スーパーカブ 耐久チャレンジ

JA07型スーパーカブの耐久性を検証するブログです。

カブ吉くん 月まで走れ!

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 20万キロ通過! 次なる目標は30万キロ!

★2022年9月19日 30万キロを通過しました。

★2025年8月28日 35万キロを通過しました。

 

 このブログは、伝説にもなっている『スーパーカブの耐久性』に関して、「でも、本当のところはどうなんだろう?」という素朴な疑問に答えるべく、実際に検証チャレンジをしているものです。

 

 本来ならば、『スーパーカブ』の原点である50ccや70ccモデルを使う事が正統なのかもしれませんが、今回このチャレンジに使用しているマシンは、2007年で製造が中止されてしまった『スーパーカブ90』の後継モデルである、2010年式JA07型スーパーカブ110です。

 

 このマシンは純日本製だった今までの『スーパーカブ』とは違って、タイで製造されたエンジン部品等を使って、ホンダ熊本工場で組み上げられたものです。

 外装も樹脂部品が多用されており、昔からスーパーカブに乗り続けている人々からは、「今度のカブは、一体どのくらい走れるんだろう? 外装部品の寿命は『鉄カブ』と比べたら、きっと短いんだろうな~」などという辛口の意見も数多く聞かれ、その車体寿命に関しては販売当初からかなり心配をされていた車種でございます。

 しかし、そのJA07型スーパーカブは、走り始めてから4年目の2014年8月に10万キロを走破。そして約8年経過した2018年6月には、大きく調子を落とすこともなく無事20万キロを通過致しました。

  当然、それまでにエンジンのオーバーホール等の大きな整備(※1)は一切なく、クラッチ関係についても、現在まで調整は一度も行われておりません。

 エンジンオイルは、推奨純正オイルのウルトラG1(鉱物油10W-30)及びウルトラG2(部分化学合成油10W-40)の二種類のみを使用し、季節及び使用状況等に応じて使い分けています。

――2019年3月以降は、エンジンにオイル下がりの症状が出て来た為、ウルトラG2(部分化学合成油10W-40)のみを使用しています――

 

 オイル交換に関しては、メーカー指示は3,000キロ毎ですが、乗り手が比較的高回転を多用する使用状況を考慮して、これだけは2,000キロ毎で実施しています。

 ドライブチェーン及び前後スプロケットも、定期的な給油は行っていますが、新車装着の物をそのまま使用しております。

――2020年2月に実施した『24万キロ整備』にて、ドライブチェーン及び前後スプロケットが初めての交換となりました――

 

 それ以外の交換部品類も、原則的にはメーカー等の指示に従って交換するような使用方法で現在に至っています。

 

 2014年に二輪自動車では初となる立体商標に登録され、2017年には世界累計生産台数が1億台を突破。そして2018年はスーパーカブ発売から60周年となり、この『スーパーカブ』という世界中で走り続けるマシンに、今後も更に多くの方々が興味をお持ちになるのではないかと思います。

 現在スーパーカブに乗られている方々はもちろんの事、これから『ちょっと乗ってみようかな』と考えている方々も含めて、少しでも皆様のお役に立てればと考えてこのブログを立ち上げました。

 しかし『耐久チャレンジ』や『月まで走れ!』などというタイトルを付けてブログを始めたものの、5万キロくらいで壊れてしまってはどうしようもありません。

 最低でも月まで半分強の距離である20万キロを越える事が出来たらという理由から、このタイミングでのブログ開設となりました。

 

 このブログの次の当面の目標は30万キロとなりますが、サブタイトルにもある通り、地球から月までの距離である38万4千4百キロを一応の最終目標に設定してチャレンジを続けて参ります。

 今後はJA07型スーパーカブの使用状況が分かる走行データやメンテナンス記事、近況報告やセミドキュメンタリー形式の小説などを随時掲載していく予定です。

  そして、その小説の中に登場する『カブ吉くん』の描写部分は、ノンフィクションとなります。実際に、『カブ吉くん』がどのように乗られてきたのかが、分かるように書いています。

 それらをお読み頂き、少しでも皆様のお役に立てるところがあるならば、とても嬉しく思います。

 また、『カブ吉くん』の走行シーンや走行データ以外の部分については、『読み物』としても楽しんで頂けたらという思いから、若干の脚色が含まれている事をご了承いただければと思います。

 

それでは、どうぞ宜しくお願い致します。                    

                                    

                                   管理人

 

(※1)

2019年3月から発生していたマフラーからの排煙と、エンジンオイルの消費量増加に対する根本的なメンテナンスとして、2022年1月(その時点での走行距離28万4千キロ)に初めてシリンダー、ピストン、ピストンリング等が交換されました。

 

 

