カブ吉くん 月まで走れ!

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 20万キロ通過! 次なる目標は30万キロ!

 

 このブログは伝説にもなっている『スーパーカブの耐久性』に関して、「でも、本当のところはどうなんだろう?」という素朴な疑問に答えるべく、実際に検証チャレンジをしているものです。

 本来なら『スーパーカブ』の原点である50ccや70ccモデルを使う事が正統なのかもしれませんが、今回このチャレンジに使用しているマシンは、2010年式JA07型スーパーカブ110です。

 このマシンは純日本製だった今までの『スーパーカブ』とは違って、タイで製造されたエンジン部品等を使って、ホンダ熊本工場で組み上げられたものです。

 外装も樹脂部品が多用されており、昔からスーパーカブに乗り続けている人々からは、「今度のカブは、一体どのくらい走れるんだろう? 外装部品の寿命は絶対短いんだろうな」などという辛口の意見も多く、その車体寿命に関しては販売当初からかなり心配をされていたようです。

 しかし、そのJA07型スーパーカブは、走り始めてから4年目の2014年8月に10万キロを走破。そして約8年経過した2018年6月には、調子を落とすこともなく無事20万キロを通過致しました。

  当然、エンジンのオーバーホール等の大きな整備は一切なく、クラッチ関係についても、現在まで一度も調整をしておりません。

 エンジンオイルは、推奨純正オイルのG1(10W-30)及びG2(10W-40)の二種類のみを使用し、季節及び使用状況等に応じて使い分けています。オイル交換に関しては、メーカー指示は3,000キロ毎ですが、比較的高回転を多用する使用状況を考慮して、これだけは2,000キロ毎で実施しています。

 ドライブチェーン及び前後スプロケットも、定期的な給油は行っていますが、新車装着の物をそのまま使用しております。それ以外の交換部品類も、原則的にはメーカー等の指示に従って交換するような使用方法で現在に至っています。

 

 2014年に二輪自動車では初となる立体商標に登録され、2017年には世界累計生産台数が1億台を突破。そして2018年はスーパーカブ発売から60周年となり、この『スーパーカブ』という世界中で走り続けるマシンに、今後も更に多くの方々が興味をお持ちになるのではないかと思います。

 現在スーパーカブに乗られている方々はもちろんの事、これから『ちょっと乗ってみようかな』と考えている方々に、少しでもお役に立てればいいなと考えてこのブログを立ち上げました。

 しかし『耐久チャレンジ』や『月まで走れ』などというタイトルを付けてブログを始めたものの、5万キロくらいで壊れてしまってはどうしようもありません。最低でも月まで半分強の距離である20万キロを越える事が出来たらという理由から、このブログ開設タイミングとなりました。

 

 次の目標はまずは30万キロとなりますが、サブタイトルにもある通り、月までの距離である38万4千キロを一応の最終目標に設定してチャレンジを続けて参ります。

 今後は07型カブの使用状況データやメンテナンス記事、近況報告やセミドキュメンタリー形式の小説などを随時掲載していく予定です。

  この小説の中に登場する『カブ吉くん』の描写部分は、ノンフィクションとなります。実際どのように乗られてきたのかが、皆様に分かるように書いています。少しでも参考にして頂ければとても嬉しく思います。それ以外の部分については、『読み物』として楽しんで頂けたらという思いから、若干の脚色が含まれています。

 

それでは、どうか宜しくお願い致します。                    

                                    

                                   管理人

 

 

2019年10月 カブ吉くん 近況報告

 先月に引き続き、10月12日(土)に大型で強い勢力を保ったまま伊豆半島に上陸した台風19号は、静岡県関東甲信越、東北地方に記録的な大雨を降らせ、大規模な河川氾濫や土砂災害を引き起こしました。また、この災害によって多くの方々が亡くなられたり、行方不明になったり、お怪我をされたりしたようです。生活の基盤となる住宅や福祉施設等にも大きな被害が出ているとの事で、大変心を痛めております。

 改めて被災された方々には、一日も早い復旧を祈りつつ、心からお見舞いを申し上げます。

 

 

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 今月は、いつもの近況報告とちょっと違う形で書いてみました。お読み頂ければ幸いでございます。

 

 

 ジョニーさんは、ちょうど台風が上陸しそうだと予想されていた10月12日土曜日に、運悪く神奈川県湘南地区の仕事を一つ抱えておりました。大きな被害が出た先月の台風15号のこともあったので、そういう理由からも、今回の台風19号の進路や勢力を、ジョニーさんは大変に気にしておりました。

 その台風19号は、5日の月曜日未明にマーシャル諸島近海で熱帯低気圧として発達し、6日の日曜日未明に台風となりました。その後、台風は平年よりも高い海水温の領域を通過しながら急速に発達し、発生から僅か39時間後には中心気圧915hPaという猛烈な勢力を持つ台風に変化して行ったのです。

 そして、7日の月曜日の夜の段階で、この台風の今後の予想される勢力や進路は、次の通りと発表されました。

『台風19号は、このままの猛烈な勢力を保ちながら北上し、小笠原諸島に東側から接近した後、若干勢力を弱めながらも北上を続け、本州に上陸する可能性が非常に高いでしょう』という発表が気象庁より出されました。

 ジョニーさんも仕事先のお客様も、業務関係者の手配の問題があるので、直前での変更は出来ません。変更のタイムリミットは9日水曜日の夕方が限度です。

 ジョニーさんは、その日の朝から仕事先のお客様と連絡を取り合って、調整を進めて行きます。その仕事が翌週に延ばせるような内容のものであれば、何も問題もないのですが、12日土曜日若しくは13日の日曜日の二日間に、どうしても完了していなければならない仕事だったので、この難しい調整が必要となっているのです。

 その後、台風情報を細部にわたり検討し、連絡を取り合いながら調整を進めた結果、『台風の本州上陸のタイミングとは、少しでもずらした方がいいだろう。一日遅らせれば、うまくすれば台風は関東を抜けているかも知れない……』と、いう事となり、結局12日土曜日の仕事は13日の日曜日へ変更となりました。 

 しかし、そうなると、また別の問題が持ち上がってきます。それは、先月と同じようにこの台風に合せて公共交通機関等が計画運休を予定している事です。主に関東地方の電車などは、12日土曜日の早い時点から随時運休になり、13日の日曜日の午後にならないと運転を再開しない予定のようです。

 ジョニーさんは、この時点で13日の日曜日の仕事先への移動は、風雨がまだ強く残っているようなら『四輪車』を選択し、もしそうでないなら『カブ吉くん』で移動する事を考えていました。

 

 10月12日土曜日は、そんな訳で急にお休みにしてしまったので、朝から台風に備えていろいろな準備をして行きます。断水や停電に備えて飲料水を用意したり懐中電灯の電池を確認したり、窓ガラスが破損した時にそのガラスが飛散しないようにテープを貼ったりと、結構やることがあります。

 カブ吉くんもカバーが被せられて、そのカバーが風をはらんだり、飛んでいかないようにするために、きつくバンドが掛けられます。そして、万が一にも転倒する事の無いように、駐輪する位置も家の壁と乗用車の狭いすき間に変更します。

 そんな感じで、ジョニーさんの家では台風対策が徐々に進んで行きます。また、テレビからは台風の進路に予想される各地域から、最新の台風情報が次々と流れてきます。

 台風の移動速度がそれほど速くないので、上陸まではまだまだ時間が掛かるのだろうと思っていた朝の8時過ぎに、千葉県で竜巻が発生したとの一報が入ります。ジョニーさんのいる場所ではまだ静かですが、確実に台風は近づいて来ています。朝から断続的に強い雨が降り続き、奥多摩方面や秩父方面での降水量が非常に多くなっているという情報が入って来ます。テレビでは『この影響で、多摩川や荒川の水位が上昇するので、厳重に警戒をして下さい』と、女性アナウンサーが淡々と現状を伝えています。

 

 この台風は風の強さもさることながら、先月の台風15号が概ね600km(だいたい東京と大阪の距離)くらいの渦を巻いていたのに比べると、今回の台風19号は日本列島がほぼすっぽりとおおわれてしまうくらいの巨大な渦を持つ台風になっています。

