを通過致しました。

  当然、エンジンのオーバーホール等の大きな整備は一切なく、クラッチ関係についても、現在まで一度も調整をしておりません。

 エンジンオイルは、推奨純正オイルのウルトラG1(鉱物油10W-30)及びウルトラG2(部分化学合成油10W-40)の二種類のみを使用し、季節及び使用状況等に応じて使い分けています。――2019年3月以降は、エンジンにオイル下がりの症状が出て来た為、ウルトラG2(部分化学合成油10W-40)のみを使用しています――

 オイル交換に関しては、メーカー指示は3,000キロ毎ですが、乗り手が比較的高回転を多用する使用状況を考慮して、これだけは2,000キロ毎で実施しています。

 ドライブチェーン及び前後スプロケットも、定期的な給油は行っていますが、新車装着の物をそのまま使用しております。――2020年2月の『24万キロ整備』にて、初めての交換となりました――

 それ以外の交換部品類も、原則的にはメーカー等の指示に従って交換するような使用方法で現在に至っています。

 

 2014年に二輪自動車では初となる立体商標に登録され、2017年には世界累計生産台数が1億台を突破。そして2018年はスーパーカブ発売から60周年となり、この『スーパーカブ』という世界中で走り続けるマシンに、今後も更に多くの方々が興味をお持ちになるのではないかと思います。

 現在スーパーカブに乗られている方々はもちろんの事、これから『ちょっと乗ってみようかな』と考えている方々に、少しでもお役に立てればいいなと考えてこのブログを立ち上げました。

 しかし『耐久チャレンジ』や『月まで走れ』などというタイトルを付けてブログを始めたものの、5万キロくらいで壊れてしまってはどうしようもありません。最低でも月まで半分強の距離である20万キロを越える事が出来たらという理由から、このタイミングでのブログ開設となりました。

 

 次の当面の目標は30万キロとなりますが、サブタイトルにもある通り、地球から月までの距離である38万4千4百キロを一応の最終目標に設定してチャレンジを続けて参ります。

 今後はJA07型スーパーカブの使用状況が分かる走行データやメンテナンス記事、近況報告やセミドキュメンタリー形式の小説などを随時掲載していく予定です。

  そして、その小説の中に登場する『カブ吉くん』の描写部分は、ノンフィクションとなります。実際に、『カブ吉くん』がどのように乗られてきたのかが、分かるように書いています。

 それをお読み頂き、少しでも皆様のお役に立てるところがあるならば、とても嬉しく思います。

 また、『カブ吉くん』の走行シーンや走行データ以外の部分については、『読み物』として楽しんで頂けたらという思いから、若干の脚色が含まれています。

 

それでは、どうぞ宜しくお願い致します。                    

                                    

                                   管理人

 

 

2021年5月 カブ吉くん 近況報告

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 今月の話題は、皆さまもひょっとしたら気にされているのではないかと思う(勝手に思っていてすみません……)2019年の3月から始まっていたカブ吉くんのマフラーからの排煙を伴う『オイル下がり』が、突然ですがついに修理がされましたというお話しをさせて頂きたいと思います。

 

 今年のジョニーさんのゴールデンウイークの予定は、幸いにして仕事もさほど立て込んでおらず、4月30日の金曜日と5月6日木曜日から7日金曜日を有給休暇扱いにしてしまえば、昨年とほぼ同様にその気になれば長距離ツーリングを実施する事も可能な連休を確保出来るような状況にありました。

 しかし、今の日本は昨年から続く新型コロナウイルスへの対応で、国を挙げての大騒ぎとなっております。そんな中、二回目の緊急事態宣言が解除されてからじわりじわりと増え続けていた陽性者数も、4月に入ると再び急激に増加を始めました。

 日本政府はそのような状況を受けて、陽性者数の増加が著しい大阪府京都府兵庫県、東京都に対して、三回目の緊急事態宣言を発令します。期間は、4月25日から5月11日までの17日間です。――5月31日時点では、緊急事態宣言の対象地域は1都9県が指定され、期間も6月20日まで延長されました――

 

 それでは、少し時間を戻して4月下旬の緊急事態宣言が発令された時点での、ジョニーさんと吉村さんのやり取りを皆様にご紹介したいと思います。

 

 

『あちゃ~、やっぱり出ちゃったよ……。こうなっちゃうと練馬区ナンバーのカブ吉は、今年もゴールデンウイークに遠くまで走りに行ったりする事は出来ないっていう事だよな~』

吉村さんのお店で、遅くまでテレビを観ながら油を売って遊んでいたジョニーさんがボソっと呟きます。

 

『まぁ、この対象になった4都府県の陽性者の増え方をみてると、こりゃあ宣言出ちゃってもしょうがねえかなぁって感じだからな~』

吉村さんの意見も、もう完全にあきらめモードになっています。

 

『確かに……。 俺も何となくだけど、今年もたぶん走れないんじゃねぇかなぁっていう気が、実はしてたんだよな……』

ジョニーさんは、そう吉村さんに話しかけながら、更に続けます。

 

『ねぇ~ねぇ~吉村さ~ん、そうしたらさぁ~、この連休中でカブ吉のバルブステムシールを換えるのダメかな~?』

ジョニーさんは、いつにも増して気持ちの悪い声を出しながら、カブ吉くんの整備依頼を吉村さんにお願いします。

 

『なんだ~、急にどうした? とうとう本格的にカブ吉の煙がひどくなってきたって事なのか?』

吉村さんは、突然のジョニーさんの問いかけに答えます。

 

『そうなんだよ~、先月あたりから急にオイルの減り方が早くなったみたいでさ……。この前、珍しくうちの小僧と夜に一緒に走る機会があったんだけど、やっぱり結構煙を吹きながら走ってたみたいで、後を走ってる小僧から「カブ吉はいつから2ストロークのメイトになったんだ」くらいの事言われちゃったからね~』

 

『はっはっは、ヤマハ・メイトか~、懐かしいな。隼人くんもいっちょ前の口を利くようになったもんだなぁ~、頼もしいじゃねぇか。まぁ、それで2ストロークのカブ吉は前と比べてどのくらいオイルを食うようになったんだ?』

 

『……、4ストロークだから……。でも、今月に入ってからは2ストロークの分離給油じゃぁないけど、5百キロくらい走ると200ccくらいは補給をしてたからね……』

 

『……、結構食うようになったな。それで、最初に煙を吹き始めてからの距離は、どのくらい走ったんだっけ?』

 

『煙を吹き始めたのが2年前の3月で約21万9千キロくらいの時だったから、だいたい5万キロくらいだね……』

 

『まぁ、ジョニーだから2年で5万キロの距離を走っちまうけど、一般のあまり乗らないライダーなら、普通にオイル足しながらそれだけで当分のあいだ乗っていられそうな距離だからな……。まぁ、ここまでカブ吉は充分に頑張って走ってたんだろうし、ステムシールがダメになってからのオイルの減り方やシールの耐久性なんかもある程度分かったしな……。そうしたら、いよいよやってみるか~、連休中でも何とか部品は取れるからな……』

 

 吉村さんのその言葉以降、二人はカブ吉くんの整備のやり方をどのようにするかについて、詳細に打ち合わせはじめます。

 

