【25万キロ通過!】
皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。
早いもので、2010年7月15日からジョニーさんとカブ吉くんのコンビが走り始めてから、今月でまる10年が経過しました。
おかげさまで、予定通りと言っては少し語弊がありますが、その間大きな事故やトラブルの発生なども起こらずに、二人は約25万キロを無事に走行する事が出来ました。
このコンビが走り始めた当初は、『月間平均で、最低2千キロを走る!』ということを目安にしていましたので、
『1年間にすれば2万4千キロで、10年で24万キロだな~』
などと、ジョニーさんは軽口を叩いておりましたが、小排気量マシンでありながら、結果としてキチンとこの『地球6周分』以上の距離を走って来た事に対しては、大変素晴らしい事でありますし、管理人は敬意を表したいと思います。
今回はそんなところも含めまして、この10年という期間を走行してきた中で、特に皆さまにお伝えしておきたい事をピックアップしてご報告をさせて頂きます。
2010年からぴかぴかの新車で走り始めたカブ吉くんも、10年で約25万キロを走り続けてきた証しとして、さすがに色々なところに貫禄が付いて来たように思います。
まずは『鉄カブ』に乗られていた諸先輩方が一番気にしていた樹脂外装関係の話しからですが、ジョニーさんの言葉を借りるとすれば、
『まぁ、10年も走ればこんなもんだろうし、でも、走り始めた時に周りから言われていた程、ひどい事にはなってないんじゃないのかなぁ~っていう気がするけどね……』
と、言う事になります。
まぁ、この外装の件に関しては、概ね管理人も同意見です。しかし、欲を言えばもう少しジョニーさんが『磨き好き』なライダーだったら、カブ吉くんは間違いなくもっともっと綺麗でいられたのではないかと管理人は思っておりますが……。
ジョニーさんという人は、メンテナンスに関しては本当に手を抜かずにきちんとやる人なのですが、『カブ吉くんの傷が付いたところを目立たなくしたりとか、全体をぴかぴかに磨き上げたりする』というような部分に関しては、ほとんど無関心と言ってもいいくらいの人なのです。
ですから、樹脂部品ではありますけれど、カブ吉くんの青いフロントフェンダーの先端に貼られている『原付二種』である事を判別するための『白いマーク』部分が微妙に削れていたり、レッグシールドの表面にたくさんの灰色の縦すじが付いていたり、リヤフェンダーの左側が紫外線によって白化が始まっていたりもするのですが、それらの外装部品に対して、ジョニーさんはあまり積極的に綺麗にしようというアクションを起こすことはありません。
しかしながら、そんなジョニーさんでもリヤフェンダーの白化だけは最近少し気になるのか、たまにメンテナンスの最後に『保護・つや出し剤』を使用して磨いたりしていますが、唯一やるのはこくらいのものなので、その他の部分に関しては、やっぱり手つかずのままとなります。
それ以外には、ドライブチェーンカバーの上側が若干ふくらんでいたりする不具合はありますが、実際に10年間という年数を考えてみると、最初にジョニーさんが言っていた言葉に戻る事になります。
『まぁ、10年も走ればこんなもんだろうし、でも、走り始めた時に周りから言われていた程、ひどい事にはなってないんじゃないのかなぁ~……』
ジョニーさんは、雨の日でも平気でカブ吉くんに乗って出掛けて行きます。そして、一日中雨の中を走り回って来るのですが、それでも帰って来た時には、ジョニーさんはどんなに疲れていても、ささっとカブ吉くんの事を雑巾で拭いた後にバイクカバーを掛けます。
カブ吉くんは、決してガレージ等に保管されていて、綺麗に水分を拭き取ったり、残っている細部の水滴をエアーで吹き飛ばしたりして貰っている訳ではありません。
こういう使用状況や保管状況なのだと言う事を、頭の中にイメージして頂けると大変助かります。そして、これが雪の日以外はほぼ毎日走って来た、カブ吉くんの10年間の中での外装の耐久性に関する結果とお考えいただければ幸いです。
それから、樹脂部品以外の外装関係に関する話しとしては、昭和の時代から乗り続けているベテランライダー達も同意見になるのではないかと思うのですが、カブ吉くんのフロントフォークは、10年間走り続けていてもピカピカなのです。これは、昭和の時代のオートバイ達には、なかなか無かった事だと思います。
だいたい昔はどのマシンでも、アルミ合金を使用した部品の塗膜は徐々に剥がれ、白錆や腐食等に悩まされていたものですが、現在のカブ吉くんにはそういう不具合がまったく起こらないのです。
エンジンのクランクケースカバー等も、ジョニーさんがニーグリップが出来ないマシンに乗った時によくやる『くるぶしグリップ』を10年間受け続けながらも、若干の塗膜が剥がれただけで、まだまだ頑張っています。