 そんな理由もあって、台風本体の雨雲が掛かる前から大量の水蒸気が流れ込み続け、さらに大きな雨雲を発生させる事となりました。また、その台風が接近する前に、列島の上空にあった寒気が南下し、関東甲信地方から福島県地方にかけて発生していた局地的な前線とちょうどタイミングが合ってしまい、その悪い意味での相乗効果で、さらに平野部も含めて豪雨をもたらす事になっていたのです。

 ジョニーさんの住む練馬区でも、午後になってどんどん風雨が強くなって来ました。テレビで情報を収集しながら、時折りカーテンをずらして外の様子を確認します。今現在は、まだ外の明るさがあるので様子が確認できるのですが、夕方以降に暗くなってしまえば、それも出来なくなります。非常に不安です。ジョニーさんは、それから何度も何度も、何か飛んできそうな物がないかチェックする為に、目を皿のようにして薄暗くなってきた外の様子を眺めていました。

 

 『台風19号は勢力を若干落したものの、大型で強い勢力を維持し12日土曜日の19時前に静岡県伊豆半島に上陸しました。この台風の上陸直前の中心気圧は955hPaで、最大風速は40m/sです。この台風はその後速度を速めて、関東地方から福島県地方へと縦断し、13日日曜日の午後には三陸沖東部へと抜けて行く予定です』

と、気象庁は伝えています。

 窓の外では『グオォーグオォー』と、強い風が吹き始めています。雨も『バチバチバチ』と窓に叩き付ける音を響かせながら、その量をどんどん増しているようです。

 ジョニーさんは、そんな外の様子を気にしながらも、いつもより早めにベッドに入りました。明日は、道路状況がどんな風になっているか全くわからないので、少し早く家を出発する予定でいます。

『カブ吉、大丈夫かな……』ジョニーさんは、そうボソッと呟いた後、キャンプ用のコンパクトヘッドランプの位置を確認して、まぶたをそうっと閉じました。

 

 午前3時過ぎにジョニーさんはベッドの中で、ふと目を覚まします。人間というのは不思議なもので、それまで強風の吹きすさぶ音や、強烈な雨の叩き付ける音の中で寝ていると、それが普通になってしまうのです。逆にそれが無くなってしまうと、『何か変だぞ』って感じるのか、ふっと目を覚ましてしまうのです。

 

『抜けたのか……』

 

その一切のものが息をひそめているような静けさの中、ジョニーさんは外の様子に全神経を集中させます。それまで吹き荒れていた風雨が、ピタリと止んでいるように感じます。しかし、その一瞬の後、『ゴォーッ』という音とともに、強烈な風が家を揺らして行きました。

 

『まだ、若干の煽りは残っているのか……』

 

 ジョニーさんは、そう呟くとベッドから身体を起こします。ジョニーさんは、二度寝はしません。目が覚めてしまったら、そのまま起きるのが普通です。

 コンパクトヘッドランプを頭にセットして、そうっと起き上がります。まずは、家族の皆を起こさないようにしながら、家の点検をしていきます。

 ひとまず、ガラスが割れている等の問題は発生していないようです。次に、外観を確認するために、外に出ます。

 ゆっくりと玄関のドアを開けて行きます。少しだけドアを開いた状態で一度ドアを止め、外の状況とドアの具合を確認します。問題がないようなら、ドアを開いて外に出ます。

 まずジョニーさんは、カブ吉くんの確認をします。若干バイクカバーがめくれかかっていますが、問題はなさそうです。ほっとひと安心です。次に、家の外観の確認をしていきます。ヘッドランプの光量を最大にして、家の南面と東面を中心に確認して行きます。こちらも問題なしです。

 空には、普段より多くの星たちが輝いているように見えます。ジョニーさんは、カブ吉くんのバイクカバーを外しながら、シートをポンと叩きました。

 

『今日は、やっぱりカブ吉と行こう』ジョニーさんはそう言いながら、バイクカバーに付いている水滴をバサバサと払い落とした後、ささっとカバーを折りたたんで行きました。

 

  早めの食事を済ませて、ジョニーさんとカブ吉くんは午前6時過ぎに自宅を出ました。いつものように目白通りを少し上り込み、豊玉陸橋の下を右折して環状七号線の内回りに入って行きます。

 予想通り、ほとんど走っている車はありません。もちろんバイクで走っている人など、いる訳もありません。などと、思いながら走っていると、早速、西武新宿線野方駅をくぐるアンダーパスで、1台のスーパーカブ90とすれ違いました。

 お互いすれ違う瞬間に、『よくやりますな~、ご苦労様』的な雰囲気を共有させて頂きました。そんな事にも元気を頂きながら、ジョニーさんとカブ吉くんは環状七号線内回りを上馬に向けて走って行きます。

 さすがに先月の台風15号を経験しているからなのか、皆さんがそれなりに対策をして頂いたおかげなのか、道路上にびっくりするような物が飛んで来ている事はあまりありません。それでも、たまにプラスチック製のゴミ箱が車線の上を一緒に走っていたりする事もあるので、細心の注意は必要になります。先月の台風15号の時は、北千束のあたりで樹木が折れて車線を塞ぎ、週明けの月曜日だった事もあって、環状七号線の内回りは大渋滞となりました。しかし、今日は三連休の中日で日曜日です。皆さん、うまくスケジュール調整されたのか、大きな混乱は今のところなさそうです。

 出発して20分ほどもすると、もう国道246号線(玉川通り)の上馬交差点に着いてしまいました。素晴らしい速さです。そして、この交差点を右折して国道246号線を下り込めば、とりあえず厚木までは一直線です。

 実は、ジョニーさんは前の晩から神奈川県の湘南地区に行くためには、どのルートが一番確実なのかと言う事をずっと考えていました。しかし、どの道を通るにしても一般的に多摩川を渡らずに神奈川県に入る事は難しいのです。しかも、今回のように厚木の先まで行こうとすると、相模川も渡らなければなりません。

 台風の影響で二つの河川の源流域には、昨日からとんでもない量の雨が降っています。今朝早く家を出発する為に、昨晩は早めにベッドに入ってしまったジョニーさんは、『相模川系の城山ダムが緊急放流(特例操作)を実施するかもしれない』という情報は知っていましたが、その結果がどうなっているのかをまだ知りません。朝起きてからテレビをつけてはいたのですが、バタバタと支度をしながらだったので、あまりキッチリと情報を収集する事が出来ませんでした。そんな不安を抱えながらも、ジョニーさんとカブ吉くんは多摩川に架かる国道246号線の新二子橋に向かって走って行きます。

 上馬交差点を右折してから、国道246号線を走るジョニーさんとカブ吉くんの上にずっと屋根のようにいてくれた首都高速3号渋谷線が、すっと右方向に離れて行きます。国道246号線の方は、この先環状八号線瀬田交差点のアンダーパスを抜けると、もうその先は新二子橋です。

 この地点で、何の規制看板や誘導員等が出ていないので、恐らく新二子橋を渡る事は問題なく出来そうな気がします。

 信号が青に変わり、発進したジョニーさんとカブ吉くんは、3車線ある車線の真ん中の車線を慎重に進んで行きます。瀬田交差点アンダーパスは、内部でゆるやかに左にカーブをしています。その先アンダーパス出口に一つ信号があり、そこを通過すると、左方向に二子玉川駅方面に降りて行く側道と、そのまま多摩川を渡る直進2車線の国道との分岐となります。ジョニーさんとカブ吉くんは、当然直進車線をキープして走行を続けます。新二子橋は、ちょうどこの分岐点の当たりに防音壁が設置されているので、ここからではまだ多摩川の様子はわかりません。また、新二子橋は旧道の二子橋に比べると、かなり高いところを通っているので、ジョニーさんは横風に吹かれても大丈夫なように、カブ吉くんを車線の中央に置き、両足のくるぶしを使ってグッと車体を挟み込み、両脇を締めて、軽く前傾姿勢を取ります。

 橋を渡り始めて、道路は右にカーブしながら緩やかに上って行きます。進路の変更を禁止する黄色の車線表示が白の破線に変わります。それと同時に、今まで設置されていた防音壁がさっとなくなり、曲率を戻した道路はやや下りながら多摩川の対岸に向かって真っすぐに延びて行きます。

