スーパーカブ 耐久チャレンジ

JA07型スーパーカブの耐久性を検証するブログです。

2023年11月 カブ吉くん 近況報告

 皆さんこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 11月の第一週の三連休(11月3日~5日)は、気温も高く天候にも恵まれ絶好の行楽日和となりました。このような好条件が重なると、必然的に行楽地に向かう道路はひどい渋滞となります。

 11月3日、連休の初日にうどんと蕎麦の買い出しの為に忍野に向かうジョニーさんとカブ吉くんも、しっかりとこの渋滞にはまっておりました。

 

『まったくもう……、どうなっちゃてるんだろうねえ? これじゃ、ゴールデンウイークと変わらないじゃねえか……』

 

一日中このセリフを何度も繰り返しながら往復約200km、そして走行時間約9時間の買い出しツーリングを終えたジョニーさんは、吉村さんに買って来たうどんを渡しながらその日一日の愚痴をこぼします。

 

「いつもなら大体3時間半もあれば忍野に着くのに、今日は4時間半だからね……。参っちゃったよ……。こりゃあ帰りはちょっと考えないとまずいな~って思って、珍しく和田峠を越えて陣馬街道で戻るルートにしてみたんだけど、帰りもやっぱり4時間半掛かっちゃったもんな……。もう、本当にやんなっちゃったよ……」

 

「お~、そうかそうか。そんなに混んだか。大変だったなあ、いやいやご苦労さんご苦労さん。だけど、そんな渋滞路を走るのも、また違った面でシートのいいテストになったんじゃねえか?」

 

 さすが吉村さんです。ジョニーさんの一日の買い出しツーリングの労をねぎらいながら、JA60用シートのインプレッションを聞き出す事を忘れません。

 

「確かにね……。そうやって考えてみると、先月は道路が空いている夜間のテスト走行がほとんどだったからね。今日みたいに渋滞の中、ノロノロと四輪の後ろについて走る事なんてなかったもんな~。言われてみりゃあ、四輪の後ろを左足を微妙に道路につけながらついて行く時なんか、なんか以前よりずいぶん楽になったような気がするな……」

 

 ジョニーさんは、どうやら吉村さんの作戦にまんまとハマってしまったようです。その後も、楽しそうにいろいろな話しをしてくれたので、下記に簡単にまとめてみました。

 宜しければ、ご覧くださいませ。

 

【 メリット 】

1.圧倒的に乗りごこちが良い

  お尻に感じる細かい路面の凸凹の衝撃が、嘘のようになくなる。

  ジョニーさんの言葉を借りれば、『リヤにビルシュタイン入れちゃったみたいな

  感じ』だそうです。ジョニーさんはかなり古くなって来ているライダーなので、

  オーリンズ等が装着されたオートバイに乗った事がありませんので、こんな表現

  になってしまいます。

  ビルシュタインは、1950年代からメルセデス・ベンツ等に純正採用されてきた

  高性能ダンパーの代名詞です。ジョニーさんが四輪ラリー競技に夢中になっていた

  当時は、大金持ちの人達だけが装着できるダンパーでした。

2.踵を使ったシフトダウンがやり易くなる

  シート高が3センチほど高くなった事で、膝の曲がりが楽になった分、踵でのシフ

  トダウンが普通に出来るようになって嬉しかったそうです。

  過去の記事でも書いていますが、ジョニーさんは基本的にシフトチェンジは今まで

  すべてつま先を使って行っていました。昔からスーパーカブに乗っている人達は、

  結構こういう乗り方をする人が多いようです。

  ちなみに、ここのところ左膝の調子が良くないジョニーさんにとっては、踵シフト

  ダウンが出来るようになった事は、かなり高評価につながっているようです。

3.渋滞時の超低速走行(足つき走行)が楽になる

  これもシート高が上がったおかげで、渋滞時にちょこちょこ足をつきながら走行す

  る際、あまり意識して足を上げていなくても済むようになったそうです。

  ジョニーさんの身長は170センチなので、ノーマルの状態だとかなり意識をして

  足を上げておかないと、道路のちょっとした凸凹で引っ掛かったりした際に、ステ

  ップに思い切りふくらはぎをぶつけて、とても痛い思いをしていたそうです。

  そういう心配が少なくなったのは、とても良かったそうです。

 