 一般的に考えれば、27万キロ近く走って、尚且つ2年前からマフラーから煙りを噴いているスーパーカブであれば、エンジンをオーバーホールしてしまうのが通常の整備方法のような気が致します。

 マフラーからの排煙対策としての整備方法で一番費用対効果の高いやり方は、シリンダヘッドをアッセンブリで交換し、シリンダ、ピストン、ピストンリングも併せて交換してやる整備方法(一般的には腰上オーバーホールと呼ばれたりしています)が、ちょっとお金は掛かってしまいますが、これが一番効果的で、効率的と考えられます。

 でも、このような整備方法では、当然ダメになった部品を取り換える事は出来るのですが、それ以外のまだ正常に機能している充分に使える部品をも交換してしまう可能性が高くなってしまいます。

 また、ある程度の距離を走行して、調子が悪くなってきたタイミングで、その調子の悪くなった部品廻りをそっくり新品に交換するような整備の方法を取るのであれば、部品がある限りマシンは未来永劫走り続ける事が出来る訳ですから、そもそも耐久性の見極めなど必要もない事になります。

  そして、なによりもこのブログは『スーパーカブ耐久チャレンジ』であるいう事です。そんな安易な方法は選択しません(でも、実はそう思っているのはジョニーさんだけという話しもありますが……)。

 

 今回の整備仕様に関しても、ジョニーさんと吉村さんが話し合って最終的に出て来た結論は、『吸排気バルブの各バルブステムシールだけを交換する』という、本当に最低限の整備仕様となりました。

 ただ、4月から急に増えた煙りの量の原因が、排気バルブステムシールの不良が更に進んでしまったものなのか、それとも他に何か不具合が別に発生してしまったのかは分かりません。

 吉村さんはそのあたりを心配して、『4月になってから増えた煙りの原因が、ピストンリングの傷や偏摩耗だったりしなきゃいいんだけどな~』と、呟きます。

 ジョニーさんも全くその事を考えていない訳ではないのですが、昨年の7月から続いている好燃費が、今年になっても変わらずに続いている状況を考えると、傷や偏摩耗が性能に直接影響を与えてしまうピストンリングは、カブ吉くんの場合もう少し使えるのではないかと思えてくるのです。

 

『まぁ、これでうまい具合にオイルの減りが止まってくれりゃぁいいんだけど、ダメならしょうがないよね……。そうしたら、二度手間だけどもう一回開けてやるしかないもんね~』

ジョニーさんは、自分の手を汚す気があまりないので、楽観的に言い放ちます。

 

『あのな~、やるのは俺なんだからな~! まぁ、いいか……、でも工賃は倍付けだか  らな~』 吉村さんが、ニヤリとしながらやり返します。

 

 今回の修理で使用する部品の金額は、全部で6千円くらいしか掛かりません。ほとんどが、少額な部品ばかりです。その中で一番高い部品でも、シリンダヘッドガスケットで968円(税込)ですし、今回の修理の主役であるバルブステムシールに至っては、数量は2個必要ですが、1個506円(税込)しかしないのです。ほとんどが、工賃に比重の掛かる修理作業となります。

 

『吉村様、お金は2万円しかありません。何卒、よろしくお願いいたします』

ジョニーさん得意の、『お金ありません!』の先制攻撃が久しぶりに炸裂です。

 

 だいたい、この手の整備をすると、工賃は1万5千円くらいが相場のようなので、ちょうどいいところなのかも知れませんが……。

 

『まったく、お前は……』と、言ったきり吉村さんもあきらめ顔です。

 

 その後は、正式に部品の発注を済ませて、修理を実施する日程も5月1日(土)に決定しました。

 

 

 結局、休もうと思えば休めたはずなのに、どいう訳か4月30日の夜遅くまで仕事をする羽目になってしまったジョニーさんは、翌日の朝10時過ぎに吉村さんのお店にカブ吉くんと一緒にやって来ます。

 

『吉村さん、おはよう! 部品もう来てる~?』

 

『おう、来てるぞ。そうしたら、カブ吉をここに入れてくれ。さっそく、取り掛かっちまおう』

 

 珍しく、ほかお客さんのマシン達が置かれていない吉村さんのお店の整備エリアに、ジョニーさんはカブ吉くんを滑り込ませます。

 吉村さんの手によって、レッグシールド、エアクリーナケース、スロットルボディ、油温センサ等の部品が次々とカブ吉くんの身体から外されていき、シリンダヘッドへのアプローチを容易にしていきます。ここから先は、今回の修理の本丸の部分にだんだんと近づいていきます。

 まず、シリンダヘッドカバーが慎重に外されます。そこには、長年のオイル潤滑で黄金色に輝くロッカアーム、カムシャフト等が整然と収まっています。

 

 吉村さんもジョニーさんも、この光景を見るのは2015年10月のスタッドボルトの折損交換で、シリンダヘッドを外した時以来となります。

 その時点での、カブ吉くんの走行距離は約12万9千キロだったので、あれから5年半で約14万キロ走った事になります。

 

 次に、吉村さんは、クランクシャフトを反時計方向に回し、フライホイールの『T』マークを合せて圧縮上死点を出し、カムスプロケットボルトを緩め、カムチェーンのシリンダ内への脱落に注意しながら、カムスプロケットを取り外していきます。

 更に、シリンダヘッドボルト、シリンダヘッドナット、プレートの順に取り外していけば、いよいよシリンダヘッドが外れます。

  今度はその外されたシリンダヘッドからロッカアーム、カムシャフトを取り外していくと、ようやくと今回の目的である吸排気バルブへのアプローチが可能となります。

 吉村さんは、バルブスプリングコンプレッサを使って慎重に排気バルブスプリングを圧縮していきます。そして、コッタを外しスプリングリテーナ、バルブスプリング(カブ吉くんはJA07後期型なので、アウターとインナーの2本のスプリングがあります)、バルブスプリングシートを取り外します。

 そして、吉村さんはバルブの動きがフリーになった状態で、今一度バルブとバルブシートの当たり面の位置関係をきちんと確認しておきます。

 全ての部品を新品にしてしまえば、こういう部分に神経を使わなくて良いのですが、再び同じ部品を使って組み上げるカブ吉くんのエンジンの良好なコンディションを変化させないためには、必ず必要な作業となります。

 それを確認し終えた吉村さんは、バルブガイドにバルブステムシールが取り付けられた状態で、ゆっくりとバルブを上下させてみます。吉村さんの表情が、その瞬間微妙に曇りました。

 

『ジョニー、やっぱりこれだろうな……』

吉村さんは、カブ吉の傍らで外された部品たちを綺麗に整理しながら、マイクロノギスを片手にカムシャフトのカム山の高さやロッカアームの寸法を測っているジョニーさんに声を掛けます。

 

 吉村さんは、ジョニーさんにバルブステムシールの中を何の抵抗もなくスポスポと動くバルブの状態を見せます。

 

『本来なら、バルブステムシールにしっかりと密着して、若干抵抗を感じるくらいの動き方をしなきゃならんのに、スカスカだろ……』

 

『本当だ……、もう完全に隙間が出来ちゃってるね……。これじゃ、オイル吸い込んじゃうよね~。でも、良かったわ……、予想がばっちり当たってて。これで、吸排気のステムシール交換してやれば、もう月までバッチリだよね!』

 