 

『うわっ……、川幅いっぱいじゃねぇかよ……』ジョニーさんは、一言そう呟いた後、絶句します。

 

そこには、普段我々が見る事のない『一級河川 多摩川』のもう一つの顔がありました。堤防の端から端までの川幅を目一杯使って、たくさんの樹々を飲み込み、薄茶色に濁った例えようもない量の水をゴォーゴォーと流し続ける、人間のコントロールが及ばない『自然河川 多摩川』の顔です。

 

 ジョニーさんは、自然に対して人間の造ったものを100パーセント信じていないところがあります。人間の英知を結集して造った物がそんなに簡単に壊れる訳はないと思ってはいるものの、でも、どこかのタイミングで自然がちょっと本気を出すと、きっとその時は壊れてしまうのだろうと考えています。

 簡単な理屈です。どんなに頑張っても人間は自然には勝てないのですから。

 

ジョニーさんは、『頼むから壊れないでね……』という思いだけで、新二子橋を渡りました。ジョニーさんとカブ吉くんが橋を渡っている間、きっと橋脚には恐ろしいほどの水流が押し寄せていた事でしょう。でも、新二子橋はガンとそれを跳ね返し、屈強な姿でそこに建ち続けます。橋を渡り終えたジョニーさんは、ほっと胸をなでおろしました。

 その後もジョニーさんとカブ吉くんは順調に走行を続け、溝口、梶ヶ谷、馬絹と次々に通過していきます。三菱車のチューニングで昔から有名なテスト&サービスを左手に見ながら宮崎台の坂道を上り、鷺沼、江田、市ヶ尾と通常なら微妙に流れが悪くなる場所も、今日はノンストレスで通過して行きます。

 相変わらずジョニーさんとカブ吉くんの周りには、数台の四輪車が走っているだけで、いつもの国道246号線とは比較にならない程の交通量しかありません。二人は更に走行を続け、東名高速道路横浜町田インターチェンジに接続する国道16号線を跨ぎ、快調に走り続けます。時おり強い風が吹き抜けて行き、二人のバランスを崩そうとしますが、ジョニーさんのライディングに大きな狂いはありません。

 国道246号線は、東京方面から厚木方面に下って行くと、ほとんどが法定速度で走行できる道路です。江田駅の手前くらいから東工大の交差点の先までが50km/h制限ですが、そこを過ぎると、また法定速度道路に戻ります。

 大山がドーンと見えて来る大和厚木バイパスの辺りまで来ると、吹きっさらしの部分が多くなってくるので、高い速度で走行中に横風を受ける事を想定しながらライディングします。大排気量の重量車と違い、小排気量の軽量車の一番の泣き所かもしれませんが、ここは我慢のライディングで乗り切ります。

 左手に神奈川県立産業技術総合研究所の建物が見えてくれば、問題の相模川まではもうあと一息です。規制を掛けるとすればこの先の『下今泉交差点』しかないので、恐らく新相模大橋を渡る事に問題はないはずです。

 ジョニーさんとカブ吉くんは、周りの四輪車と同様に若干スピードを落としながら慎重にこの交差点を通過して行きます。

 

『頼むから、何事もなく渡らせてくれよ……』ジョニーさんは再び念じます。

 

 相模川多摩川と同様に、川幅一杯に広がった茶色の濁流が、大きなうねりを伴いながら恐ろしい勢いで流れています。新二子橋に比べると、新相模大橋の方が水面に近いせいか、より自然の力や怖さを感じます。昨晩実施すると予告していた、城山ダムの緊急放流はあったのでしょうか? このタイミングで考えてもしょうがない事が、急に頭に浮かんできます。

 橋を渡るのにかかる時間は、ほんの30秒弱なのですが、異様に長く感じます。新相模大橋を渡り切り、首都圏中央連絡自動車道をくぐったところで、ジョニーさんはほっと一つ溜息をつきました。

 

 この日は、その先の渋滞の名所である金田陸橋もスムーズに通過し、厚木市内で国道129号線にそのまま入って行きます。厚木市内の交通量も、まだ時間が早いのでまばらな状態です。渋滞などもなく、淡々と走行を続けます。

 新東名高速道路厚木南インターチェンジを過ぎて平塚市に入ると、右手に富士山が見えてきます。平年であればこの時期の富士山は、頭の部分が白く化粧をしているはずなのですが、今年はまだ夏の装いです。今日もこの後は、台風一過のフェーン現象で30℃近くまで気温が上がると天気予報は伝えていました。

 

 最終目的地には、7時55分に到着しました。所要時間は、1時間50分です。練馬からここまで約65kmあるので、それなりにいいペースの走行となりました。通行経路に何の支障もなかったので、本当に助かりました。気持ち的には、かなり疲れましたが……。

 

 現地ではジョニーさんの仕事も順調に進み、15時過ぎに終了したので、その後、帰宅の途に就きます。 

 そして、練馬への最終到着は、日も暮れかかった17時30分となりました。

 

                          本日の走行 : 128km

 

 

 今月は、もし時間が取れそうならツーリングに出ようと思っていたのですが、結局仕事の調整もつかず、台風の問題もあったので、どこにも行く事が出来ませんでした。

ツーリングに出ていたら、今月の近況報告はそのレポートにしてもいいなと思っていたのですが、結局、台風レポートみたいになってしまいました。ごめんなさい。

 

 カブ吉くんの調子に大きな変化はありません。燃費は少し下がりましたが、気温の低下もあるので、それはしょうがないと思っています。

 

 それでは皆さま、少しひんやりとしてきましたが、暖かくしてオートバイをお楽しみ下さい。

 

                                    管理人

 

2019年10月末日現在 全走行距離 233,140km

(10月走行距離 1,901km  燃費 58.75km/ℓ )

月まであと、151,260km

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カブ吉くん メンテナンス(ハンドル廻り編)その二

(その二)

 

 それでは次にコンビネーションメータについて、お話しをしたいと思います。

 

【メータ照明関係ほか】

 JA07型スーパーカブのメータ内に使用されているバルブは、ニュートラルインジケータ、メータ照明ライトの二つが通常バルブを使用するもので、ウインカインジケータ、PGM-FI警告灯の二つが交換不要のLEDとなります。ここではひとまず交換可能な通常バルブのお話しをしていきたいと思いますので、宜しくお願い致します。

 まず最初に、そのバルブは標準仕様で12v-1.7wという非常に省電力なウェッジ球が使われています。そしてそれは、ニュートラルインジケータとメータ照明ライトに、それぞれ一つずつ使われています。

 メーカーはこの仕様に関して、市販化される前に十分にテストを重ねた上に、さらキチンと検証をして、最終仕様を決定している訳ですが、ジョニーさんのような比較的年齢が高く、視力に若干問題を抱えているライダー達からは、

「う~ん、もう少しハッキリと見えると嬉しいんだけどなぁ~」と、いうような評価も出て来るかも知れません。

 話しが変わって申し訳ないのですが、ジョニーさん個人の話しを少しさせて頂くと、ジョニーさんはカブ吉くんと走り始める少し前くらいから、夜間の視力低下が気になるようになってきていました。それは、走行中の前方視界や路面状況もそうですが、計器類の確認も含めての事となります。そういう訳で、ジョニーさんはそれを少しでも改善する為に、運転免許の条件に眼鏡等の使用指定はないのですが、夜間走行の際は必ずメガネを掛けて運転をするようにしていました。

 

 話しを元に戻します。

そんな訳ですから、ジョニーさんにとってメータ照明は明るいに越したことはないのです。それでも、走り始めて2年3か月(約5万5千キロ)は純正仕様で頑張っていたのですが、2012年10月の時点でメータ照明とニュートラルインジケータのバルブは、12v-3.4wタイプに変更となりました。

 この時点で、どちらかのバルブが切れたりするようなトラブルが発生した訳ではありません。特にメータ照明のバルブは、ヘッドライトやテールライトと一緒で、エンジンが掛かっている間は、ず~っと点きっぱなしです。ここまで5万5千キロ走って来ている事を考えて、それを時間に換算(ここではやや速い感じもしますが、平均時速30kmで計算します)してみると、約1800時間くらい点灯している事になります。1.7wの小さなウェッジ球の耐久性という意味では、これで充分なような気が致します。