【デメリット】

1.乗降のしやすさが少し損なわれる

  ノーマルシートと比較すると、どうしてもこの項目は敵わないような気がします。

  シート自体の大きもかなり違うので、レッグシールドとシート先端の隙間の寸法

  も若干狭くなります。ジョニーさんも気を付けながら乗り降りをしているようで

  すが、レッグシールドを蹴飛ばして汚してしまう事が増えたそうです。

2.絶対的な足つき性能が失われる

  スーパーカブに乗る大多数の人が恩恵を受けていると思われるこの性能ですが、

  シート高が3センチほど上がってしまうと、ジョニーさんの場合ですが、今まで

  両足とも踵までべったりとついた状態で膝に十分余裕があったのですが、その余

  裕がほぼなくなります。停車して足を降ろす場所が、水勾配等で傾斜がきつかっ

  たりすると、慌てる事があるかもしれません。ちなみに、ジョニーさんの身長は

  170センチです。

3.センターカバーの脱着が一手間増える

  バッテリー点検等の時に外さなければならないセンターカバーですが、それを固

  定しているビスにJA60用シートヒンジが被ってしまう為、プラスドライバー

  で直接ビスを緩める事が出来なくなります。一度、シートをヒンジごと外してや

  らないといけなくなるので、少し点検の時に時間が掛かるようになってしまうの

  は、やはりデメリットだと思います。ちなみに、JA10型以降のモデルにはこ

  の問題は起こらないはずです。

 

  

 以上、先月交換して使い始めたJA60用シートの追加インプレッションを書かせて頂きました。ジョニーさんのようにスーパーカブでの長距離移動のお好きな方で、お尻の痛みに悩んでおられる方がおりましたら、ぜひ参考にしていただければ幸いでございます。

 

 さて、シート関係以外のカブ吉くんの出来事ですが、先月末に32万キロを超えた事に伴って、エアクリーナエレメントとスパークプラグが交換されています。これには、ともに純正部品が使われています。

 また、今年の3月に31万キロを通過した時には実施されなかった1万キロ整備(本来なら31万キロ整備になったはずです)が、今回はさすがに実施されました。

 1万キロ整備(今回は32万キロ整備になります)と言っても、いつもはそれほど大したことをする訳ではありませんが、今回は前回やらなかった事もあるので、スイングアームを脱着して清掃及び給脂をしてみたり、リヤホイールを外してホイールベアリングの点検をしたり、リヤブレーキカムに給脂をするなど、割り合いジョニーさんは真面目に取り組んだようでございます。

 それ以外では、ドライブスプロケット廻りの点検及び清掃、スピードメータケーブル給脂、バッテリー電圧確認及び補充電等の点検整備が実施されました。

 カブ吉くんの純正ドライブスプロケットには、歯の下側に騒音低減の為のゴムがぐるりと貼り付けてあるのですが、今回の点検でそれがボロボロになっているのが発見されましたので、新しいものを部品発注しております(交換は、後日実施の予定です)。

 このドライブスプロケットは、リヤのドリブンスプロケット及びドライブチェーンとともに24万キロ時に交換したものですが、今回は8万キロほどの使用で要交換状態となってしまいました。使用距離的には、過去に使用していたスプロケットより大幅に短期間での部品寿命となっていますが、スプロケット自体の歯の大きな摩耗等は全くみられません。しかしながら、やはりドライブチェーンのガチャガチャ音がよく聞こえるようになってしまいますので、どこかのタイミングで交換をする予定です。

 

 今回32万キロ整備として点検をしたカブ吉くんのその他の部分については、特に大きな問題はなかったようです。若干、2020年2月に交換されたバッテリー(使用距離は、こちらも約8万キロです)の電圧がやや低め(12.7V付近)を示していましたので、この部分についてはもう暫く様子を見ていきたいと思います。

 

 さあ、今年も残すところはあと12月だけとなりました。本格的な冬のライディングが始まります。どなた様も防寒対策をしっかりとして頂き、ご安全にお楽しみ下さい。

 

                                    管理人

 

2023年11月末日現在 全走行距離 321,404km

(11月走行距離 1,294km 月間平均燃費 59.69km/ ℓ)

月まであと 62,996km