『まぁ、他がこのまま何でもなけりゃぁな……。なんせ、まだ月までは、11万6千キロもあるんだからな』

 

 そう言い終えると、吉村さんは吸気バルブ側の分解に取り掛かります。そして、両方のバルブステムシールを交換してからは、今度は一気に組み立て及び取付の作業に移っていきます。

 シリンダヘッドにすべての部品を再組付けし、あとは、そのシリンダヘッドをシリンダに取り付ける状態まで来たところで、突然吉村さんの手が止まります。

 

『ありゃ……。まずいもの見ちゃったな……』

吉村さんは、シリンダのカムチェーンガイドトンネルからだらりと垂れ下がったカムチェーンの奥の方を無言で覗き込んでいます。そして、吉村さんの口から衝撃的な一言が飛び出します。

 

『ジョニー、カムチェーンガイドローラがねえぞ……』

 

『ええ~!? うそでしょう?』

それまでニコニコ顔だったジョニーさんの顔が、一瞬の内に引きつっていきます。

 

『ちょっと、こっち来て見てみろ』

 

『……、本当だ……。中心のカラーの部分しかないじゃん……』

 

何で気が付かなかったんだろう? ジョニーさんは、強烈な自己嫌悪に陥ります。

 

 ジョニーさんは、確かにここのところスロットルをハーフにした時に結構ジャラジャラとうるさいとは思っていたようですが、それは強化タイプに変更したドライブチェーンからの音だとばかり考えていたようです。また、そんな話しを吉村さんにもよくしておりました。

 

 結局、この日の修理はここで中断となってしまいました。あらためて、カムチェーンガイドローラを部品発注して、カブ吉くんが復活したのは連休の最終日である5月5日となりました。

 

 吉村さん曰く、このカムチェーンガイドローラがばらばらになって、カムチェーンが暴れてシリンダ壁を叩き、最終的にシリンダ壁に穴が開いてしまうというトラブルは、JA10型スーパーカブにたまに見られた事象となります。

 しかし、それ以外のスーパーカブに乗られている方々も、ジョニーさんとカブ吉くんのように距離を多く走るライダーは、特にお気を付けになった方がいいと思います。エンジンオイル交換の頻度にもよるようですが、予想以上にこのカムチェーンガイドローラの摩耗進行は早いという事でしたので……。

 

 修理から戻って来たカブ吉くんは、エンジンからのジャラジャラ音も無くなり、ジョニーさんと再び快調に走り続けております。

 また、今のところマフラーからの発煙もなく4ストロークスーパーカブに戻っているようなので、しばらくはこのまま様子をみながら『スーパーカブ耐久チャレンジ』を続けていきたいと思います。

 

 今月も、また大変長くなってしまいましたが、お付き合い頂きありがとうございました。

 

 ジョニーさんが、一生懸命にマイクロノギスで測っていた継続使用部品のデータ等は、現在並行して『カブ吉くんメンテナンス(エンジン廻り編)』をちょうどやっているので、そちらで詳細を報告させて頂く予定でございます。

 

 それでは、また来月お会いしましょう。

                                    管理人

 

 2021年5月末日現在 全走行距離 270,144km

(5月走行距離 1,884km 月間平均燃費 61.87km/ℓ )

月まであと 114,256km

 

 

 

 

 

 

2021年4月 カブ吉くん 近況報告

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 今月は、4月25日に発表された『第93回アカデミー賞』で、大方の予想とは裏腹に、二度目の主演男優賞を受賞した ≪アンソニー・ホプキンス≫ の話しから始めたいと思います。

 皆さまもよくご存じの通り、この名優アンソニー・ホプキンスは30年前の1991年に『羊たちの沈黙』でハンニバル・レクター博士を演じ、一度目のアカデミー主演男優賞を受賞しています。

 ロンドンで舞台俳優としてキャリアをスタートさせた後、1968年に『冬のライオン』で映画初出演を果たします。そして、この映画の中では、主演のピーター・オトゥールキャサリン・ヘプバーンに臆することなく堂々とした演技を見せ、映画ファンたちに強烈な印象を残しました。

 それ以降も、往年の名優たち(ローレンス・オリヴィエショーン・コネリーマイケル・ケインロバート・レッドフォードジーン・ハックマン他)が出演していた1976年の『遠すぎた橋』のイギリス軍落下傘部隊の隊長役や、1980年『エレファント・マン』の医師役などを演じ、存在感をさらに高めて行きます。映画好きの吉村さん、ジョニーさんにとっても、大好きな俳優さんの一人です。

 そんな積み重ねの結果が、1991年の『羊たちの沈黙』による一度目のアカデミー主演男優賞受賞につながって行きます。

 それから約30年後の2020年に、今度は『ファーザー』という80歳を越えて認知症の兆候が出始めた父親と、その一つひとつに対応して徐々に消耗していきながらも、それでも何とか父親を支えていこうとする娘の物語に出演します。そして、そこでの認知症の父親役の演技が賞賛を呼び、今回再びの受賞となりました。

 近年、『親の認知症』という問題は、世界中の誰もが体験する可能性のある問題なのではないかと思うのですが、そんな身近でありながら非常にデリケートで難しいテーマを扱い、その認知症特有の記憶と時間の混乱が出始めた父親役を、本当に素晴らしくアンソニー・ホプキンスが演じているそうです。

 日本での公開は5月中旬からのようなので、ジョニーさんは『コロナの様子を見ながらだけど、俺は絶対に観に行くぞ~』と宣言をしていましたが、新型コロナウイルスへの緊急事態宣言の関係もあるので、興味のある方は充分に対策をした上で足を運んでみてはいかがでしょうか? きっと、また新しい発見があるかもしれません。

 

 さて、アカデミー賞関係のアンソニー・ホプキンス出演作品の話しが長くなってしまいましたが、実は今回お話ししたかったのは、本当は違う作品の話しなのです。オートバイに乗っていたり、オートバイが大好きな人にとって忘れてはいけないアンソニー・ホプキンス主演作品があります。それは、『世界最速のインディアン ≪The World's Fastest Indian≫ 』です。

 この映画はオートバイに乗らない方々を含めても、多くの皆さまがご存じではないかと思いますが、ニュージーランド南島インバーカーギル出身のすでに60歳を過ぎているバート・マンローが、最高速度挑戦用に改造を続けてきた1920年製のインディアン・スカウト(スーパーカブが発売になる38年前です)と苦労してアメリカに渡り、ユタ州にある『ボンネビル・ソルトフラッツ』で開催される最高速度競技会に出場して、世界記録を樹立するという物語であります。

 ジョニーさんは本当にこの映画が大好きで、映画が始まってすぐのバート・マンローが暮らす家(作業場?)の数シーンだけで、もうすでに完全な降参状態となってしまいます。

 自作したピストン、シリンダー、その他のエンジン部品が数多く積まれている木製の棚に、白いペンキで

『 OFFERINGS TO THE GOD OF SPEED 』

と書かれているのが映されるシーンがあります。

 これを観てしまったジョニーさんは、早速自分の部屋にあるスチール棚にマジックで同じことを書いて、その上に当時乗っていたセローのスパークプラグやエアクリーナエレメントなどを並べて悦に入っていたそうです(全然スピード出なそうで、神様に怒られそうですが……)。