2026年8月 カブ吉くん 近況報告

 皆さんこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 7月20日の梅雨明け以降、8月の上旬まではジョニーさんとカブ吉くんの居る東京では夏らしい暑さが続いていました。しかし、中旬以降は雨の降る日が多くなり、特にお盆休みの13日から14日にかけて関東地方を直撃した集中豪雨では、千葉県を中心に線状降水帯が発生し、千葉市では14日朝6時までの24時間降水量が、平年の8月の一ヶ月平均の3倍となる367mmを記録するという大変な事態となってしまいました。そして、その結果、死者13名を含む50名以上の人的被害や、家屋の倒壊や床上浸水等、多くの被害が発生してしまったのです。

 また、8月の下旬には、日本ではありませんが、ネパールと中国の国境付近で発生した大規模な鉄砲水と土石流により、なんと死者1300名以上、行方不明者は4800名以上というとんでもない災害が発生してしまいます(死者・行方不明者数は、9月3日時点の情報になります)。

 こちらの土石流災害に関して、現時点では直接的な原因を含めて被害の詳細等はまだ明らかになってはいませんが、いずれの災害も昨今言われ続けている『温室効果ガス増加による地球温暖化』が遠因にある事は間違いがないような気がいたします。

 

 日本の排出する『温室効果ガス(大部分を二酸化炭素が占める)』は年間9億9400万トンで、世界第5位の排出量となっています。ちなみに、第1位は中国の112億トン、第2位はアメリカで475億トン、第3位インド296億トン、第4位はロシアで164億トンという順番になっています。

 そして、この温室効果ガスの大部分を占める二酸化炭素の排出源は、皆さんもよくご存じの通り化石燃料を燃やす事で発生します。人が普通に生活していく為に必要な電気の発電や、人々が生活に必要な品物を製造する工場で使用する石炭やガス、その品物と人々を輸送する車両の燃料、人々が仕事や余暇を過ごす建物でのエネルギーの使用等、化石燃料の恩恵を受けているという意味では、全ての人間が関わっている事が分かります。

 第1位の中国の排出量と比較すれば、『日本の排出量は11分の1以下なので大丈夫』などと考えて、変に安心していてはいけません。中国の人口は、約14億人もいるのですから……。

 

 ジョニーさんの個人的な話しになりますが、若かりし頃は趣味や競技で二輪車・四輪車を乗り回し、仕事をするようになってからはⅤ型8気筒16000cc、310馬力、燃費約4km/ℓ という大型トラックに乗って、東京から秋田(経由地は群馬県の高崎と新潟県の村上です)のあいだを、夏も冬も関係なく定期便として1年中行ったり来たりしていたそうです。

 その当時は、関越自動車道も練馬から東松山までの区間しか開通しておらず、ジョニーさん達は至極当たり前に国道17号で三国峠を越えて石打に降り、長岡から8号、そして新潟からは7号という具合にほとんどが下道での移動で、秋田市の追分の交差点の先にあった工場までを往復していました。その頃の一年間の走行距離は、多い時だと大体15万キロくらいを走っていたと言っていました。

 排ガス規制も今ほど厳しくない時代だったので、ジョニーさんが仕事で乗っていた大型トラックの事だけ考えても、現在とは比較にならないくらいの『温室効果ガス(ディーゼル車では窒素酸化物や粒子状物質等も含まれています)』を排出していたのは間違いありません。

 しかし現在のジョニーさんは、日常の移動の相棒にカブ吉くんという平成17年度二輪車・新排出ガス規制(当時、日本のこの規制は世界で一番厳しい二輪車の排ガス規制と言われていました)対応車両を選んでいます。排気量はその当時乗っていた大型トラックの145分の1になり、平均燃費は15倍改善した約60km/ℓ です。

  地球環境に与える悪い影響を全く無くせた訳ではありませんが、昔に比べればほんの少しではありますが、地球に対する負のインパクトを減らせたのではないかとジョニーさんは思っているようです。

 いずれにしても、18世紀半ばに起こった産業革命以降、当初は石炭エネルギー、そして石油エネルギーへと形を変えながら人々の生活を劇的に向上させてきた化石燃料の使用ですが、1960年頃を境に地球環境に対するその弊害が大きく取り上げられるようになって来ました。

 そして、その当時から60年以上経過した現在は、その化石燃料の行き過ぎた使用になかなか歯止めが掛からず、地球規模の気候変動が観測されるようになり、それを起因とした気象災害が頻繁に発生するようになりました。

 熱波や干ばつ、山火事、海面上昇、巨大台風の発生、それから冒頭に書かせて頂いた豪雨や洪水という具合に、昔は人々の暮らしを豊かにしてくれていたものが、今は人々の命を脅かす存在に変わってしまったのです。

 とは言うものの、ここに来て『化石燃料の使用を一気にやめましょう!』というのは到底無理なお話しです。大好きなオートバイにも乗れなくなってしまいます。しかしながら、何もしないというのもダメです。

 管理人がジョニーさんに聞いてみると、こんな答えが返って来ました。

 

「こまめに節電をして、今ある物を大切に長く使い、質素に暮らす事かな」

 

 とても分かり易く、管理人は実に良い回答だと思います。

皆さんもこの機会にどうかいろいろ考えて頂けると嬉しく思います。地球環境を守るために私たちに残されている時間は、それほど多くはないような気が致しますので……。

 