 しかし、やはり新車から比較すると経年劣化なのか、電球のガラス面も黒く煤が付き、やや照度が落ちたように感じたジョニーさんは、ワット数の向上も含めてこのタイミングで交換する事を選択しました。

 そして、ほぼ同様の理由から、2015年7月に再び3.4wから5wへの変更交換が行われます。ここまでワット数を上げる必要があるのかは、若干疑問が残りますが、この時点ではジョニーさんの視力の低下も進んで来ており、このような対応となりました。

 その後、メータ照明に関しては一度もバルブ切れの発生はありません。現在までの交換回数は3回で、最長使用は5wタイプを8万5千キロ使用していました。しかし、このバルブは20万8千キロ走行時点で、強制的に交換されています。その理由は、ニュートラルインジケータのバルブ切れによるものです。この2本のバルブ取付位置は、コンビネーションメータの裏側にあり、すぐ隣り同士になっています。どちらかに不都合が起きれば、その後の事も考えて同時に交換してしまうのが普通です。

 でも、このニュートラルインジケータのバルブ切れには、さすがのジョニーさんも少し驚いたようです。40年以上のライダー人生の中で、二度目の経験だそうです。一度目は、72年型のマッハⅢに乗っていた時に同様の事があったようですが、その時は別にそれ程不便を感じなかったそうです。何故なら、その時ジョニーさんが乗っていたマッハⅢは、ボトム・ニュートラルの5速ミッションで、止まる時にはひたすらシフトダウンさえしていれば、必ずニュートラルにたどり着くのが分かっていたからだそうです。しかしカブ吉くんの場合は、停止してしまうとロータリー式の為、それまで何速で走っていたのかをキチンと覚えていないと、止まってから不自由な思いをする事になります。とは言いながらも、何速に入っていてもとりあえず走り出せてしまうのが、スーパーカブのいいところなんですが……。

 ジョニーさんは、カブ吉くんで使用するバルブ類のスペアを、ビジネスボックスの中に常時持っています。この時も12v-5wのウェッジ球は、スペアとして持っていたのですが、バルブが切れた場所が比較的自宅に近かったので、この時は、

「おっ、まずい。また四速で発進しちゃった」などと言いながら、そんな不具合も楽しんだうえで、自宅に戻ってからの交換となりました。

 

【スイッチ関係】

 カブ吉くんのハンドル廻りに付いているスイッチ類は、右側にスタータスイッチ、左側にディマスイッチ、ウインカライトスイッチ、ホーンスイッチの合計4個となります。

この中で、現在まで不具合のあったスイッチは、ディマスイッチとウインカライトスイッチの二つです。

 ディマスイッチに関しては、2017年5月の17万2千キロ時点で部品交換になっています。このスイッチは、ヘッドライトが常時点灯になっているので、微弱な電流ではありますが、スイッチにも電流が流れ続けています。そうすると、どうしてもスイッチ接点に問題が発生してしまうようです。カブ吉くんも半年くらい前から、不意にライトが消えてしまう等の問題が、ちょこちょこと起きていました。そのたびに、スイッチのローとメインの切り替え操作を『バチバチ』とやってみると、一時的に復活するのですが、最後はまったく反応を示すことなく、終了となりました。部品単体の使用時間としては、メータ照明と同じ計算式を使って計算すると、約5700時間になります。これも、これだけ持てばどなたも不足は感じないのではないかと思いますが、一つだけ注意をしなければいけない事があります。ジョニーさんはカブ吉くんに、雪の日以外は一年中乗るので、カブ吉くんには一年間の内八~九ヶ月間はハンドルカバーが付いているという事です。そうです、ハンドルカバーのおかげで、この期間は直接スイッチに雨が当たる事がないのです。デザイン面や操作性の好き嫌いがあるので、一概には言えませんが、これがあるかないかではスイッチ類の寿命に結構差が出るかも知れません。

 

 次に、ウインカライトスイッチの話しをしたいと思います。

このスイッチに関しては、割合接点不良が起こる事が多いような気がします。

でも、うまくウインカライトが点滅しなかったり、不灯だったりしても、ガチャガチャやってると自然に復活してしまったりするスイッチです。もし、ガチャガチャで復活しない時は、スプレーの接点復活剤を吹いてみます。過去にこれで復活しなかった事はありません。

 ジョニーさんは、もしもの為にウインカライトスイッチとウインカリレーの新品スペアを持っているのですが、まだ出番が来たことはありません。

 

(その三)に続く

                                    管理人

 

 

2019年9月 カブ吉くん 近況報告

 令和元年9月9日(月)早朝5時前に千葉県千葉市付近に上陸した台風15号は、千葉県を中心に1都7県(東京都、神奈川県、茨城県静岡県、埼玉県、福島県、栃木県)に大きな被害をもたらしました。千葉県の一部では、9月末まで停電の復旧が遅れてしまった地域もあるようです。まだまだ生活の立て直しには時間が掛かると思いますが、被災された地域の方々には、心からお見舞いを申し上げます。

 

 

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 オートバイ乗りとしては、この台風15号の暴風雨の影響を受けて、オートバイに乗って怪我をされたりしている方々がいない事を祈っております。

 カブ吉くんは、ジョニーさんが9月7日(土)から9月9日(月)までお休みを取っていた関係から、おかげ様で何事もなく過ごさせて頂きました。

 でも9月9日(月)のお休みに関しては、台風の関係というのもあったのですが、本当のところは、ジョニーさんが8月下旬に病院に通院する予定だった日が仕事で行けなくなったので、その代替え日として偶然にもお休みを取ってあったのです。

 9月8日の日曜日から翌日にかけての首都圏の電車は、終電時刻を早めたり、月曜日の始発電車を遅らせたりと、JR及び私鉄各社は台風対応に追われておりました。当然、それらを通勤や通学等の主要な交通手段にしている方々は、週明けから大変なご苦労をされたようです。

 そんな中、ジョニーさんとカブ吉くんは、9日の月曜日の9時過ぎに

「さて、カブ吉そろそろ行こうか? 風がまだまだ強くて何が飛んで来るか分からないから、気を付けて行きましょう」などと言いながら、小雨の中をそろそろと慎重に出掛けて行きました。

 ジョニーさんのかかりつけの病院は新大久保にあるので、自宅から新目白通りを上り込み、高田馬場の駅の脇を抜けて、ほんの20分ほどの道のりです。

 道中は、道路上に折れた木の枝や、何処からか飛んで来た看板などが散乱している場所もありましたが、さすがに皆さん仕事を控えたのか、月曜日の朝の割には渋滞もなくスムーズに病院に到着する事が出来ました。

 病院の受付ロビー内も、普段だと診察券を入れる自動再来受付機の前に多数の患者さんがおられるのですが、この日はガラガラです。

 

「そりゃ~そうだよな~。電車止まってるんだもんな~」

などとジョニーさんは呟きながら、ハタと一番大事な事に思い当たります。

「……、先生来てるのか~?」

そうです。その問題がありました。

 

恐る恐る受付で尋ねてみると、通常通り診察を行っているとの事。

待合で待っている患者さんも少なく、すぐにジョニーさんの診察は始まりました。

 ジョニーさんはこの病院で二つの診療科を受診しているのですが、診察費の支払いから薬の受領までの全てを午前中に終わる事が出来ました。こんな事は、今までに一度もなかった事です。こうやってスムーズに病院に受診が出来るのも、『カブ吉くん』のお陰と、ジョニーさんはいつも感謝しています。

 

 病院を終えた二人は、吉村さんのお店に向かいました。もう少しで走行距離が23万キロになるので、プラグ交換をする為です。

 

「吉村さ~ん、プラグ換えて~」店に着くなり、ジョニーさんが声を掛けます。

「お~ジョニー、待ってたぞ。病院への道中は、大丈夫だったか?』吉村さんが心配顔で返事をします。

「うん、病院も道路も大順調~」相変わらずのジョニーさんです。

 