 主人公のバート・マンローが最初の記録を樹立したのは、彼が63歳の時だったそうです。ジョニーさんもその年齢に大分近づいて来ているので、やっぱり何か思うところがあるのかも知れません。今ではこの映画は、ジョニーさんにとって、人生の大切なバイブルのようなものになっているそうです。

 まだご覧になっていない方がいらっしぃましたら、もし宜しければ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか? 生きて行くための希望が少し増えるかも知れません。

管理人も大好きです。とても良い映画だと思います。

 

 

 さあ、今月もカブ吉くん以外の話しが長くなってしまいました。ごめんなさい。

それでは、4月の近況報告を始めさせて頂きます。

 まず走行エリアとしては、月の前半は神奈川県の海老名市に昨年の6月から続いている現場があり、その最終仕上げのタイミングがちょうど今月上旬に決まったので、ジョニーさんとカブ吉くんは毎日国道246号線を使って、せっせとその海老名市の現場まで通っておりました。

 片道50kmくらいなので、一日の走行距離はこれだけで100kmになります。二人にしてみれば、割と朝飯前の距離かもしれません。しかし、それは何もトラブルが起こらなければという話しであります。

 

 4月6日19時ごろ、その日の海老名の仕事を終えたジョニーさんとカブ吉くんは、快調に国道246号線を上り込んでおりました。多摩川に架かる新二子橋を渡り、駒沢のちょっと手前まで戻って来たところで、ジョニーさんは左に進路変更をしました。その時、ジョニーさんはカブ吉くんのフロント廻りに何か通常とは違う違和感を覚えます。

 

「なんだ~、俺、バイク乗るの下手くそになったか?」

 

 ジョニーさんは独り言を呟きながら、ちょうどよくその先の信号で止まったタイミングで、ウインドシールドの脇からフロント廻りを確認して見ます。

 

「ありゃ? 何かフロントタイヤがベコベコになってるぞ……」

 

あまり頻度は多くある事ではありませんが、フロントタイヤのパンクです。ジョニーさんは、カブ吉くんからすぐに降りて、カブ吉くんを車道の外まで押して行き、歩行者や自転車の少ない場所を見つけてカブ吉くんのセンタースタンドを立てます。

 

「まったくもう、先月フロントタイヤ変えたばっかりなのにな~。吉村さんいたずらして、また何か入れたんじゃないだろうな~?」

 

 さすがジョニーさんです、文句を言う事は絶対に忘れません。

 とりあえず、何が原因なのかを特定しないといけないので、ジョニーさんはバッグから頭に付けるヘッドランプを取り出し、それを装着します。

 手で触ってみると、フロントタイヤはほぼ空気が抜けてしまった状態になっています。ジョニーさんは、空気を入れるバルブの位置を起点に、タイヤのトレッド面をヘッドランプで照らしながら、ゆっくりゆっくりと回転させて行きます。

 

「あれっ!? 何にも刺さってないじゃん……」

 

ジョニーさんはそう呟いた後、もう一回ゆっくりとタイヤを回転させてみますが、やっぱり何も発見出来ません。バルブのムシが緩んでしまった可能性もあるので、そちらもムシ回しを使って確認をします。でも、こちらもちゃんと締まっているようなので、問題はありません。

 

「おかしいなぁ……、やっぱり超高性能リーディンググラスの装着が必要だな……」

 

ジョニーさんは再びそう呟くと、バッグの中からメガネケースを取り出します。そして、その超高性能リーディンググラス(単なる老眼鏡です……)を装着して、もう一度フロントタイヤをゆっくりと回転させます。

 

「あった! あった! たぶんコイツだな……」

 

ジョニーさんの見つめる先には、タイヤトレッドの海(シーと言われる部分。凹んでいる部分です)のところに本当に小さな金属片が刺さっているのが発見されました。どうやれば、ここにこんな物がうまく刺さってしまうのでしょうか? 考えれば考える程、不思議に思います。

 ジョニーさんは、そんな疑問を持ちながらも慎重にマイナスドライバーを使って、その金属片をこじり出します。そして、取り出された金属片は、3mmにも満たない小さな物である事が確認されました。

 

「こんな小さな金属片がパンクの原因だとしたら、随分手前から刺さってたのかもしれないな~。ひょっとしたら修理をここでしなくても、空気をしっかり入れてやれば何とか家まで帰れちゃうかもしれないぞ」

 

ジョニーさんは言うが早いか、カブ吉くんのビジネスボックスの中から携帯空気入れを取り出して、フロントタイヤに空気を入れ始めます。この携帯空気入れは本来自転車用なのですが、スーパーカブの2.50ー17サイズのタイヤであれば、100回程ピストンしてやればほぼ規定の200kPa(2.00Kgf/㎠)を入れる事が出来るので、ジョニーさんは大きさも含めてとても気に入っているので、これを常備しています。

 いつもよりやや多い120回程ピストンをした後、空気圧を測定すると240kPaくらいまで入っているようです。予想通り、急速な空気の漏れはなさそうです。

 

「よし! カブ吉、このまま家まで戻るぞ!」

 

 ジョニーさんはそう言うと、さっと身支度を済ませてカブ吉くんに飛び乗りました。環七通りを走り始めた二人は、周りの交通の流れに充分に注意を払いながらも、出来るだけ早く走る事を心がけます。高円寺を過ぎた辺りから、大分フロントタイヤの空気が減った状態になって来ましたが、ジョニーさんは細心の注意を払いながら、カブ吉くんを家まで連れて帰る事が出来ました。

 ジョニーさんは軽く夕食を取った後、カブ吉くんのパンク修理に掛かります。結構パンクした状態で距離を走ってしまったせいか、リムからタイヤを外して中から引き出されたチューブには数ヶ所の小さな穴があいてしまっています。

 

「こりゃ、チューブを交換しちゃったほうがいいな」

 

ジョニーさんはそう言うと、カブ吉くんのビジネスボックスから今度はスペアのチューブを取り出します。出先である程度のトラブルがあっても、そう簡単には走れなくならないようにカブ吉くんのビジネスボックスの中にはある程度の部品類が積載されているのです(使用された部品類は、自宅にストックされている中からすぐに補充されます)。

 でも、フロントタイヤのパンクは随分久しぶりになります。走行データを確認してみたら、2015年9月に横浜からの帰りに第二京浜(国道1号線)の西馬込あたりで、道路上に落ちていた10cm角くらいの木材に乗り上げてリム打ちのパンクをして以来となります。思い出してみれば、その時もジョニーさんはその場で修理をせずに、空気を入れながらだましだまし帰って来たようであります。

 

 いずれにしても、3月はヘッドライトとコンビネーションメータの電球が同じ日に切れたりとか、今月はフロントタイヤのパンクとか珍しい事が続いています。ジョニーさんは、「一体、来月は何で楽しませてくれるのかな~」などと軽口を叩いておりますので、管理人も楽しみにしておきたいと思います。

 

 その他の整備としては、例年4月に交換されているリヤタイヤとリヤブレーキシューが今年も予定通り交換されました。

 リヤタイヤに関しては、昨年は新型コロナウイルスの影響でゴールデンウイークの中・長距離ツーリングも実施をせずに都区内・市街地走行中心の一年間だった為か、走行約23,500kmの使用で、残り1.5分山での交換となりました。