 さあ、それでは皆さんもお待ちかね(?)のカブ吉くんの近況報告に参りましょう。

 

 7月下旬に実施した『37万キロ整備(1万キロ整備)』で、それまであまり話題になっていなかったドライブチェーンと前後スプロケットが突然交換された件は、前回の報告でお伝えしました。今回はその理由が判明しましたので、そのお話しからです。

 

 皆さんもたぶんそうではないかと思うのですが、オートバイが好きで日常的にもよく乗られている方は、ご自分のマシンの調子を見るための、決まった『ちょい乗りコース』というのをお持ちになっているのではないかと思います。

 過去に何度かお話しをした事がありますが、やはりカブ吉くんにもそういう場所があるのです。

 『カブ吉くん 月まで走れ 小説-2』の中でも書かれていますが、カブ吉くんのエンジンの調子を見るバロメーターとされている相模原から山中湖に向かって行く国道413号線(道志みち)の山伏トンネル手前の二つの直線坂路や、ジョニーさんが頻繁に実施している『夜間パトロール』で走る『東京ゲートブリッジ』の上り坂などがそれに該当します。

 今年の近況報告の中では敢えて触れていませんでしたが、実はジョニーさんとカブ吉くんは4月と5月に一回ずつ山伏トンネル手前の直線坂路を、いつもの忍野に買出しに行く為に走っています。そして、その買出しから帰って来る度にジョニーさんは『なんか二本目の坂がうまく上がっていかないんだよな……』と言って、吉村さんに愚痴をこぼしていたのです。ただ、ジョニーさん自身もその原因が何なのかは、その時点でははっきりと分かっていませんでした。

 そうこうしているうちに、今度はいつも行っている『夜間パトロール』の東京ゲートブリッジを上っている時のカブ吉くんに微妙な変化が出始めます。

 ジョニーさんがこの橋を上って行く時は、カブ吉くんのギヤは4速で、スピードメーターの針を大体60km/h+α(国道357号線の湾岸線やこの橋の区間は法定速度で走行出来ます)の位置に合わせて上って行くのがいつもの走り方でした。そして、今までのカブ吉くんであれば、そんなに強く風が吹いていない限りはスロットルにはまだ幾分かの余裕を残している状態で、その状態からでもスロットルを少し開けてやれば、カブ吉くんは普通にスルスルとスピードを上げて行くだけの余力を残していました。

 それが、どうした事か、ここのところその橋を上って行く時に、上るスピードはそれほど変わらないのですが、知らない間にスロットルの開度には余裕がなくなっていたのです。ジョニーさん自身も最初それに気付いておらず、たまたま向かい風が少し強く吹いていてカブ吉くんのスピードが落ちたので、再加速をしようとスロットルを捻る右手に力を入れてみたら、既にスロットルは全開だったという訳でございます。

 ジョニーさんとカブ吉くんは、この『東京ゲートブリッジ』が2012年に開通してから幾度となくここを走っていますが、本当に向かい風で強風が吹いている時はダメですが、多少の風が吹いているのはこの橋では当たり前の事です。そして、そのような状態では今まではこのようなスロットルに余裕がなくなるような事は一度もなかったのです。

 ジョニーさんは悩みました。山伏トンネルの手前の坂の件もそうですが、『東京ゲートブリッジ』を4速でスイスイ上って行けるという事も、カブ吉くんのエンジンの調子を見るバロメーターと考えていたのですからそれは当然です。

 37万キロまで走ったところで、カブ吉くんのエンジンはとうとう持っていた性能を100パーセント発揮する事が出来なくなってしまったのでしょうか? ジョニーさんは再び考えます。

 

「シリンダーとピストン関係を変えたのが28万4千キロの時だろ……。まだ、8万6千しか走ってないんだもんな……。変な音も出てないし、燃費も悪くないし、平地なら何も気にならない感じで走るしな……。絶対エンジンじゃないと思うな……」

 

自分自身でそのような結論を出したジョニーさんは、吉村さんに今一度相談をしてみました。すると、吉村さんは次のような話しをしてくれたそうです。

 

「カブ吉の、そういう微妙に力が落ちてる感じなんちゅうものは、乗り役じゃないとわかんねえからな……。でも、乗り役のジョニーがそう感じるんだったら、たぶん本当にそうなんだと思うぞ……。あと、怪しいのはやっぱり駆動系かな……、ここんとこカブ吉のチェーンとかスプロケットって、てんでバラバラに変わってるんじゃなかったっけか? エンジン云々より、まず俺はそっちの方が先のような気がするな」

 

 さて、いかがだったでしょうか? カブ吉くんのドライブチェーンと前後スプロケットが37万キロ整備のタイミングで交換された理由というのは、こういう事だったのかと理解して頂けるのではないかと思います。

