スーパーカブ 耐久チャレンジ

JA07型スーパーカブの耐久性を検証するブログです。

2023年12月 カブ吉くん 近況報告

『令和6年能登半島地震』によってお亡くなりになった方またそのご家族に対し、謹んで哀悼の意を表するとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 

 皆さんこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 7月いっぱいで退職したジョニーさんにとって今年の12月は、カブ吉くんと供に毎年実施していたお客さんへの年末の挨拶回りをする事もなく、数十年ぶりに8月以降に始まった新しい生活のリズムに合わせながら、日々を淡々と過ごしておりました。

 ジョニーさんのお客さんは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県にそれぞれおられたので、昨年までのこの時期はカブ吉くんの前カゴに翌年のカレンダーを一杯詰め込んで、寒風吹きすさぶ中を東へ西へと走りまわるのがジョニーさんとカブ吉くんの仕事であり楽しみでもあったのですが、その必要がなくなった今年の12月は、二人にとってはいろいろな意味で何となく寂しさも感じる久しぶりの年末となっていたようでございます。

 

 2023年を耐久チャレンジ的に見てみれば、一ヶ月の走行距離が2千キロを超えたのは、5月に小浜にお箸を買いに行った時に記録した2,231km一回だけであり、それ以外の月は軒並み1千キロ台に終わっており、猛暑であった7月・8月に至ってはとうとう1千キロにも届かないという体たらくでございました。

 そのような状況でありますので、年間走行距離も今まで一度も記録した事のない16,575kmという、『耐久チャレンジ』などと名前を付けている割には、2万キロを大幅に下回るお恥ずかしい数値となってしまいました。

 また、走る距離が減ると今まで思いもしなかったような事がカブ吉くんに起きて来ることも分かりました。それはどんな事かと言うと、塗装が薄くなったりしている所に錆が浮いてきたりする頻度が、とても高くなるという事です。

 年間の走行距離が普通に2万キロ(一週間の走行距離は大体400~500kmくらいとなります)を超えていた昨年までは、ドライブチェーンへの給油などを実施する日常メンテナンスがほぼ毎週実施されておりました。もう少し分かりやすく言うと、ジョニーさんがカブ吉くんを一週間に一回は必ず触っていたという事でございます。

 そうすると、汚れているところは綺麗に清掃がされ、錆びている所は錆を落とし防錆剤が吹かれる事になります。こういう地道なマシンとの触れ合いが、そのマシンの好調をいつまでも維持する事につながっていくのだという、極々当たり前の事実に改めて気付かされる事となりました。

 しかし、走行距離が大きく減った7月以降は、日常メンテナンスの間隔は概ね二週間に一回のペースとなります。そうすると、上記のような問題が頻繁に発生するようになるので、それに気が付いたジョニーさんは、メンテナンスをしなくても一週間に一回は必ずカブ吉くんに触ったり清掃をする事に決めました。

 まあ、そんなお陰でというのも変ですが、14年目を迎えているカブ吉くんの外観は、小傷は目立つものの十分に働く機械の貫禄を感じさせる状態に維持されており、エンジンに関しても性能の低下を感じさせる事のない素晴らしいフィーリングを保ちながら、この年末を迎えております。

 その証拠と言ってはなんですが、カブ吉くんの年間を通した平均燃費も、今年はあまり期待していなかったのですが、終わってみれば60.34km/ ℓ という、昨年の平均を若干ですが上回る数値をマークしていました。

 今年もこのような数値を記録出来たおかげで、まったく思ってもみませんでしたが三年連続の年間平均燃費60km/ℓ 超えとなりました。

 どこに行くにしても出発及び帰着時に概ね渋滞を伴う東京練馬を定位置として、ジョニーさんの仕事を支えてきたカブ吉くんの燃費と考えると、この数値はとても素晴らしい数値のように管理人は感じるのですが、皆さんはどう思われるでしょうか?