 リヤブレーキシューはタイヤとは逆に、やはり都区内・市街地走行が中心となると使用頻度が高くなるのか、ほぼ使用限度まで使っての交換となっています。ブレーキシューが当たるブレーキドラムの内径に関しては、正確には図っていませんがまだまだ大丈夫のようです。

ホイールベアリングもすべて点検しましたが、ゴロゴロとした動きの悪いものは一つもありません。

 エンジンオイルは、走行距離が今月も2000kmを超えたので、一回交換されています。

 しかし、ここで気になる事が一つ出て来ました。

今月に入ってから、何故か急にエンジンオイルの消費が増えているようなのです。

 走っていてオイルの焼ける臭いを感じる事が多くなったとジョニーさんも先日吉村さんと話しをしておりました。

 今年も新型コロナウイルスの影響で、連休中のツーリングには出掛けない事が決定しているので、ひょっとすると今度の連休で何かその辺りの整備の動きがあるかもしれません。もし、そのような動きがありましたら、また来月に報告させて頂きます。

 

 最後になりますが、4月の月間平均燃費をご報告致します。

 今月の数値は、過去最高であった2015年の61.89km/ℓ と比べて1.22km/ℓ 低い60.67km/ℓ という結果となりました。随分と差があるような気が致しますが、この数値も決してそんなに悪い数値ではありません。過去の記録と比較しても、2013年の61.33km/ℓ に次ぐ三番目の記録になります。

 この4月から5月にかけての月間平均燃費は、その年によって違いますがゴールデンウイークの中・長距離ツーリングの燃費も含まれてしまうので、一概に比較してしまうのも難しさが伴います。

 まぁ、そのような状況ではありますが、ジョニーさんとカブ吉くんには来月もいつもと変わらずに、限られた条件の中で走行をして頂いて、その結果をまた報告させて頂きます。

 

 それでは、今月も長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。

 

 皆さまにとって、素敵な連休となりますように祈っております。

 

                                   管理人

 

2021年4月末現在 全走行距離 268,260km

(4月走行距離 2,138km 月間平均燃費 60.67km/ℓ )

月まであと  116,140km 

2021年3月 カブ吉くん 近況報告

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 2011年3月に起こった、あの未曾有の災害である東日本大震災から、今月で10年の歳月が経過しました。

 その人的な被害は、東北地方太平洋沖地震やその地震に伴って発生した津波により、12都道県で1万5,900人(2021年3月9日 警察庁発表)の数多くの尊い命が奪われる事となりました。

 そして、未だに2,525人の方が行方不明(上記同日 警察庁発表)になられたままの状態となっており、その捜索活動は現在もなお続いております。

 ジョニーさんも吉村さんも、被災をされた方々やそのご遺族の事を考えると、今でも胸が締め付けられるような思いに囚われます。

 本ブログに関わる全ての方がこの震災を忘れることなく、『一体、自分に何が出来るのだろうか?』と、お考えて頂けるだけで管理人は幸いに思います。

 東日本大震災でお亡くなりになられた全ての方々に、あらためてご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

 2021年の3月は、政府が考える『復興・創成期間』の10年という一つの区切りを迎えますが、福島第一原子力発電所廃炉問題も併せて、人間が考えるそんな甘い時間軸で考えていては、とうてい復興を成し遂げる事さえ難しいのではないかと思えて来てしまいます。

 政府は2021年度から2025年度までの5年間を『第2期復興・創成期間』と定めて復興事業を継続していく事を決定しましたが、インフラ整備はほぼ終わったと考えているようで、予算は31兆3000億円から大幅に減額され1兆6000億円となりました。

 そんな折、人間の持つ10年とか5年の時間軸を無視するように、先月の13日の深夜に福島県沖を震源とするマグニチュード7.3、最大震度6強の地震が発生しました。この地震は、10県で152人を負傷させ、土砂崩れや建造物等の一部を壊すなどの被害地震となりました。

 そして、今月の20日の夕方には、宮城県沖を震源とするマグニチュード6.9、最大震度5強地震が再び発生しました。

 その時、ジョニーさんは土曜日だったのですが珍しく会社にいて、

『……、地震だ……。ゃっやばい、でかくなってきた……』

 などと言いながら、かなりビビッていたようです。

 気象庁よると、これらの地震はいずれも『東北地方太平洋沖地震』の余震であると発表されました。

 46億年の歴史を持つ地球の時間軸で考えてみると、この地震たちは一瞬などという間隔もなく、連続して起こっているようなものなのだと思います。

 2011年のマグニチュード9.0以上を記録したその巨大地震は、ジョニーさんとカブ吉くんがちょい乗り散歩をしながらたまに寄る事がある、東京都港区にある『日本経緯度原点』を東に27cmほど動かしました。

 この場所は、簡単に言うと『世界に対して、日本の位置を示す基準点』となります。記録を見てみると、関東地震(大正12年9月1日)が発生した時に子午環は壊れたそうですが、基準点が動いたという表記は見られません。

 そうやって考えてみると、やっぱり10年前の『東北地方太平洋沖地震』は、『日本列島を動かしてしまった』という事になるのでしょうか?

 ジョニーさんとカブ吉くんは、この場所に来るたびに周囲をぐるりと見渡した後、『う~ん……、すげえ……』と言っったきり沈黙してしまうのが常であります。

 いずれにしろ、新型コロナウイルスへの対応で皆さま大変心労を重ねておられると思いますが、地震に対しての備えも忘れないようにして頂ければと思います。過去の歴史を振り返ってみても、往々にして悪い事は重なることが多いので……。

 

 さあ、それでは今月のカブ吉くん近況報告をはじめましょう。

 

 まず、今月のカブ吉くんの走行エリアは、ジョニーさんの一年で一番忙しい時期という事もあり、東京、千葉、神奈川をしっかりと走る事になりました。今月のカブ吉くんの全走行距離は2135kmで、今年に入って初めて2000kmを超える事が出来ました。

 そして、気になるカブ吉くんの月間平均燃費ですが、今までの最高記録であった2016年の59.18km/ ℓ を上回る、60.12km/ ℓ を記録しました。

 ちなみに、現在カブ吉くんに装着されているドライブチェーンとスプロケットは、昨年の2月中旬から使用されています。そして、その翌月の昨年3月の月間平均燃費は54.37km/ ℓ です。特段良くもありませんし、悪くもない燃費です。

 その翌月の4月の月間平均燃費も55.73km/ ℓ で、あまり代り映えしません。5月と6月も、ほぼ同様の傾向になっています。しかし、7月からはかなりの好燃費が連続しました。これは一体、どういう事なのでしょう?