 ちなみに、駆動系の重要部品が新品になったカブ吉くんは、ジョニーさんによると『東京ゲートブリッジ』の上り坂も以前のように4速でグイグイと上り、スロットルにもちゃんと余裕が戻ったと報告が来ています。具体的な要因というのは判然としないところもありますが、ジョニーさんと吉村さんの話しでは、『多分、13万キロを使ったドリブンスプロケットが一番怪しいかな~。でも、どっちにしろチェーンもスプロケットももう少し短めに交換してやらないとダメよね~』という、至極当たり前のお話しでございました。

 走行距離に関しては、8月の中旬以降ジョニーさんの右の二の腕に痛みが出てしまい、あまりカブ吉くんに乗れなくなってしまったので1400km弱とちょっと少なくなってしまいましたが、燃費の方はまあまあの好燃費をマークしています。

 そして、ドライブチェーンへの給油は3回実施されており、2回目の給油の時は交換後1000kmの張り調整も同時に行われています。張り調整に関しては、少なくともあと2回は間違いなく実施するようになると思いますが、今回はドライブチェーン自体が強化型から純正指定品に戻っているので、その辺りも興味深いレポートになるのではないかと思われます。

 

 いずれにしろ、今回の件で教訓となるのは『決まったちょい乗りコースがあるのは、とても大事な事です』という話しにに落ち着くのではないでしょうか? 出来れば、坂があったり、凸凹があったり、コーナーがちょっと続いたりするようなコースであれば最高かもしれません。

 今回のカブ吉くんのちょっとした不調も、マシンの調子を見るバロメーターとなるコースがあったおかげで見つかったと言えるかも知れないのですから……。

 

 皆さんもお気に入りの『ちょい乗りコース』を走りながら、愛機の声に耳を傾けてみるというのはいかがでしょうか? きっと、それは素敵な時間になると思います。

                                    

                                    管理人

 

2026年8月末現在 全走行距離 372,303km

(8月走行距離 1,381km 月間平均燃費 65.05km/ℓ )

月まであと 12,097km

 

2026年6・7月 カブ吉くん 近況報告

令和8年8月熊本地震により被災された皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。

7月28日16時27分、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1(暫定値)の地震が発生し、熊本県宇城市、氷川町では最大震度7を観測。それ以外でも、熊本県熊本市、八代市、宇土市、美里町、益城町、嘉島町で震度6強を観測するなど、熊本県を中心とする各地に大きな被害をもたらしました。

2016年熊本地震から10年、昨年8月の九州豪雨から約1年、被災された皆さまの心中を察すると言葉もございません。

当ブログ関係者一同、この地震により被災された方々の日常生活が、1日でも早く戻る事を心よりお祈りしております。

 

 

 皆さんこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 今月は6月と7月をまとめた2ヶ月分の報告となります。それでは始めましょう。

 

 この二月(ふたつき)の間も、ジョニーさんとカブ吉くんは相変わらず夜間パトロールにせっせと出動しておりました。

 ちょうどタイミングの良い事に、FIFAワールドカップ2026が6月11日から7月19日(日本時間ではそれぞれ1日ずれます)までの39日間の日程で開催されていたので、ジョニーさんは今年の二月に開催されていたミラノ・コルティナ2026の時と同様に、夜間パトロールから帰って来てはテレビの前に座り込むという生活を続けていたそうです。

 そんな訳で、完全に夜型の生活になってしまったジョニーさんですが、決勝戦の2日後にカブ吉くんのオイルとプラグ交換に立ち寄った吉村さんのお店では、寝不足をぼやきながらも今回のワールドカップの感想を二人で楽しそうに話していました。

 

「まず最初に、6月11日の開幕戦のメキシコ対南アフリカ共和国の試合が、アステカ・スタジアム(開催中の名称は、エスタディオ・シウダ・デ・メヒコ)だったっていうのがちょっと感動的だったな……」

 

「さすがにジョニーだな。伊達に50年以上もワールドカップを見てる訳じゃねえのがよく分かるな」

 

「そりゃあそうだよ。70年のペレがいたブラジルがイタリアを破ってジュール・リメ杯を永久保持した場所だし、その2年前のメキシコ・オリンピックでは、三位決定戦で釜本の二発で開催国のメキシコを破って銅メダルを取った場所だからね」

 

「本当にそうだよな~、昔からずっと見ているファン達は、やっぱりジョニーみたいに感動してたかもしれねえな~」

 

吉村さんとジョニーさんのサッカー談議は、この後も延々と続くのですが、カブ吉くんの近況報告とは全く関係がないのでこれ以上は書きません。

 ワールドカップ2026については、皆さまの方がよくご存じだと思いますが、レッドカードに関するルール上(レッドカードを受けた後の試合出場の可否。原則は次の試合は出場出来ない)の問題や、審判から見えない所での反則行為、大会全体から感じる商業主義等々、様々な問題を提起する事になった大会ではなかったかと思います。

最終的にはスペインがアルゼンチンを1対0で下し大会は終了しましたが、試合内容は点差以上にスペインサッカーの緻密なパスワークや卓越した個人技が見られ、メッシのいるアルゼンチンと比較しても、プレーの素晴らしさが際立つものとなりました。