 来年以降は、カブ吉くんの業務移動というのは基本的にありません。たまにジョニーさんがアルバイトに行く事はあると思いますが、それ以外の移動はほとんがプライベートでの移動となります。当然、その中には長距離や中距離のツーリングも含まれることになると思いますが、実際はどんな感じで一年間を走って行くのか現在主要な関係者(ジョニーさんと吉村さんの二人しかいませんが……)で検討中でございます。詳細は来年早々にお伝えする予定なので、お楽しみにお待ち頂ければと思います。

 

 さて、話しは変わって今月のカブ吉くんのメンテナンスですが、12月3日に実施した日常メンテナンスの中で、11,000kmぶりにドライブチェーンの張り調整が行われました。これは、30万キロでドライブチェーンを交換した後、4回目の張り調整になります。ちなみに、3回目の張り調整は今年の3月19日に実施されています。

 油分をほぼ切らすことがないようにメンテナンスされるカブ吉くんの場合は、初期伸びが落ち着いたあとは、多くてもだいたい5~6千キロに一回くらいの張り調整で済んでいます。今回は珍しく少し長い距離を無調整で来ていましたが、ドライブチェーン自体の遊びは基準値をちょっと超えるくらいの遊びでした。そのくらいの遊びであれば、調整の量としては、ドライブチェーンアジャスタの調整ナット(アジャストナット)を6分の1締め込むくらいの調整で充分に基準値に戻ります。

 それ以外の整備は、12月16日に吉村さんのお店でエンジンオイルの交換が行われた事と、19日にジョニーさんの手によって今年最後の日常メンテナンスが実施されています。例年であれば、年末の気温が下がるこの時期になるとブリーザドレンに液化した未燃焼ガスが溜まって来るので、その清掃も日常メンテナンスの項目に加わってくるはずなのですが、今年はまだ液化した未燃焼ガスが溜まりません。

 カブ吉くんにとって、12月に入っているのに一度もブリーザドレンの清掃をしていないという状況は過去に一度もなかった事なので、非常に珍しい状況と考えていいのかもしれません。そのような理由から、その部分については、現時点では目視点検のみでスルーしている状態です。やはり、それだけ外気温が高い(暖冬)という事なのでしょうか? ジョニーさんは寒いのが大嫌いなので本来なら喜んでいていいはずなのですが、この点に関しては少し怪訝な顔をしております。

『何か良からぬ事が起きなければいいが……』という、なにやら微妙な表情でございます。

 

 そして、いろいろあった今年もいよいよ押し迫り、30日の日中にジョニーさんは八王子にあるお墓の掃除を終え、その晩から31日未明にかけてカブ吉くんと今年最後の夜走りに出掛けます。

 環状七号線の外回りを葛西までぐるりと走り、湾岸道路(国道357号線)を少しだけ上り込み、荒川を渡って新木場の交差点を左折し、東京ゲートブリッジを渡っていつもの夜走りルートに入って行きます。

 ここまでカブ吉くんの走りには、取り立てて大きな問題はないようです。

『若干いつもと比べてグリップヒーターの効きが悪いかなぁ……』

などと言いながら、それでもジョニーさんは今年最後の夜走りを楽しんでおりました。

 確かにここのところ、バッテリーが少し弱くなって来ている感じがあり、ジョニーさんもカブ吉くんと走っている時は、カブ吉くんに取り付けられた『KOSO Mini3』のモードを電圧計に切り換えて走っている時間が長くなっています。

 今年の夏くらいまでは、カブ吉くんの走行中の電圧計の表示は14.3~14.5vを安定的に示すのが普通の状態でした。しかし、秋以降は14.5vを超えて14.6vという電圧表示をちょこちょこ見かけるようになっていたのです。

たかだか0.1vですが、過去には一度も表示された事のない数値なのです。

『なんかレギュレーターが一生懸命バッテリーに電気送ってるみたいだけど、ちょっと早くないか……』

などと言いながら、ジョニーさんも結構気にはしていたようですが、結局そのまま三回目の冬に突入している状況でございます。

 