そういう部分を見ていると、平成以降に生産されたマシン達は、工作技術や塗装技術など様々な面で昭和の時代を完全に超えています。
ただでさえ、四輪車に比べても二輪車は長生きな個体(昭和45年前後の車齢50年クラスも、まだまだ元気に走っています)が多いような気がするのですが、平成生まれのマシン達は一体いつまで走り続けるのでしょうか? 考えるだけでも、興味が尽きません。
エンジン関係については、現在ほかの記事でも報告をしている『排気バルブのステムシールからのオイル下がり(たぶん?)』以外に、大きな不具合はありません。カムチェーンの音などは大分大きくなって来ていますが、エンジンの調子自体はまったく問題はありません。
燃費に関しては、今月はどうした訳か2010年からの7月としては、過去最高の月間平均燃費63.61km/ℓ を記録しました。月間走行距離は、1,937kmを走りましたが、この新型コロナウイルスの影響の中ですので、仕事で郊外を走る事はありましたが、燃費の伸びるツーリングなどには行っておりません。
今月、記録が更新される前までの月間平均最高燃費は、2011年に記録した62.92km/ℓ でしたので、実に平均燃費で約0.7km/ℓ も向上しています。
2015年以降は、カブ吉くんの年間平均燃費は少しずつではありますが、確実に低下の傾向を示していました。毎月の月間平均燃費もほぼ同様な傾向を示しています。
ジョニーさんがこの事を吉村さんに報告した時の、二人の会話は次の通りです。
「吉村さん、カブ吉は一体どうしちゃったんだろうね? 考えたくないけど、まさか、ローソクが消える前に一瞬すごく明るくなるヤツとかじゃないよね……」
「ジョニー、またネットで変なクスリ買ってカブ吉に入れたんじゃねぇだろうなぁ?」
「バカな事言わないでよ、そんなクスリある訳ないじゃない……」
「ハッハッハ、冗談だよ、心配するな。たぶん、ドライブチェーンとスプロケットを交換して、駆動効率があがったんだろうな~。ジョニーが一生懸命にチェーンに油くれて伸びは止まっていたんだろうけど、24万キロ走る間に段々段々ロスが出て来てたんだと思うぞ」
「あ~、確かにそうかもしれないな~。結構、音がジャラジャラうるさいだけじゃなくて、横ブレとかひどかったからね~。そうか~、だから年間平均燃費もじわじわと落ちて来てたのか……。OK、分かった、安心した。そうしたら吉村さん、来月の8月はもっとカブ吉の燃費は良くなるかもしれないね、楽しみ、楽しみ」
さっきまで暗い顔をしていたジョニーさんですが、突然ニコニコおじさんに変身です。
ジョニーさんのカブ吉くんへのガソリンの給油方法は、きちんと決まったやり方があります。まぁ、最終的には月間平均や年間平均を出すので、おおきな誤差は生じないのですが、それでも、一回々々の給油も出来るだけ正確になるようにしています。
そんなカブ吉くんの、2020年7月の給油回数は全部で11回あったのですが、そのうち、69km/ℓ 台が2回、67km/ℓ 台が1回、65km/ℓ 台が2回という、軒並みスゴイ燃費が出ていました。
25万キロを走っているにもかかわらず、まだこんな燃費を普通に連発してくるカブ吉くんに対して、管理人は驚きを隠せません。
ジョニーさんにも更に力を発揮して貰いたいと思いますが、ジョニーさん自身も大分年齢が高くなって来ているので、足りない所はカブ吉くんが頑張るというスタイルが、これからのこのコンビの形かもしれません。いずれにしろ、管理人はこれからもこの二人を見守っていきたいと思います。だって、まだ『月』まで13万4千キロもありますから……。
さて、いい話ばかりしていてもしょうがありませんので、次は、たぶん皆さまが気になっておられるであろう、あまり良くない方の話しをしたいと思います。
覚えている方もいらっしゃるのではないかと思いますが、一時期話題になっていた『走行中に、信号で停止しようとした時などに、突然エンジンが一緒にストールしてしまう現象』というのがありました。
この現象に関しては、現在でもカブ吉くんにたまに起こる事があります。
しかし、長年カブ吉くんと一緒に走っているジョニーさんは、その兆候が表れるとなんとなくその時の雰囲気で、それが分かるようになって来ています。
その時のジョニーさんは、すぐにシフトダウンして回転を上げてみたり、スロットルを開いて意識的に回転を上げたりしています。そうすると、うまくいけば、エンジンはそれに反応してストールを免れる事が出来たりするのです。でも、何もしなければ、たぶんそのままストールしてしまいます。