 この世界中で愛されるスポーツは、次の四年後の大会では一体どのような景色を見せてくれるのでしょうか? サッカーの面白さや創造性が際立つ大会になる事を期待して待ちたいと思います。

 

 さて、カブ吉くんの話しに戻りましょう。

 

 6月から7月というのは、ジョニーさんとカブ吉くんのいる関東地方では梅雨の真っ盛りの時期となります。特に今年は6月7日の梅雨入りから7月20日の梅雨明けまでの34日間のうち、24日間が雨という実に梅雨らしい梅雨でございました。

 また、ここのところのお約束で、梅雨が明けると突然猛暑が始まるというパターンなので、ジョニーさんとカブ吉くんにとっては、現在一年で一番走る事が難しい時期でもあります。それに加えて、ジョニーさんが去年からこの時期の楽しみとして始めた五日市の『蛍狩り』も、ビビリのジョニーさんはクマに遭いたくないので、今年は早々に中止宣言を出しておりました。

 しかし、そんな状況の中ではございますが、どうした事かジョニーさんは6月に1,924km、そして7月には同月としては5年ぶりの2千キロ超えとなる2,279kmの距離を走ってくれました。それぞれ数日は途中で雨に降られて、カッパを着ながらの走行もあったようですが、それはそれでジョニーさんにとっては久しぶりの事で、逆に楽しみながらのライディングとなったようです。

 昨年の11月くらいからコンスタントに夜間パトロールに出掛けるようになったジョニーさんとカブ吉くんの走りは、今年7月末時点では昔のように年間2万4千キロペースに戻っています。

 このように走る距離が増えて来ると、当然日常メンテナンス等の頻度も多くなって来ます。この二月(ふたつき)のあいだでも、エンジンオイルの交換が2回とドライブチェーンへの給油を主にした日常メンテナンスが6回実施されています。

 その中でも、7月28日に37万キロを超えたタイミングで実施された通称『1万キロ整備(37万キロ整備)』の中で、突然ですがドライブチェーン、ドライブスプロケット、ドリブンスプロケット、リヤブレーキシューが交換となりました。ちなみに、『36万キロ整備』はジョニーさんが華麗にスルーしたのでやっていません。

 この整備は、ジョニーさんが事前に吉村さんのお店に部品を発注して、ジョニーさんの家で自家整備として実施されています。

 リヤブレーキシューに関しては、4月の前後タイヤ交換のタイミングで発注ミスにより交換が出来なかったので、今回の交換は理由が分かるのですが、それ以外の駆動系の部品に関しては、事前にあまり情報もなかったので、何故このタイミングで交換になったのかは実のところよく分からないのです。

 また、前後のスプロケットはいつものように前14T、後34Tの純正部品が使われています。しかし、ドライブチェーンは24万キロ、30万キロの交換でここのところ使われていた、『DID420DS』という強化タイプではなく、純正品の『DID420D』に戻っているのです。

 恐らくジョニーさんと吉村さんのあいだではこの件に関しての打ち合わせがされていたはずなので、来月の報告ではその辺りの詳しい事情の説明が出来るのではないかと思います。どうか楽しみにお待ちくださいませ。

 ひとまず分かる範囲の情報として、各部品の交換に至るまでの使用距離をお伝えしておきます。まず、ドライブスプロケットですが、前回32万3千キロで交換されているので、使用距離は約4万7千キロになります。次にドリブンスプロケットは、24万キロで交換したまま37万キロまで使われていたので、使用距離は13万キロとなります。そして、最後にドライブチェーンですが、これは30万キロからの『燃費検証』に入るためにそのタイミングで交換されているので、調度7万キロを使用した事になります。

 今までのカブ吉くんの駆動系部品の使用距離を考えてみると、そんなにひどい状態になっている部品はないような気がするのですが、強いて挙げるとすれば、13万キロ使用しているドリブンスプロケットが一番消耗しているような気はいたします。

 しかし、そのような状況でも、カブ吉くんの調子自体に大きな陰りのようなものはありません。実際に、カブ吉くんが7月に記録した月間平均燃費64.31km/ℓ は、2010年7月から現在まで記録されている7月の最高燃費となります。

 それまでの最高記録は、ジョニーさんがまだ仕事も現役で走りまわっていた2021年7月の64.16km/ℓ でした。

 そして、今回の記録はその2021年の記録を大幅に更新している訳でもありませんし、走行条件も同様ではないという事を考えると、それ程大きく取り上げる必要もないという気もするのですが、それでも、このような好燃費を現時点でも記録する事が出来るカブ吉くんを『好調ではない』という具合に考える事自体が、非常に無理な事のように思われます。

 それでは、一体何故このタイミングで駆動系の部品が交換されたのでしょうか?