 ジョニーさんと吉村さんが出した解答は、『新品の420DSにメーカーが付けてきたグリスの硬度が、どういう訳か非常に硬かったのだろう』という結論になりました。

 今回この部品の交換は、24万キロ整備の中で実施されているので、ジョニーさん自身が交換しています。ジョニーさんは、確かにドライブチェーンに付いているグリスが硬そうだなとは思ったようですが、装着してしまえば一週間毎にオイルでメンテナンスされている内に、どんどん取れてしまうだろうから気にもしていなかったそうです。

 その結果が、3月から6月までの何の変哲もない月間平均燃費となっていったのです。でも、走行距離にして約8000km、毎週々々オイルでメンテナンスされても、約4ヶ月のあいだ流れずにチェーンに付き続けた『グリス』っていうのも、何だかとても凄い気がするのです。グリスが効いているあいだは、ドライブチェーンもとても静かでしたし、ジョニーさんも充分に満足そうだったのですが……。

 ドライブチェーンやスプロケットを交換してすぐにその効果を確認したい方は、メーカーが付けてくるグリスは落とした方がいいかもしれませんね。

 

 それから、1月から交換する予定をずらして来ていたフロントタイヤの交換が、今月ようやく実施されました。当然、フロントフォークのオイル交換も同時に実施されるのですが、今まで一度も交換されていなかった『Oリング』や『ストッパリング』が初めて交換されました。フォークスプリングの自由長も、前回と同様の315mmで全く問題はありません。タイヤの使用距離は、約26000kmでした。

 それ以外には、ブレーキ関係でフロントブレーキカムとフェルトシールがこちらも初めて交換されています。また、スパークプラグもいつもの純正デンソーに交換されています。

 

 フロント廻りをリフレッシュしたカブ吉くんは、今まで路面の縦溝などにとても気を使いながら走っていたのがウソのようにスムーズに走行しています。

 ジョニーさんもこのライディングの感覚を味わうと、段々と暖かくなって来ている事もあって、一気に遠くに走りに行きたくなってしまいます。

 

 しかし、現時点でも新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されている状況に変わりはありません。一度感染者数が減少した地域でも、再び上昇傾向にあるようなのです。

 ここは、今一度新型コロナウイルスへの基本対策の徹底を実施するしかありません。

皆さまも大変にお疲れになっていると思いますが、オートバイに乗って気分転換をしながら、もう少し基本対策の継続をしていきましょう。

 

                                   管理人

 

2021年3月末現在 全走行距離 266,122km

(3月走行距離 2,135km 月間平均燃費 60.12km/ℓ )

月まであと 118,278km

2021年2月 カブ吉くん 近況報告

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 今年の1月7日に発出された緊急事態宣言は、2月7日の期限を延長して続いておりましたが、2月7日に栃木県が解除となり、今月の末日を以て首都圏の1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)以外の6つの府県(大阪府兵庫県京都府、愛知県、岐阜県、福岡県)でも解除となる方針が発表されました。

 首都圏の1都3県に関しては、新たな感染者数の減少のスピードが鈍化していることなどから、現時点では予定通り3月7日を期限としていくようですが、宣言の解除となるかどうかは、まだ不透明なようです。

 皆さまにおかれましては、新型コロナウイルスへの対応疲れもピークを迎えているのではないかと思いますが、出来るだけストレスを溜めないように生活を続けながら、お身体をご自愛頂きますようにお願い申し上げます。

 

 さあ、それでは2月のカブ吉くんの近況報告をはじめさせて頂きます。

 

 世の中はこんな大変な状況ではありますが、ジョニーさんの仕事は一年の中で一番忙しい3月に向けて、徐々にではありますがその動きが出始めているようであります。

 今月も東京23区内から、埼玉県、神奈川県、茨城県へと、先月と比べてもやや広範囲にジョニーさんとカブ吉くんは走りまわっておりました。

 しかし、そうは言いながらも、現在ジョニーさんは新型コロナウイルスへの対応で、テレワークを併用しているので1ヶ月の走行距離はそれほど伸びなくなっています。今月もようやくと、約1,700kmほどを走行したくらいです。

 季節も節分(今年の節分は、124年ぶりに2月2日でした)を過ぎて、暦の上ではもう春でもあり、オートバイで走行するのにも少しずつ暖かい日が増えて来ていて、本来ならもう少し距離が伸びるような気がするのですが、実際はそんな具合なのでどうにも距離が伸びません。

 耐久チャレンジとしては、月間の走行距離目標をだいたい2,000kmと考えていますので、1年間で考えてみると24,000kmとなります。しかし、2019年と2020年はGWツーリング等もなかったので、この目標に微妙に届きませんでした。

 今年も宿泊を伴うツーリングに関しては、現在の状況を考えてみると実施できるのかどうか判然としないところがあるので、出来るだけ普段使いで走れる時にはジョニーさんに頑張って走って貰いたいと考えているのですが、なんだか最近ジョニーさんのパワーが微妙に落ちて来ているようで、管理人は少し気になります。

 実は、2020年1月に交換したカブ吉くんのフロントタイヤのスリップサインが微妙に出始めていたので、吉村さんと話して今月はフロントタイヤを交換をする予定だったのですが、ジョニーさんはこれを見事にスルーしました。

 リヤタイヤに関しては、行っても行かなくてもGWツーリングに備えて、例年4月に交換することになっているので、ジョニーさんはそれを理由に『前も後ろも出来るだけ交換のタイミングを合わせて、新しいのを揃えてやる方がコーナーリングパワーが上がるんだよ~』などと、ここ最近ほとんど真面目にコーナーリングなんかしたことないジョニーさんは言うのです。

吉村さんもカブ吉くんも苦笑いです。

 

 2月某日にカブ吉くんのヘッドライト球が切れました。その日は、ジョニーさんが朝から仕事先に向かうために、環七通りの内回りを上馬(国道246号線)方面に向けて走行していました。

 ジョニーさんは、カブ吉くんと走り出す時には必ず仕業点検を実施します。エンジンオイルの量などは週一回のメンテナンスで確認するのであえてみませんが、灯火類と前後タイヤの異物チェック及び空気圧(ただタイヤを蹴飛ばすだけですが……)の確認は必ず実施します。

 その日も家を出る時の点検では、いつも通り点灯していて何の問題もありませんでした。しかし、高円寺の辺りまで来てちょうど赤信号で停車した時に、ジョニーさんは目の前の景色に何となく違和感を覚えます。

 

『なんか、雰囲気がいつもと違うな……』ジョニーさんはボソッと呟きました。

 

 昼間でもヘッドライトが点灯していれば、カブ吉くんの前カゴの上部はその灯りで照らされているはずなのですが、今日に限ってそういう感じがありません。

 

『あれ~、切れちゃったのか~』とジョニーさんは言いながら、カブ吉くんのヘッドライトを数回ほどポンポンと叩いてみます。

 

 フィラメントが完全に焼損しているとダメですが、ごくたまに切れたフィラメント同士が叩かれた衝撃でくっついて、一時的に復活する事があるのです。

 こういうトラブルが起こった時に、なんでもかんでもとりあえず叩いてしまうというのは、昭和のお父さんたちに実にありがちな光景であります。テレビが映らなくなった時など、皆さんのお父様たちも同じような事をされていませんでしたか?