 いつも通りバイクリフトにカブ吉くんを載せて、プラグ交換が始まります。

吉村さんは、プラグキャップを外し、プラグレンチを使って手際よくカブ吉くんのプラグを外していきます。そして、カブ吉くんから今取り外したばかりのプラグを手に取って、今回は何故かしげしげと眺めています。

 普段だと、何も問題が無ければ「よく焼けてるよ、ジョニー」などと言いながら、すぐにジョニーさんにそのよく焼けたプラグを見せるのですが、この日はいつもとなんだか違いました。

 

「……、よく焼けてるな。……、よく焼けてる」吉村さんは、そう同じ言葉を二度繰り返してから、ようやくジョニーさんにその『よく焼けたプラグ』を見せました。

 

「うん、いつも通りだね。よく焼けてる」ジョニーさんもそのプラグを見て、相槌を打ちます。

 

「そうなんだよ……、よく焼けてるんだよ」吉村さんはそう言って、少しのあいだ沈黙しました。

 

「……で、燃費だとかほかのところはどうなんだ?」吉村さんは再び口を開き、ジョニーさんに質問します。

 

「先月行った道志みちの山伏トンネル手前のいつもの坂は、上ってる時になんとなく力が落ちたかなぁ~って感じたけど、普段乗ってる限りではあまり感じないんだよね~。第一京浜(国道15号線)下りの大森陸橋を超えて行くとこなんか、カブ吉はけっこう元気に上って行くからね~。それにここんとこ燃費も悪くないしなぁ……」ジョニーさんは、不思議そうな顔をしながら吉村さんに答えます。

 

一瞬の沈黙の後、吉村さんが口を開きました。

「カブ吉のマフラーから煙りが出ているのかどうかを、ジョニーが店から帰る時にいつも気を付けて見てるんだ。だけど、今まで一度も煙が出てる事はなかった。それに、カブ吉のエンジンを掛けた時にも、やっぱり煙は全然出ない。それでもジョニーが言うように、走ってる時に煙が出てるんなら、距離も距離だし俺もオイル上りかなぁなんて軽く考えてたんだけどな……。なんかオイル上りじゃ、ないような気がするなぁ……」

 

吉村さんは更に続けます。

「カブ吉が煙を吹き始めたっていってG2の40番に変えてから、約1万1千キロくらいかなぁ。それで、今日が三本目のプラグ交換なんだよ。でも、面白い事に一度もプラグがオイルで汚れてた事がないんだよな。ジョニー、これたぶんオイル下がりだな。それも排気側のな」

 

先月『うぅ~ん、どうなんでしょう?』の長嶋茂雄さん状態だったジョニーさんが、ニッコリと納得した顔で頷きます。

「なんだぁ、そういう事だったんだ~。ここんとこ燃費もどんどん良くなって来てるし、どうなっちゃてるんだろうな~なんて思ってたんだよなぁ」

まだ、本当の原因が分かった訳ではありませんが、段々理屈が合って来ている事が、なんだか嬉しそうなジョニーさんです。

 

 どうやらカブ吉くんのマフラーからの煙は、排気側のバルブステムシールに原因がありそうな感じになってきました。では、どこまでの部品を交換していくのかは、『耐久チャレンジ』の非常に重要なポイントになってきますので、今後ジョニーさんと吉村さんの間で意見が交わされると思います。

 

 結論が出ましたら、皆さまにすぐにご報告をさせて頂きます。

 

 秋の交通安全運動は終わりましたが、今世間を騒がせている『あおり運転』の問題もありますので、皆さまくれぐれもお気をつけてオートバイをお愉しみください。

 

                                   管理人

 

2019年9月末日現在 全走行距離 231,239km

(9月走行距離 1,909km  燃費 60.14km/ℓ )

月まであと、153,161km

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カブ吉くん メンテナンス(ハンドル廻り編)その一

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 今日は、ハンドル廻りのメンテナンスについて少しお話しをしたいと思います。

しかし、ただ『ハンドル廻り』と言っても、一体どこら辺の事を指しているのか、何か今一つピンとこない感じがあります。それなので、現在までにカブ吉くんに実施した『ハンドル廻り整備整備記録』なる一覧表を作ってみました。下記に貼り付けますので、ちょっとご覧になって頂けると幸いです。

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 2010年7月から走り始めてから現在に至るまで、『カブ吉くんのハンドル廻りは、こんな整備(部品交換等)がされて来たのか』というのが良く分かって頂ける事と思います。

 今日からは、この中から順番に、ヘッドライトバルブ、スピードメータ関係及びスイッチ類について話しをして行きたいと思います。

 

【ヘッドライトバルブ】

 JA07型スーパーカブでは、同車種シリーズとして初めて『マルチリフレクターヘッドライト』が採用されました。当然、歴代のスーパーカブの中では一番のヘッドライト性能を持っている筈です。JA07型となり様々な機能が変更になったスーパーカブ110ですが、ジョニーさんはこの『マルチリフレクターヘッドライト』に関しては、特に期待を持っておりました。

 しかし、『カブ吉くん 月まで走れ(小説)-3』の中でも触れていますが、ジョニーさんがカブ吉くんに乗るようになって真っ先に感じたことが、『う~ん、ライトがまだ、微妙に暗いんじゃないの?』という事だったのです。

 

 カブ吉くんが走り始めた2010年7月、慣らし運転のほとんどは夜間走行でした。そして翌月の8月には、毎週『道志みち』を通って富士山まで湧水を汲みに行くというツーリングを実施するようになっていました。

 この『水汲みツーリング』ですが、昼間だけの移動なら良いのですが、場合によっては夜間の走行を余儀なくされる時もあります。そうすると、この真っ暗な『道志みち』が、逆にヘッドライトの格好のテストの場となるのです。

 8月の初旬から中旬にかけて、ジョニーさんとカブ吉くんは3回の『水汲みツーリング』を純正バルブで走行しました。市街地走行ではあまり問題を感じないのですが、『道志みち』に入りメインビームでの走行が主体となると、その問題が持ち上がって来ます。純正バルブでは、どうしてもボーっと遠くを照らしてはいるのですが、その中に芯が出ないのです。個人的な好みもあるのですが、ジョニーさんはこういう照射パターンが好きではありません。そして、その結果として『夜間走行のアベレージを安全に向上する為には、もう少しヘッドライトの性能を上げたいよな~』という結論になったのです。

 しかし、そうとは言いながらJA07型スーパーカブの耐久性を確認する意味でも、基本的にノーマルから大幅に改造はしない事が大前提ですので、その対応策は結局限られたものになりました。そうです、純正バルブと消費電力も全く同様の『高効率バルブ』への変更です。

 この『高効率バルブ』への変更は、ロービーム時の照射範囲が狭くなる問題はありましたが、メインビーム使用時に照度がやや向上し、純正バルブに比べてややはっきりと芯が出来ている事などが確認できました。

 それでも、ジョニーさんの求めるヘッドライト性能を考えると、ノーマルを60パーセントとすれば、『高効率バルブ』装着時は70パーセントくらいという、まだまだの評価にしかならないようですが……。

 また、この『高効率バルブ』には、純正バルブと比較して大きな問題点があります。それは、バルブ寿命の問題です。純正バルブは、吉村さんに聞くと『あまり切れねぇな~、4万キロくらいは持つんじゃねぇか~?』という回答を頂きました。

 一覧表を見て頂けると分かるのですが、カブ吉くんは2019年4月までに14回も交換しています。特に2014年ごろ迄は、1万キロくらいしか寿命がありませんでした。しかし、2015年以降に交換した同じ『高効率バルブ』たちは、軒並み2万キロを超える寿命となっています。製造メーカー様が、耐久性に関する部分を、何か変更されたのかもしれません。そうであれば、それはそれで大変うれしい事です。ヘッドライトバルブ1本にしても、決して安い値段ではありませんし、『中長距離ツーリングの途中で切れてしまうとシャレにならない』と、ジョニーさんも言っておりましたから……。

 

 そういう事で、ヘッドライトバルブに関しては、しばらくはこのまま『高効率バルブ』を使い続けていく予定のようです。

 でも、先日ジョニーさんと吉村さんの会話を聞いていると、こんな話しが耳に飛び込んで来ました。

 