 いつもの折り返し地点である芝浦の自動販売機で大好きな甘酒を買って飲んでいるジョニーさんはご機嫌です(たぶん酔っぱらってはいないと思います)。

 

「よし! 温まった! カブ吉、帰るぞ!」

 

ジョニーさんはカブ吉くんに声を掛けながらスタータスイッチを押します。

 

『ククッ、クゥ、クゥ、ボウン』

 

カブ吉くんは何やら苦し気な感じを残しながらも、何とか始動します。

 

「おいおいカブ吉~、大丈夫か~?」

 

ジョニーさんはすかさずカブ吉くんに声を掛けますが、エンジンが掛かってしまえば至って普通のカブ吉くんであります。

 その後はレインボーブリッジを渡り、臨海道路から羽田空港を通って環八外回りへと帰りのルートを取ります。環八通り自体が法定速度で走行出来る道路なので、特に深夜帯の移動は非常にスムーズに走行が出来ます。エンジン回転も高めに保つ事が出来るので、バッテリーへの充電も充分に出来るはずです。

 自宅近くまで戻ったジョニーさんは、いつものガソリンスタンドでカブ吉くんに今年最後の給油をします。そして給油終了後、給油ノズルを給油機に戻しながらいつものように燃費を暗算で計算します。とは言っても、小数点以下まで細かく計算するような事はありません。大体『58キロくらい走っている』とか、『55キロくらいしか走ってない』とか、そんなレベルです。

 

「今年最後の燃費は204キロ走って3.4リッター給油っと、……おおっ~、ピッタシ60キロじゃん。何だか、最後にキリが良くって気持ちいいね~」

 

 ジョニーさんは給油レシートをポケットにしまってから、手袋を装着し始動の為にキックペダルに手を掛けます。しかし、その後ふと間があき、何を思ったのかキックペダルは再び元の位置に戻されました。

 ジョニーさんはカブ吉くんに乗る時に、短距離しか走らない事が分っている時は、基本的にスタータモータを使ったエンジン始動は行いません。ですから、このいつも使っているガソリンスタンドから帰る時は、普段はキックスタートになります。

 

「カブ吉~、さっき芝浦を出て来る時なんかセル重くて変だったから、もう一回セルでかけてみようか?」

 

 ジョニーさんはそう言いながら、確認の為に『KOSO Mini3』のモードを再び電圧計に切り換えて始動に備えます。電圧表示は、12.5vを表示しています。メインスイッチがオンになった状態では、瞬時にバッテリーから各所に通電が行われているので、この数値自体は満充電の目安となる12.7~12.8vを示さなくても問題はありません。ジョニーさんの指がスタータスイッチに掛かります。

 

『クゥゥ……、……ブォン』

 

 掛かるには掛かりましたが、一瞬ニュートラルランプは消え、電圧計のバックライトも消えてしまい、暗くなった液晶の中に7.0vの電圧表示が微かに浮かんでいるのが分かる状態でした。

 

「あちゃ~、こりゃダメじゃんバッテリー……」

 

ジョニーさん、大晦日の未明に絶句でございます。

 

 カブ吉くんがこんな状態で年末を迎えるとは誰も想像をしていなかったのですが、2020年の1月末に前のバッテリーが逝った時も、やはり突然でした。

 その時は、『帰宅途中に給油のためガソリンスタンドに立ち寄り、給油後にメインスイッチをオンにしたけれども何のランプも点かず、その時点で全ての電気が失われていた』という恐ろしい状況でした。

 

 さあ、2023年の耐久チャレンジ的には来年に期待(?)が持てる楽しい終わり方になったような気が致しますが、いかがだったでしょうか?

 

 一年間、当ブログをご訪問頂いた皆さまに感謝いたします。

  

 また、来年もよろしくお願いいたします。

                                    管理人

 

2023年12月末日現在 全走行距離 322,553km

(12月走行距離 1,149km 月間平均燃費 57.71km/ ℓ )

月まであと 61,847km