 しかし、皆さんこの光景を見て『まったくもうオジさんにはなりたくないね~』などと簡単に言ってしまってはいけません。

 あの技術の粋を集めて造られたバットマンカー(バットモービル)のエンジンが、絶体絶命のピンチで掛からなくなった時には、あのバットマンでさえダッシュボードをバンバンと手で叩いていたのですから(映画の中でのお話しですが……)。

 

 話しをもとに戻します。

 暗い夜ならば、すぐ交換しないといけないのですが、朝の出勤の時間帯なので、ジョニーさんはそのままいつも以上に気を付けながら走り続ける事を選択します。

 ジョニーさんはカブ吉くんのビジネスボックスの中に、すべてのバルブのスペアを常時持っているので交換する気になれば出来ない訳ではないのですが、この日は時間的に間に合うかどうか微妙なところだったので、そのまま走り続けます。

 そして、仕事が終わって寒くて暗い中で交換作業をやりたくないジョニーさんは、その日のお昼休みの時間に、カブ吉くんのヘッドライト球をスペアバルブ(純正バルブ)に交換します。

 

『ここのところ、2万5千キロ前後はもってくれてたから安心してたのに、今回は1万5千キロしかもたなかったなぁ……』ジョニーさんは若干不満そうです。

『まぁ、そういう事もあるんでしょうね……』などと言いながら、修理自体はほんの5分ほどで終わります。

『さあ、カブ吉、これで帰りは大丈夫だな』ジョニーさんは、そう言いながら午後の仕事に戻って行きました。

 

 そして、数時間後に仕事を終えたジョニーさんがカブ吉くんのところにやって来ました。

身支度を済ませたジョニーさんが、セルスタータでエンジンを掛けながらカブ吉くんに話しかけます。

『お疲れさん! よし、帰ろ……、あれ!?』

昼間交換したヘッドライトバルブは、問題なく点灯しているのですが、今度はコンビネーションメータの照明が切れてしまっています。

『おいおい、続くな~』と言いながら、昭和のオジさんのジョニーさんはまたペンペンとメータ辺りを叩き始めますが、今回もやっぱり点きません。

ここで、またまた昭和ギャグの炸裂です!

『まったく、ついて(点いて)ねぇな~』ジョニーさんは、自分で言いながらニヤニヤしています。

 夜間走行で先頭を走らなけばいけなくなったりすると、速度がよく分からないのは困りものですし、ノロノロと走っていると他の走行車両に迷惑を掛けたりする可能性があります。また、環七通りなどは、夜間になると覆面パトカーが結構出て来るので、ここはしょうがありませんがジョニーさんは今一度ヘッドライトを外して、メータバルブの交換をします。

 実にたいした話しではないのですが、1日でヘッドライトとメータバルブが両方切れる事は、ちょっと珍しいかもしれないと思って書いてみました。

 過去の出来事ですが、ジョニーさんはカブ吉くんのテールランプが切れていて、取り締まりにあった事があります。その時も、スペアバルブは持っていたので、お巡りさんの目の前で交換したのですが、許しては貰えませんでした。

 スーパーカブは、結構テールランプがよく切れるので、皆さまもお気を付け下さいませ。

 

 それでは、最後に今月の燃費の話しを少しだけさせて頂きます。

結論から言うと、2018年1月に記録していた57.15km/ ℓ という月間平均燃費の最高記録を、約2.5km/ ℓ ほども上回る59.64km/ℓ をカブ吉くんは記録してしまいました。

 2月のまだ寒い時期で、グリップヒータ等をフル稼働させている状態で、今までこんなに良い燃費を記録した事はありません。

 ドライブチェーンとスプロケットを交換してから、約一年が経過していますが、この二つがちゃんとしていると、本当に凄い燃費が出るもんなんですね~。

 管理人は、26万キロを超えているカブ吉くんがこのような燃費を連発している事に、ただただ驚くばかりです。

 この状況であれば、恐らく来月もそうとうに良い燃費が出るのではないか考えられるのですが、実は昨年の3月から6月の月間平均燃費は、2月にドライブチェーンとスプロケットを交換したにもかかわらず、それほど大きく向上した平均燃費を記録していないのです。

 ジョニーさんと吉村さんが、その辺りの話しをこの前お店でしていたので、来月はそんな事も報告させて頂きたいと思います。

 

 それでは皆さま、今年は花粉も多いそうなので、くしゃみが止まらなくなって前方不注意にならないように気を付けて、春のライディングをお楽しみ下さいませ。

 

                                   管理人

 

2021年2月末現在 全走行距離 263,987km

(2月走行距離 1,714km 月間平均燃費 59.64km/ℓ )

月まであと 120,413km

 

 

カブ吉くん メンテナンス(エンジン廻り編)その三

 (その三)

 

3.カムチェーンテンショナ関係

 

 1958年に登場した初代スーパーカブC100のエンジンは、空冷4ストローク単気筒OHV2バルブ、排気量49cc(内径:40mm×行程:39mm)というものでした。

 この『OHV(オーバー・ヘッド・バルブ)』のエンジン型式が6年間続いた後、1964年12月に主に耐久性、整備性、静音性、出力の向上を目的として、シリーズとして初めて『OHC(オーバー・ヘッド・カムシャフト)』エンジンを搭載したスーパーカブC65(排気量63cc、内径:44mm×行程:41.4mm)が登場します。

 そしてこのモデルは、二人乗りが出来るようにとC100のボア(内径)を2mm拡大したOHVエンジンを搭載して、1961年8月から販売されていたスーパーカブC105(排気量54cc、内径:42mm×行程:39mm)の後継モデルにそのままなりました。

 このエンジンの大きな特徴は、スーパーカブとして初めて搭載される『OHCエンジン』はもちろんの事ですが、それ以外にもう一つとても重要なものがあります。

 それは、創業者である本田宗一郎氏の『変えるな!』という意思を忠実に反映し、設計・製造されているところにあります。

 このエンジンの外形寸法は、1958年に販売が始まったスーパーカブ初代C100(排気量49cc)の生産ラインがそのまま使えるように、同一の寸法で造られているのです。もちろん、エンジンのマウント位置も同じです。

 これは具体的にどういう事かというと、『OHVエンジンを積んでいるスーパーカブの購入者が希望すれば、そっくりOHCエンジンに載せ替える事が出来る』と言う事になります。こんなオートバイは、この時代にほかに存在しません。今考えてみても、とんでもなく凄い事です。

 このエンジンの『OHV』から『OHC』への変更と、生産ラインを供用する経済設計の手法は、そのまま約1年後の1966年1月に90ccモデルであるスーパーカブC90(排気量89cc、内径:50mm×行程:45.6mm)へと引き継がれていきます。

  その後、新型OHCエンジンの生産も軌道に乗った同じ年(1966年)の5月に、いよいよ満を持してC100の後継車である『スーパーカブC50』が、OHCエンジン(排気量49cc、内径:39mm×行程41.4mm)だけではなく、新設計のニューボディを纏って登場します。

 50cc、65cc、90ccともに『OHCエンジン』を搭載したシリーズとなり、ここからスーパーカブの第二世代が始まりました。

 そして、1969年1月にはスーパーカブC65の3mmのボアアップ版であるスーパーカブC70(排気量72cc、内径:47mm×行程41.4mm)が登場して、ここからの約10年の間は、C50、C70、C90のスーパーカブシリーズとして、国民の生活を大いにサポートする活躍をいたる所で続けて行きます。

 

 この時点で、C50とC70のエンジンは行程41.4mmを基本とする同系列のエンジンとなっていますが、C90に関しては専用設計のエンジンを搭載していました。

 しかし、このC90のエンジンも1980年3月のモデルチェンジでは、C70のエンジンをベースに行程を8.1mmアップさせて排気量を85cc(内径:47mm×行程:49.5mm)と4ccほど排気量はダウンしてしまいましたが、同系列のエンジンとしてラインアップに加わっています。