『ねぇ、吉村さん、カブ吉のヘッドライトユニット径って130mmだったよね?』

『あぁ、確かそうだったと思うな』吉村さんが返事をすると、

『そうだよな~、ちょっと加工すれば昔の丸目4灯のユニットが使えそうだよな~』

『でも、H4だぞ……』吉村さんが答える。

『まぁ、バルブは加工出来るからね』

 

 ACジェネレータの発電容量の問題もあるので、なかなか簡単にいい方法が見つかる訳ではないのですが、ジョニーさんの頭の中には何らかの秘策があるようなので、いつか実現の運びとなるかもしれません。補助灯を追加するというような単純な方法ではなさそうなので、今後の展開を楽しみにしていたいと思います。

 

(その二)に続く

                                   管理人

 

 

 

 

 

カブ吉くん メンテナンス(お掃除編)

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 カブ吉くんの『日常メンテナンス』の記事の中でも触れていますが、ジョニーさんは一週間に一回は必ずカブ吉くんのメンテナンスを実施します。それは一週間に4~500km前後を走るカブ吉くんとって、ドライブチェーンに給油をしたり、タイヤの空気圧を調整したりという事項は、そういう使われ方をしているオートバイにとって必要なメンテナンスだからです。

 しかし、そういう『チェーンへの給油』や『空気圧調整』はメンテナンスの項目としてきちんとした位置付けが出来るのですが、『マシンの掃除』に関してはあまりにも当たり前すぎて、メンテナンス記事になかなか出て来ません。今日は、その部分について少しお話しをしてみたいと思います。

 

 メンテナンスの基本中の基本と言われる『マシンの掃除』ではありますが、皆さまは、まず『掃除』と聞いて最初に思い浮かべる事は何でしょうか? 

 やっぱり『洗車』でしょうか? もしそうだとしたら、ごめんなさい。ジョニーさんがカブ吉くんを洗車するのは、年に一回から二回程しかありません。そして、ジョニーさんが洗車をする時の理由ですが、『あまりに暑いので、水遊びをしたい』であるとか『久しぶりに虹が見てみたい』などという、どうでもいいような事が理由となっています。これは、『さくらんぼが食べたいから、蕎麦屋で冷や麦を食べよう』と言って、蕎麦屋に入ってしまうジョニーさんの性格も多分に影響をしていると思います。

 

 それでは、何故ジョニーさんがあまり洗車をしないのかという理由をお教え致します。それは、オートバイ自体は雨中走行をしても問題がないように造られていますが、吸気系や電装系などはやはり水分を嫌いますので、ジャバジャバと無神経に水を掛けないようにしなければいけないという事と、現時点で微妙に車体を保護している油分が流れてしまうのが嫌なのだそうです。

 皆さまが洗車をされる時は、くれぐれも『水量』、『水勢』、『水の角度』などにご注意をお願い致します。(とは言いながらも、オフロード車を買ってしまうと、四六時中泥だらけになりますので、しょっちゅう洗車をする羽目になってしまうのですが……。)

 

 それから、ジョニーさんが洗車をする時は、メンテナンスの最後にそれを持ってきます。それは、洗車をした後に必ず少し走って水分を飛ばす為です。本来ならこの後にワックス掛けをしてやれば、カブ吉くんはピカピカに光輝くはずなのですが、ジョニーさんがそれをやらないのは、カブ吉くんにやっぱり樹脂部品が多用されているせいなのでしょうか? こんど聞いてみたいと思います。

 

 ジョニーさんは、雨の日でも関係なくカブ吉くんと一緒に走ります。ですから、家に帰って来るまで雨が降り続いていれば、帰って来た時の二人はビシャビシャです。そんな時でもジョニーさんは、カブ吉くんを必ずささっと拭き上げてからカバーを掛ける事にしています。五木寛之氏の小説に『雨の日には車をみがいて』というのがありましたが、ジョニーさんもそんな事をすこしは意識しているのかも知れません。

 

 話しを『掃除』に戻します。

 ジョニーさんはカブ吉くんのメンテナンスを始める時、カブ吉くんの左側(ドライブチェーンカバー側)にカブ吉くんの方に向かって腰を下ろします。その手には、ほどよくオイルがしみ込んだウエスが握られています。ジョニーさんはそのウエスを使って、手始めにドライブチェーンカバーを掃除していきます。通常のメンテナンスでは、このカバーは装着されたままなので、左手でカバーを押さえながら右手で一週間の走行で溜まった汚れを掃除をしていきます。それが終わったら『スイングアーム』、『リヤサスペンション』、『リム』、『スポーク』、『ハブ』、『トルクリンク』、『マフラー』、『リヤキャリア』等の目につくところは全てウエスを使って掃除していきます。

『スポーク』1本々々にウエス当てながら磨いていると、たまに手が滑ってスポークをはじいたりします。そうすると『キンッ』などという金属音がします。そうすると、その『スポーク』が緩んでいるのかいないのかは、すぐに分かる訳です。『サスペンション』も同様です。その取付ナットを磨くために触ってやれば、『サスペンション』がきちんと取り付けられているのかいないのかが、すぐに分かります。

 勘のいい皆さまは、もうお分かりになっていると思います。そうです、『掃除』というのはオートバイにとって非常に大事な『点検』も兼ねているのです。それが、メンテナンスの基本中の基本と言われる所以です。

 ジョニーさんは、その『ほどよくオイルがしみ込んだウエス』と『先端をテーパー状に削り込んだ割りばし』を持って、手が入りにくい所も含めて『掃除・点検』をどんどんしていきます。普通ではまず手を入れないブレーキペダルの取り付け部なども、ジョニーさんは寝っ転がりながら綺麗に磨き上げていきます。こういう所を掃除していると、いやでも『ブレーキライトスイッチスプリング』や『ブレーキロッド』の取り付け具合などが目に入って来ます。そこら辺もちょこちょこっと掃除してやります。これだけで、非常に内容のあるメンテナンスになります。

 また、この『ほどよくオイルがしみ込んだウエス』というのが、とてもいい仕事をするのです。オートバイは金属部品が多いので、特にメッキ以外の所は錆防止の意味からも『乾いたウエス』より、こちらの方がいいようです。このウエスは、わざわざオイルを滲み込ませて作ったりするのではなく、ドライブチェーンに給油した際に余分なオイルを拭き取ったりしながら使っていると、段々と『ほどよくオイルがしみ込んだウエス』が完成してきます。このウエスを使って掃除をしてやると、薄く油分が残って、新車の輝きとはまた違う味がマシンに出て、とてもいい感じになります。

 

 通常のメンテナンスが終わって、掃除もほぼやり尽くした状態でジョニーさんは、カブ吉くんの脇にちょこんと座っています。メンテナンスをして綺麗になったカブ吉くんを見るともなしに見ながらボ~ッとするこの時間は、ジョニーさんの大好きで大切な時間です。でも、また何か別の所に気が付くと、ちょこちょこっと掃除をしたり、整備をしたりし始めるのです。

 

 こういうジョニーさんを見ていると、『本当にオートバイが好きなんだなぁ~』と、管理人はつくづく思います。また、この『オートバイが好きだ』という温度の高さが、50年近く昔からほとんど変わらない事に感動を覚えます。

 1971年の後半位の話しのようですが、ジョニーさんは部活を終えた帰り道で、『サッカーの雑誌でも立ち読みするか』とたまたま寄った本屋で、偶然にも一冊のオートバイ雑誌を手に取ります。その表紙をめくると、目に飛び込んできたのは、川崎重工/明石工場の真っ白い直線テストコースに置かれた一台の青いオートバイでした。

『KAWASAKI 750SS』雑誌には、そう記載されていました。

その時に感じた想いは、いまだに脈々とつづいているのだそうです。この1970年代前半に出会った『音楽』や『映画』や『本』たちは、『オートバイ』を含めてジョニーさんの太い骨格となりました。

 『KAWASAKI 750SS』を購入する事は叶いませんでしたが、一時期ジョニーさんは『500SS MACH Ⅲ』を愛車として使っていました。親友の田中さんとジョニーさんが出会ったのも、ちょうどその頃だそうです。