また、たとえエンジンがストールしてしまったとしても、初期の頃のように暫くエンジンが始動しないというような事はほとんどなくなりました。大体、すぐに再始動が可能です。ただ、再始動をする場合は、一度メインスイッチを切り、再びスイッチを入れて始動します。そして、その時はセルよりもキックの方が確実に始動が出来ているようです。
2018年までにジョニーさんが実施して来た、『中国地方一周ツーリング』や『九州ツーリング』、『四国西側ツーリング』、『東北太平洋岸ツーリング』等の中距離及び長距離ツーリングの最中に、そのような事象が起こって走行不能になるような事態は、今まで一度も起こっていません。
当初、この問題が発生した時は、『いつ止まるかも分からないエンジンじゃ、日本一周ツーリングを実施するのは無理じゃないの?』という大問題が持ち上がり、かなり悩んだものですが、こうして10年間無事に走り続けてきたおかげで、現在では、カブ吉くん(JA07型スーパーカブ)がそのようなトラブルを発症して走行不能に陥るというケースは、ジョニーさんの想定にまったく入っておりません。
ジョニーさんはカブ吉くんを、数年後に必ず実行するであろう『日本一周ツーリングのパートナー』として、完全に信頼しているのです。
それから、最近このJA07型スーパーカブに乗られていて、ジョニーさんと同様にかなりの距離を走られているマシンが増えてきているようなので、エンジン関係でもう一つだけ報告しておきます。
ACジェネレーターのステータコイルの焼損は、防ぎようのないトラブルなので、ご注意をお願い致します。カブ吉くんの場合は、あとで考えてみると、異常電流が発生していたのかは分かりませんが、そのトラブルが出る前は、テールランプの球切れが頻繁に起こったりしていました。それも、普通にスパッと切れているのではなく、フィラメントがぐにゃぐにゃになって切れていたりするのです。
全てのマシンがそうであるとは限りませんが、もしご自分の愛機にそのような兆候が表れたら、ぼちぼちかもしれませんのでお気を付けください。
ジョニーさんとカブ吉くんは、2017年10月初旬の満月のとても綺麗な晩に夜走りに行き、環七通りを走行中に足立区の国道4号線を跨ぐ梅島陸橋の手前で電気が全て落ちて走行不能になり、JAFのトラックに乗って真夜中にトボトボと二人で帰って来たという事がありました。
これが、もしツーリング中だったら本当にシャレになりません。カブ吉くんのその時の走行距離は、18万2千キロを超えていました。
しかし、これは様々なマシンを整備している吉村さんに言わせれば、「まぁ、ここまで持てば十分だろう」という距離に該当するそうです。
カブ吉くんと同じメーカーの250ccクラスのマシンでも、10万キロ持たずに修理交換となる個体もあるそうなので、このトラブルに関しては各々のマシンの特徴を見極めて頂くしか方法はないようです。
また、これはトラブルというよりも、どちらかというと消耗品の交換という認識でいて頂いた方が、分かりやすいのかもしれませんね。
いずれにしろ、10万キロを超えて走行を続けているJA07型スーパーカブのオーナーの皆さまは、十分にお気を付け下さるようにお願い致します。昼間ならまだなんとか走れそうですが、夜間走行時にこれが起こると、もう走れませんから……。
あとは、『メンテナンス(ハンドル廻り編)その二』にも記事として書いていますが、ディマスイッチの下向き側が17万2千キロで不良になり、スイッチ本体を交換しています。
それ以外にも何か問題がなかったかいろいろと思い出してみたのですが、ジョニーさんとカブ吉くんが10年間走ってきた中で、特に走行に支障が出るような大きなトラブルは、どう記憶を掘り起こしてもこのくらいしかなかったような気がします。
雪の日以外は毎日走る事に決めているので、毎週末のジョニーさんの『日常メンテナンス』は欠かせませんが、それ以外の予防整備的な部品交換等は基本的にありません。
スーパーカブの昔から使い方である『壊れたら直す』を実践しています。
今後は、車齢的にも段々とワイヤーハーネス系に問題が発生するような気もしていますが、ジョニーさんとカブ吉くんの『日本一周ツーリング』はもう暫く先の事になりそうなので、それまでに不具合が発生するかどうかが気がかりなポイントではあります。
まぁ、そういうトラブルが起こったとしても、ジョニーさんとカブ吉くんのコンビに吉村さんも加わって、ワイワイガヤガヤやりながら楽しそうに修理してしまうのだろうなぁと、管理人は楽観的に思っておりますが……。
さあ、いよいよ11年目のスタートです。
今月もながながとお読み頂き、ありがとうございました。
※7月31日にエンジンオイルとプラグ交換をしております。
管理人
2020年7月末日現在 全走行距離 250,047km
(7月走行距離 1,937km 燃費 63.61km/ℓ )
月まであと 134,353km