 

 今まで皆さまに詳しい説明をした事はありませんが、本ブログのトップページの冒頭に『本来ならば、≪ スパーカブ ≫の原点である50ccや70ccモデルを使う事が正統なのかもしれませんが、……」という件(くだり)がありますが、その言葉の意味はこういう理由があったという事でございます。

 やはり、1964年に登場したスーパーカブとして最初の『OHCエンジン』の流れをくむエンジンで『耐久チャレンジ』を実施する事が出来れば、それが一番いいのだろうという考えは全くその通りだと管理人も思うのですが、いかんせんジョニーさんが最終的に日本一周に使用するマシンとして昔から決めていたのは『スーパーカブC90』だったという事で、その後継モデルであるJA07型のカブ吉くんが現在も一生懸命に月までの距離である38万4千4百キロを目指して走行を続けているのという事なのです。

 とは言いながらも、このスーパーカブC90の後継モデルであるJA07型スーパーカブ110に搭載されているエンジンは、排気量109cc(内径:50mm×行程:55.6mm)というもので、一見すると2007年で生産中止になった最終型のC90のエンジン(内径:47mm×行程:49.5mm)とは何のつながりもないように思えますが、実はさかのぼる事1966年にスーパーカブC90のエンジンとして最初の『OHC化(排気量89cc、内径:50mm×行程:45.6mm)』されたエンジンと同系列のエンジンなのです。

 このエンジンは、1980年代にはタイホンダで製造されたマシンにストロークアップを施した上で搭載され、『ホンダカブ100EX(排気量97cc、内径:50mm×行程:49.5mm)』というモデル名で、日本でも一時期ではありますが、輸入販売されていた事もあったのでベテランのライダー諸氏は覚えていらっしゃるのではないかと思います。

 そして、その排気量97ccエンジンを更にロングストローク化させたものが、カブ吉くんに搭載されているエンジンになります。こういう風に考えてみると、この『耐久チャレンジ』の実施検証に選ばれているマシンが、JA07型スーパーカブ110のカブ吉くんであると言う事は、あながち間違っていないような気がなんとなくして来ませんか? どうですか? 今までの記事をじっくりと読んでみると、だんだんとますますそんな気がして来ているのではないですか? (しつこいですね……。すみません)

 

 さあ、今月は随分と『OHCエンジン』の歴史? に時間をかけてしまいましたが、ここから先は本題の『スーパーカブのカムチェーンテンショナ関係』話しに戻って進めていきたいと思います。

 大したデータではありませんが、参考までにカブ吉くんのカムチェーンテンショナ関係の整備記録を貼り付けておきましたので、ご覧になって頂ければと思います。

 

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 まず最初に、皆さまが一番気になるカムチェーンの音はなんでしょうか? やはり、冷間時の『ガラガラ音』や『ジャラジャラ音』ではないかと思います。

 カブ吉くんのカムチェーンの『ガラガラ音』が気になりだしたのは、2010年に走り始めてから三回目の冬を迎えた頃でした。その時点での走行距離は、約6万2千キロです。

 カムチェーンの『ガラガラ音』は、以前からまったくしなかった訳ではありませんが、暖かい時期はあまり気になる事はありませんでした。しかし、気温の低くなる冬の時期には、朝の始動後に『ガラガラガラ』と、だんだんといい音がするようになってきます。この異音の原因はだいたい分かっているので、その原因になっている対象部品を交換してやれば、余程のことがない限り、以前の静かなエンジンに戻ってくれる事がほとんどです。

 整備記録を見て頂けると分かると思いますが、カブ吉くんは約24万4千キロを走行して、ようやく3回の整備回数となっているくらいで、そんなに頻繁に実施する整備にはならないような気が致しますが、ここでもやはり定期的なエンジンオイルの交換や、オイルレベルの確認などが実施されている事が大前提となります。

 その理由は、カムチェーンにテンションを掛ける為に、そのテンショナアームを押し上げるプッシュロッドは、テンショナスプリングだけの力で動いているのではないからです。そこには、エンジンオイルの力が必要となります。エンジンオイルの油圧が不足しているとプッシュロッド自体が充分にテンショナアームを押し上げる事が出来ないのです。寒い冬の朝のエンジン始動時の『ガラガラ音』は、まだ油圧が掛かり切らない為に起きている考えられます。

 交換対象の部品は少数で済みます。

 一つ目は、プッシュロッド先端の樹脂(ゴム?)部品です。この部品は、昔はアッセンブリー扱いで、単体で手配する事が出来なかったのですが、今は普通に手配が出来るようになっています。

 実際に、テンショナアームのお尻を押し上げているのはこの部品になります。金属のテンショナアームを押し続けるのですから、長い間に大きく凹んできてしまいます。そうすると、テンショナアームを押し上げる力が微妙に少なくなってしまうのです。

 次の部品は、テンショナスプリングです。

 ジョニーさんはカブ吉くんの1回目の交換を6万2千キロくらいで実施したあとは、21万2千キロまでやりませんでした。実際には、15万キロも走ってしまっていたので、2回目の交換の際は『ガラガラ音』がかなり大きな音で出ていたのですが、交換したテンショナスプリングの自由長を測定して、ジョニーさんも吉村さんもビックリしてしまいました。

 本来ならテンショナスプリングの使用限界は109mmに規定されているのですが、交換した際にカブ吉くんから出て来たテンショナスプリングは、自由長が105mmしかありませんでした。これでは、『ガラガラ』といい音が出てもしょうがありません。こんなに、メンテナンスをさぼってはいけません。

 これを反省して、3回目のカムチェーンテンショナ関係の整備は、ちょうど『ガラガラ音』が気になりだした約24万4千キロで実施する事になりました。

 今回は、試しに新車から一度も交換したことがないプッシュロッドも交換対象に含んでいます。吉村さんは、前回21万キロの交換時に全く摩耗がない事を確認しているので不要だと言ったのですが、ジョニーさんが今回の『ガラガラ音』が気になるまでの距離が約3万2千キロくらいと短かったので、一度交換してみたいと言ったのをきっかけとして、大事をとって交換となりました。

 さて、今回交換された部品の状況はどうだったのでしょうか?

 まず、プッシュロッド先端の部品はいつも通り大きく凹み、これは予定通り要交換になります。そして、今回新車から初めての交換となるその部品が付いているプッシュロッド自体の摩耗状況はどうだったのでしょうか?

 結果から言えば、マイクロノギスを使用した測定数値からは全く摩耗が確認出来ない状態でした。このままエンジンオイルを定期的に交換し続ける限り、月までの距離を走ったとしても、交換は一切不要と考えられます。

 しかし、テンショナスプリングに関しては、約3万2千キロを走行して、使用限度を若干下回る108.24mmという結果になりました。少し使用限度を下回るのが早過ぎるような気もしますが、現在は10wー40のやや硬めのエンジンオイルを使用している事もあるので、次回も3万キロを目安に交換整備を計画しておきたいと思います。

 

※記事には書かれていませんが、上記のメンテナンスを実施する際は、必ず新品のシーリングワッシャが2枚(使用する場所が違うので、大きさは異なります)必要となりますので、用意を忘れないようにして下さい。

 

 次回は、バッテリー編です。

                                    管理人

(その四)に続く