 

 ジョニーさんが田中さんの家に遊びに行くと、田中さんはガレージで愛車の『SUZUKI GT750B3』の手前に、こちら側に背を向けて座っているのだそうです。

そうっとジョニーさんが、その若干背を丸めた姿勢であぐらをかいて座っている田中さんに近づいて行くと、何やら呪文を唱えるような低い声が聞こえてきます。

 

『シコシコシコシコ……』田中さんは一心不乱に右手を動かしています。

 

『おぉっ、なんという事だ! この青年の身体に一体何が起こったというのだ?』

――このあぐらをかいて背を丸めた格好は? ――

ジョニーさんは、激しくうろたえます。

 

『ぅん!? 誰だ?』そう言いながら田中さんが振り返ります。

 

その右手には、クランクケースを磨くための『ほどよくオイルがしみ込んだウエス』が握られていました。

 

 そんな田中さんは『あの時にジョニーが≪MACH Ⅲ≫で俺の家に現れさえしなければ、俺の人生はもう少しまともだったような気がする』と、ジョニーさんにいつも言っています。ジョニーさんは笑ってそれを聞きながら、何も答えません。まぁ、オートバイが問題なのか人間が問題なのかはよく分かりませんが、とにかく50年近く仲の良い友人でいる事に違いはありません。

 

 すみません、少し話しが脱線しました。

 いづれにしろ、メンテナンスの全ての基本である『掃除』というものが、何となくでも感じて頂ければ幸いでございます。

 また、ご自分のマシンに愛情を持ってメンテナンスに臨めば、かならず愛機はあなたに応えてくれる事と思います。

 

 それでは、『ほどよくオイルがしみ込んだウエス』を使い、良いメンテナンスを。

 

                                   管理人

 

 

 

 

 

 

2019年8月 カブ吉くん 近況報告

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 今年の8月は、梅雨明け以降の猛暑に始まり、上旬から中旬にかけて次から次へと来襲した台風に翻弄され、下旬は活発化した秋雨前線が九州を中心に西日本地区に大きな爪痕を残しました。

 皆さまも、直接的な被害や、計画していた帰省、旅行や行楽などに大きな影響を受けたのではないかでしょうか? 何事もなければ幸いでございますが……。 

 おかげさまで、ジョニーさんとカブ吉くんには直接的な被害はありませんでした。でも、そんな天候に気を揉みながらもゴールデンウイークに上手く連休が取れなかったジョニーさんは、今年は10日(土)から18日(日)までの9連休を取る事にしていました。

 休み全部を使って走る事は考えていなかったのですが、天気の様子をみながら『ここしばらく蔵王に行ってないし、美ヶ原にも行ってないしな……、どこか少し涼しいところに行きたいなぁ』などと漠然と考えておりました。

 しかし、7日の夜に浅間山が噴火し、台風10号はお盆休みに日本列島を直撃するなど悪い事が重なり、どんどんジョニーさんの『涼しいところに出掛けたい』という気持ちは、しぼんで行ったのです。

 そんな中、休みも終わりに近づいた16日(金)に、『台風も通り過ぎたし、このままでは何もしないまま休みが終わってしまう』という危機感もあり、突然4ヶ月ぶりの『忍野うどん蕎麦買出しツーリング』を実施する事となりました。

 

 朝早くに空気圧を確認して、今にも出発しそうだったジョニーさんですが、何故かその後に、ゆっくりと朝ご飯を食べています。7月に新しい鰹節削り器を買ったので、それで削ったかつお節をあったかいご飯の上に掛ける通称『ねこまんま』に、ジョニーさんはいまハマっています。ご飯のお替りしながら『美味しい~、でも、太っちゃう~』などと、どうでもいい事を口走りながら、満面に笑みを湛えております。

 食後も、深煎り豆で抽出したアイスコーヒーに、ミルクをたっぷり入れて、美味しそうに飲んでいます。早朝は静かだった外も、今ではセミの鳴き声がにぎやかに聞こえて来るようになりました。テレビを見ながら『あっはっは』と笑っているジョニーさんは、完全に根っこが生え始めています。

 そんな状況を打ち破るかのように、きれいで怖い声が響きます。

「ジョニー、そろそろ出掛けてくれないと、みんな夜ご飯抜きになっちゃうからね」

奥様の声に反応するように、ジョニーさんは急にバタバタと動き始めます。

「おぅ、そうだな。そろそろ出発しないとな」いいところで根っこが折れました。

 

 ジョニーさんとカブ吉くんは、充分に暑さを感じる10時ちょっと前に、ようやくと出発になりました。

 二人は千川通りを下りこみ、新青梅街道経由で武蔵野市小金井市と抜けて行きます。途中、スタジオ・ジブリの前を通りながら、

『最近、宮崎さんはどうしているのかな? 昔はドラ多摩あたりで、普通に買い物してたりしたのにねぇ~』などとカブ吉くんに話しかけています。

 急にそんな事を言われたカブ吉くんは、事情をまったく知らないので本当に困ってしまいます。

『《風の谷のナウシカ》がヒットする前くらいまでは、愛車のシトロエン2CVに乗って、よく新青梅沿いの自動車用品店に来てたんだよな』ジョニーさんは懐かしそうに話しをしています。

宮崎駿さんですよね?』なんて、そうっと声を掛けると、

『えっ!?』とか言いながら、何で分かるんだみたいな顔して、絶句してたっけ。

楽しい昔の思い出だそうです。 

 

 その後は、東八道路都道14号線、東京八王子線)を使い、南大沢から橋本へと抜けて行き、道志みちで忍野を目指します。

 この道志みちには、カブ吉くんのエンジンの調子のバロメーターとなる場所があります。それは、山伏峠の手前にある2本の直線の登り坂です。4月にもここを通ったのですが、その時は先行車がいたのでちゃんとしたテストにはなりませんでした。

 今回はお盆休みの後半で、それなりの交通量が途中まではあったのですが、『道の駅どうし』を過ぎてからは、運よく前を走る方が誰もいなくなってしまったので、予想外の良いテストが出来ました。

 1本目の坂は、3速で60km/hで登坂しながらも、エンジンにまだ若干の余裕がありました。しかし、2本目の登坂ではそれが全くなくなってしまったのです。ちょっと余裕をみせて、アプローチの速度を加減したのも影響しているかも知れません。

『そうか~、やっぱり登坂力も若干落ちて来てるって事ね』

ジョニーさんはその結果を、冷静に受け取ります。

 

 カブ吉くんのエンジンの調子の変化は、現在まで大きく分けて3回あります。まず、1回目の調子の変化は、3万キロくらいで現れました。当然この距離になるまでもスムーズにエンジンは回転していたのですが、それが更にスムーズな感じで回転しているようなフィーリングに変化したのです。それは長い下り坂などをハーフスロットルで走行していると顕著に感じる事が出来ました。それまであった前後にしゃくるような動きが、一切出なくなっていたのです。このころは、この2本の坂もエンジンに余裕を残してぐんぐんと上がっていました。カブ吉くんの第一次絶好調時代の始まりです。

 しかし、それ以前の3万キロ未満の時は、実はまだ車齢が若いのも関わらず今日と同じような感じで、まだエンジンに硬さが残り、今一つ吹け切らないフィーリングが残るエンジン状態でした。トルクが痩せている感じがするといった方が、皆さまに伝わり易いでしょうか?