すみません……。また、最初の疑問に戻ってしまいました。

 いずれにしろ、8月の報告の中では詳細がお伝え出来ると考えていますので、楽しみにお待ち頂ければと思います。

 

 オートバイ乗りにとっては大変に厳しい季節となりました。どなた様も水分とミネラル補給を充分にして頂き、気を付けてオートバイをお楽しみ下さい。

 

                                    管理人

 

2026年7月末現在 全走行距離 370,922km

(6月走行距離 1,924km 月間平均燃費 62.79km/ℓ )

(7月走行距離 2,279km 月間平均燃費 64.31km/ℓ )

月まであと 13,478km

 

2026年5月 カブ吉くん 近況報告

【 メインスタンド分解メンテナンス 】

【 スタッドボルト ヘリサート加工 】

 

 皆さんこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 5月の大型連休も終わった7日の日に、ジョニーさんはカブ吉くんのスパークプラグ交換の為に吉村さんのお店を訪れていました。

 

「ジョニー、それで5月の連休は結局何日仕事したんだ?」吉村さんが尋ねます。

 

「それがさあ、もっとあるかと思ってたんだけど、2日に丸の内で一日あっただけで、それ以外は全部休みになっちゃったんだよな~」ジョニーさんは少し不満げに返事をしています。

 

 現役時代は5月の大型連休を利用して、仕事の調整がうまくついた時にはロングツーリングを楽しんでいたジョニーさんですが、退職してからは『もう今は、何も無理して混む時期に走らなくてもいいんだよ。走るのは連休が終わってからさ』と言いながら、アルバイトがある時は現在はそちらを優先するようになっています。

 

「そうか……、でも一日だけじゃ小遣いもあんまり増えなかったなあ」

 

「本当だよ……、去年の連休は何だかんだ言っても3日くらいはあったからね……。これじゃ、今日のプラグ代も払えないかもしれないな……」

 

いつものジョニーさんと吉村さんの会話が続いていますが、前回の交換から約5千キロを走行しているカブ吉くんのスパークプラグは、その後きちんと交換されているのでご安心ください。但し、料金がきちんと支払われているかは分かりませんが……。

 

 吉村さんが他のお客さんの対応をしている間、ジョニーさんは何の気なしにカブ吉くんの交換されたプラグ周りを見ています。そして、ちょっとした異変に気付きます。

 

「あれ!? この前ちゃんと締めたはずなのに、スタッドボルトのフランジナット緩んでるじゃん……。何で?」

 

 確かにようく見てみると、マフラーのエキゾースト部分をシリンダーヘッドに固定しているフランジナット(正式にはエキゾーストパイプジョイントナットと言います)の締付面(座面)に微妙に隙間が出来ています。

 

 ジョニーさんは、カブ吉くんのビジネスボックスの中にある車載工具袋から12mmのスパナを取り出して、軽く締め直してみます。

 車体に対して左側のナットはすぐに手応えがある状態で締める事が出来たのですが、右側のナットは締め込んでいっても一向に手応えが出て来ない怪しい感じです。

 そこへ接客を終えた吉村さんが戻って来ます。ジョニーさんはすかさず吉村さんにスパナを手渡しながら、

 

「なんか変……、ちょっと締めてみて……」と、吉村さんに声を掛けます。

 

 吉村さんは慎重にフランジナットを締め始めましたが、その顔がすぐに曇ります。そして、吉村さんは一度フランジナットを緩めて外し、スタッドボルト単体をシリンダーヘッドから取外しに掛かります。

 吉村さんは、予想外に簡単に外れたスタッドボルトを手に載せながら、そのネジ部分のピッチの間に残る薄い金属片をつまんで、ジョニーさんの手のひらにそれをそっと載せます。

 怪訝な顔をしているジョニーさんの手のひらに、吉村さんはピックアップツールの磁石部分を近づけていきます。

 

「……、くっつかない……。っていう事は、アルミだ……」ジョニーさんが呟きます。

 

そうです。スタッドボルトを埋め込んでいるシリンダーヘッド側の雌ねじの山がダメになって、その破片が出て来たのです。 

 

 カブ吉くんのこのダメになったスタッドボルトは、2015年10月に動きの悪くなったメインスタンドを分解整備しようとしていたジョニーさんが、マフラーを取り外す為に固着していたフランジナットを緩めようとして折損してしまい、その時に一度修理交換をしているスタッドボルトです。

 その後も、いつの時期からなのかはっきりとしないのですが、再びフランジナットが固着し、ジョニーさんは頻繁にCRC5ー56等を吹き付けたりしていたのですが改善はせず、一時期からは固着したフランジナットとスタッドボルトが一緒に共回りをするようになっていました。

 それが正常な事ではないのは充分に分かっているのですが、マフラーを脱着しなければならないような作業頻度はそれほど多くはないので、ついついそのままになってしまっていたのです。

 しかし、それが不思議な事に、先月最終の日常メンテナンスを実施している際に、ジョニーさんがいつものようにCRCを吹き付けた後、12mmのメガネレンチを掛けて軽く緩めてみると、なんとフランジナットがすんなりと緩むではないですか! 