 2回目の調子の変化は、6万キロを超えた辺りからです。排気音が明確なパルスを持ち、より乾いた音色になりました。スムーズな回転に加えて力強さが一段と増したのもこの時期になります。ここからは、その『絶好調』が10万キロ以上続きました。実に凄い事だと思います。

 3回目の調子の変化は、下降方向への変化です。これは、20万キロ前後から感じるようになりました。主に燃費の低下やオイルの消費が目立つようになって来ました。

 

 以上のように、今までいくつかの調子の波を経過しながら現在に至っています。

そんなカブ吉くんは、今月はマフラーからの排煙が結構目立っていました。気温が高く、渋滞に巻き込まれると、やはり油温が上がるのでしょうか? そういう時に限って、信号待ちで停車中に、オイルの焼けるいい匂いがしてきます。

 しかし、交通の流れが良くなり、走行している時間が増えて停車時間が減って来ると、マフラーからの排煙はピタリとなくなります。

 オイルの点検は8月31日に実施して、150ccほど補給しました。そこまでの走行距離は、1400kmほどになります。消費率としては、今までと比較しても大きな変化はありません。

 月間燃費も、今年初めて60km/ℓを超えました。

 

『うぅ~ん、どうなんでしょう?』ジョニーさんは、長嶋茂雄さんのようになってしまいました。

 

そんなジョニーさんを見て、吉村さんが声を掛けます。

『普通にオイル管理をして、普通に乗って行きゃぁいいんだよ。地に足のついた生活の中で使われているカブは、もっと酷いコンディションのもあるんだからな。カブ吉なんて、最高に面倒見て貰ってる方だと思わないとな』

 

確かにその通りかもしれません。カブは壊れる前に事前に整備するより、壊れてから『直して乗りましょう』という使い方が自然なのかも知れません。

 

残暑が厳しそうですが、9月も淡々と乗って行きましょう!

 

皆さまも、引き続き暑さ対策を忘れずにオートバイをお楽しみください。

 

                                    管理人

 

 2019年8月末日現在 全走行距離 229,330km

(8月走行距離 1,857km  燃費 60.99km/ℓ)

月まであと、155,070km

 

 

 

 

 

 

 

カブ吉くんの『東京ちょっと散歩』(第1回 東京タワー)

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 毎日とんでもない暑さが続いておりますが、皆さまお元気でしょうか? 

 こちらの耐久チャレンジのコンビの内、カブ吉くんはあまり問題がなさそうですが、人間のジョニーさんの方は、もう完全にグロッキー状態になっております。

『とてもじゃないが、日中は走る気にならん』などと言って、ジョニーさんは部屋から出て来ません。

 先日も、整備用のツナギを着こんでカブ吉くんのメンテナンスをした後、シャワーを浴びてさっぱりして出掛けるのかと思っていたら、そのまま冷房の効いた部屋に入ったきり、ジョニーさんは二度と姿を現すことはありませんでした。

 

 そんな猛烈な暑さが毎日続いているので、ここのところジョニーさんとカブ吉くんの走る時間帯も、今までとは大きく変わって来ているようです。

 昔のジョニーさんは、グレッグ・オールマンの『ミッドナイト・ライダー』などを口ずさみながら、交通量がぐっと減る夜の遅い時間帯に、カブ吉くんと一緒にふらりと街を流したりする『夜走り』が大好きな人間でした。

 しかし、近頃のジョニーさんは、どうした訳かとても良い子で夜10時くらいになるとすぐに眠くなってしまうのです。今年になって、仕事の都合でずっと朝5時起床という状況が続いていた事が理由なのかは分かりませんが、本当に夜遅くまで起きているという事が出来なくなりました。そんな理由もあってか、最近は『ミッドナイト』と呼ばれるような時間帯に走る事は、めっきり減ってしまったのです。

 ジョニーさん的には、『ミッドナイト』というオートバイに似合う時間帯に、颯爽と決めたいという思いはあるのですが、いかんせん眠気には勝てません。

 まぁ、あまり管理人も触れたくないのですが、きっとこれは世間で言うところの、『高齢者の早寝早起き』というやつなのかもしれません。

 しかし、ジョニーさんはここでこう考えたのです。

『遅くまで起きていられない反面、逆に朝が早く目覚めてしまう事が増えている。それだったら、その時間をカブ吉との走りの時間に充てよう。それに早朝ならまだ気温も上がっていないから、気持ちよく走れるかもしれないからな……』

 確かにそうです。言われてみればカブ吉くんには、『ミッドナイト』より『早朝』の方が良く似合う気が管理人も致します。

 

 そんな理由もあり、8月に入ってからの走行時間帯は『早朝走り』となりました。不思議なもので、その『早朝走り』も、いつものルートでいつもの場所に行っているのですが、走る時間帯が変わると、やっぱり気分も変わるのでしょうか?

『帰り道は、たまには違う道で帰ってみようかな~』などと、ジョニーさんが突然言い出しました。

 ジョニーさんとカブ吉くんは、いつもの環七(内回り)から臨海トンネル、レインボーブリッジ経由で、大好きな港区海岸3丁目にいます。

 さぁ、今日はどんなルートで帰るのでしょうか? それでは、お楽しみください。

 

 『カブ吉~、ぼちぼち6時になるから帰るとするか』

ジョニーさんはカブ吉くんに声を掛け、キックでエンジンを始動しました。

いつもなら、来た道を戻って今一度レインボーブリッジを渡って帰るのですが、今日は帰りのルートを変更するようです。

 ジョニーさんとカブ吉くんは、『海岸通り』を突っ切り港栄橋を渡って行きます。そして、夕凪橋を渡った後『旧海岸通り』の交差点は曲がらずに、更に直進して行きます。すると、道は一時停止の標識のある突き当りとなります。早朝ではありますが、左右の安全をしっかり確認した後、その交差点を二人は右折していきます。道はその先で、今一度藻塩橋のたもとに突き当たります。そこを左折して田町グランパークタワーを右手に見て札ノ辻橋を渡って行くと、ちょうど右にカーブしながらやや下り掛けたところで、正面に巨大な『東京タワー』の姿を見る事が出来ます。今は早朝なのでそれ程のインパクトを感じませんが、夜間にこの橋の上で見るライトアップされた『東京タワー』は、実は息をのむほどの美しさなのです。何故、息をのむほどなのかと言うと、札の辻橋を芝浦方面から上り始めた時は全くその姿を見る事が出来ないのですが、上り切って右にリーンした瞬間に目の前に突然にその姿を現すのです。この劇的な登場の仕方が実に素晴らしいのです。

 坂を下り札の辻の交差点を直進して行くと、左手に慶應義塾三田キャンパスが見えて来ます。そして、『慶大東門前』の信号の辺りまで来ると、『東京タワー』の姿は見上げるようにさらに大きく見えるようになってきます。今、通過して来た『札の辻交差点』とこの先の『赤羽橋交差点』の直線区間は、東京の中でも珍しい『東京タワー』を正面に見ながら走る事が出来る数少ない道路なのです。

 皆さまもご存じのとおり、この『東京タワー』も『スーパーカブ』と同じ1958年生まれです。それ以外に『チキンラーメン』も、同じ年に生まれています。また、一万円札が登場したのもこの年の12月です。こうやってみてみると、60年以上もの間、あまり大きく形を変えずいる物が、結構この年に生まれている事がわかります。まぁ、『東京タワー』の形が大きく変わったら困ってしまいますが……。とは言いながら、2011年3月の『東日本大震災』の揺れで、タワー先端部の地上アナログ放送用アンテナが曲がる被害があったのです。ジョニーさんは、地震の後にタワー最上部のアンテナが微妙に曲がっているのを実際に見て、何とも言えない気持ちになったそうです。

『やっぱり東京のシンボルだからね……、本当にすごい地震だったって事なんだよね……』ジョニーさんの複雑な心境が伝わってきます。

 また、ジョニーさんは高所恐怖症なので、その曲がったアンテナを技術者の方々が修理する事を想像しただけで、お尻がムズムズしていたそうです。

 

 東京に住んでいる人達は、『東京タワー』にあまり行かないという噂がありますが、実際はどうなのでしょうか? バイクは、5時間まで300円で駐輪出来るそうです。また、土曜日、日曜日、祝日にはメインデッキ(150m)まで階段で登る事も出来ます。600段の階段だそうですが……。外気温の高い日には、熱中症予防の意味から階段開放中止という事もあるようなので、ご注意をお願い致します。

 

 お尻のムズムズされない方は、たまには行かれてみたらどうでしょう? 結構、面白いみたいですよ。

                                    管理人

 

ちなみに9月13日(金)の17時以降に、『お月見階段ウォーク』というイベントがあるようです。この日は『中秋の名月』ですので、平日ですが夜の外階段特別開放をするのだそうです。お金はしっかりとられるみたいです。