 もう、ジョニーさんは大喜びです。『これで、ここの所また動きが悪くなって来ているメインスタンドの分解整備がやっと出来るな~』などと言いながら、その為に随分前からストックしていた新品のピボットシャフトなどの部品達を引っ張り出す事をウキウキしながら考えていたのです。

 それが、まさかまさかこんな事になろうとは……。ジョニーさんは目の前が真っ暗になっておりました。

 

「まあ、ジョニーそんなに落ち込むな……。ちゃんと手はあるから……」吉村さんが優しく声を掛けます。

 

「でも、カブ吉のスタッドボルトって一度修理してるし、またヘッド外さなきゃなんないじゃん……」

 

「ヘリサートすれば大丈夫だから心配するな。ただ、今うちにはM8のヘリサートキットはないから、ジョニー自分でネットで探して、値段はバラバラだけどM8のヘリサートキットとかリコイルキットっていうのが一杯あるから、ピッチ1.25のやつで、タップはパイロットタップじゃないやつを選んで買って持ってこい。止まり穴だからパイロットタップは使えないからな。安いやつで十分使えるって言ってたから、そんなんでいいだろう……、手伝ってやるから心配するな」吉村さんがいろいろと要点を教えてくれます。

 

その後、ジョニーさんと吉村さんはお店のパソコンで修理動画を確認したり、売っているキットを選んだりしながら、カブ吉くんのスタッドボルト修理の日程を調整します。

 そして、キットを頼んでから来るまでに時間も少し掛かるので、修理をするタイミングはお店の混まない週明け11日、月曜日の午前中に決定します。

 

 家に戻ったジョニーさんは、マフラーがいつでも外せるこのタイミングで、メインスタンドの分解メンテナンスを先にやってしまおうと考えて、それに使用する部品のチエックとその手順や作戦を考える事にします。

 カブ吉くんのサイドスタンドは現在強化型のものが装着されていますが、その取付は純正サイドスタンドが固定されていたステップバーの穴と、スイングアームピボットボルトを利用した2箇所締めとなっています。

 通常はこのスイングアームピボットボルトは、車体左側からマフラーが固定されている右側に向けて差し込まれているのですが、カブ吉くん場合、ドライブスプロケットカバーを外したりするメンテナンス頻度が割と多いので、このスイングアームピボットボルトがマフラー側からの逆差しに変更されています。

 理由は、強化サイドスタンドの本体自体がドライブスプロケットカバーを上から押さえつけるような形で装着されているので、このカバーを外す為には強化サイドスタンドのスイングアームピボットボルトの取り付け部分を一度外してやり、サイドスタンド自体を少しずらしてやらないとドライブスプロケットカバーが外せないというのがその理由となります。

 しかし、11日のスタッドボルト修理の作業では最初にマフラーを外さなければならないので、ここでスイングアームピボットボルトが逆差しになっていたりすると全部抜かなければならず、いちいち手間が増えるだけです。

 そのような訳から、スイングアームピボットボルトは一度正規の車体左側方向からの差し込みに戻し、サイドスタンドもメインスタンド分解メンテナンスをする時には車体を支えなければならないので、このタイミングで一度純正に戻す事にします。

 

 8日の日は、カブ吉くんの日常メンテナンスを実施しながら、ジョニーさんは作戦通りにスイングアームピボットボルトの差し込む向きを変更し、サイドスタンドも強化型から純正に交換を済ませておきます。

 

 翌日の9日、朝食を済ませたジョニーさんは整備用のツナギに着替えて、カブ吉くんのメインスタンド分解メンテナンスを始めます。

 最初の方にも書きましたが、カブ吉くんのメインスタンド分解メンテナンスがきちんと行われるのは約11年ぶりの事となります。その時はスタッドボルト修理と一緒に吉村さんがやってくれていたので、ジョニーさん自身がこのメンテナンスを実施するのは初めての事です。その時の距離は12万9千キロだったので、実に23万6千キロぶりの分解メンテナンスとなります。

 まず最初にエキゾーストのフランジナットを外して後、スイングアームピボットボルトのナットも緩めて外し、マフラーを知恵の輪のようにして引き抜いていきます。

 次に、リヤブレーキ廻りのロッドの接続を外し、ブレーキライトスイッチスプリング、メインスタンドリターンスプリング、スプリングフックという順番で部品を取り外していきます。これでようやくピボットシャフトが抜けるようになりました。

 そして、ピボットシャフトを抜き取り、ブレーキペダル、ブレーキロッドAssy、メインスタンドを取り外していきます。

 抜き取られたピボットシャフトは錆だらけではありましたが、危惧していたスタンド自体の動きを悪くするような段差などは付いておらず、思っていたよりも状態は悪くありません。ジョニーさんはシャフトの錆を丁寧にヤスリを使って落した後、オイルの滲みこんだウエスを使って磨き上げ、全体にグリスを塗ってピボットシャフトを再使用する事にします。

 恐らく、今まで一度も分解整備がされていなかったとしたら、こんなに良い状態ではなかったと思われるので、途中で一度手を入れてくれた吉村さんに感謝です。

 ジョニーさんは次に、このピボットシャフトが入るフレーム側の穴の中の錆落しを始めます。CRCを吹いた後、ウエスを穴の中に突っ込み、何度も何度も丁寧に錆を落としていきます。そして、最後にこちらもしっかりグリスを塗布しておきます。それ以外にも、ブレーキペダルやブレーキロッド等も綺麗に磨き上げます。

 一連の作業を終えたジョニーさんは、カブ吉くんの脇にちょこんと座り、綺麗になった部品たちを見つめて実にいい顔をしています。こういう時間がジョニーさんにとって至福の時だというのがよく分かります。

 一息入れたジョニーさんは、メインスタンド、ブレーキ関係、マフラーという具合に一気に組み上げていきます。

 分解メンテナンスが実施されたメインスタンドは、今までになかったくらいの軽快な動きをしています。スタンドを解除した時はもちろんですが、スタンドを掛ける時も今までの半分くらいの力で掛けられるようになりました。これには、ジョニーさんもびっくりです。カブ吉くんに付いている部品たちが正常に動くと言う事は、こういう事なんだというのを思い知らされる瞬間です。

 

 週が明けた11日、ジョニーさんとカブ吉くんは朝から吉村さんのお店に登場です。

 

「吉村さん、とにかくメインスタンド凄いから、ちょっとやってみて!」

 

「なんだ、キットが来るまで時間があったからやったのか」

 

吉村さんはそう言いながら、カブ吉くんのメインスタンドを掛けたり降ろしたりしてみます。

 

「こりゃあ凄いな。ここまで動きが良くなるとはな……。ジョニー、いい仕事したな。これで今日スタッドボルトの修理が終われば、またカブ吉は完璧だな」

 

ジョニーさんがカブ吉くんのマフラーを外して、スタッドボルト修理(ヘリサート加工)が開始されます。

 最初にお断りをしておきますが、今回の修理のやり方はあまり参考にならないと思います。何故なら、シリンダーヘッドを取り外さない状態で、そのまま修理してしまおうというジョニーさんと吉村さんの考えによる修理だからです。

 普通の人がこの修理をオートバイ屋さんに頼んだら、お店の人はシリンダーヘッドを脱着して修理する事を前提に修理金額を提示すると思います。通常そのようにしなければ、修理への保証が持てないからです。この修理のスタートは、ドリルでスタッドボルトが入る穴にタップ下穴を開ける事から始まりますが、それがもし真っ直ぐに開かなければこの修理は失敗の可能性が一気に高まってしまいます。お店の人はそんなリスクは選択しないのが普通です。

 ですから、今回のスタッドボルト修理は、主の整備士はジョニーさん、副が吉村さんという体制となります。全ての作業責任はジョニーさんが取るのです。

 バイクリフトに車体後部をがっちりとベルトで締め上げられて、車体前部が浮いた状態で固定されているカブ吉くんの修理が始まります。

 電動ドリルにヘリサートキットに入っている8.3mmのドリル刃をセットして下穴を開けていきます。先ほども書きましたが、この作業は修理の良否を決める大事なポイントとなります。一応、吉村さんがドリルを持ってはいますが、スタッドボルトの下穴の角度を確認して最終的に判断するのはジョニーさんの役目です。

 ドリルの角度を決めた後は、ドリルがぶれないように二人で慎重に押さえながら下穴を開けていきます。

 

「うまいね~、完璧に垂直に入ってるね~」ジョニーさんが呟きます。

 

その後も、タップ立て、ヘリサート挿入、タング折り、と修理は順調に進み、大体一時間弱の作業時間で終了となりました。

 

 エキゾースト部分がしっかり固定されたカブ吉くんを見て、ジョニーさんの顔にも安堵の色が浮かんでいます。

 

 ここの所、4月のフロントフォークのオイルシール交換に続き、5月はスタッドボルト修理という具合に、長く走っている事による必然的なトラブルが発生しているような気がいたします。当然、耐久チャレンジとしては、そういうものを全て受け入れながら走り続けるというのが、基本的な考え方です。

 

 ジョニーさんは、復調したカブ吉くんと5月後半に久しぶりに宿泊ツーリングに出る計画を立てていました。しかし、ここで更に思わぬ事態が起こります。

 なんと、エンジンオイルがないのです。吉村さんにこの事を聞いてみると、『随分前から発注は掛けているけど、メーカーからは納期は未定の返事しか来ない』という状況だそうです。

 ロングツーリングに出掛けても、途中でエンジンオイルの交換が出来ないのは考えものです。こんな状況では、たとえその店にオイルがあったにしても、それを一見のツーリンング客に出してくれるかどうかは分かりません。

 

「まったく、50年以上オートバイに乗ってるけど、オイル交換が出来ないなんて初めてだな……」

 

ジョニーさんはカブ吉くんのシートに手を置きながら、ボソッと呟きます。

                                  

                                    管理人

 

2026年5月末日現在 全走行距離 366,719km

(5月走行距離 2,281km 月間平均燃費 62.70km/ℓ )

月まであと 17,681km