スーパーカブ 耐久チャレンジ

JA07型スーパーカブの耐久性を検証するブログです。

2024年10月 カブ吉くん近況報告

【 ❜24十三夜ツーリング 】

 

 皆さんこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 ジョニーさんは先月の中旬頃から左足の内側におできが出来てしまい、それが痛くてカブ吉くんに乗れなくなってしまいました。それでも、約一ヶ月かかってようやくと復活の兆しがおぼろげながら見えて来たようです。

 乗り役が元気じゃないと、耐久チャレンジは続いていきません。カブ吉くんも寂しそうです。ジョニーさん、頑張ってくださいね!

 

 ジョニーさんが毎年楽しみにしている『中秋の名月ツーリング』と『十三夜ツーリング』の2回の『お月見ツーリング』ですが、今年は先月の『中秋の名月ツーリング』が上記の体調不良の為に実施出来なかった事を、ジョニーさんはとてもがっかりしておりました。

 まあ、それでも実際その時点では、『まだ十三夜もあるし、今年はその二日後(10月17日)にスーパームーンもあるからね』などと言いながら余裕をみせていたのですが、月が変わってもおできの状態があまり良くならず、ジョニーさんは途中からは『ひょっとすると、また走れないんじゃないのか?』と、随分と冷や冷やしていたようでございます。

 しかし、それでもおかげ様で何とか約一ヶ月掛かって、やっとカブ吉くんに跨れる状態までは回復してきたと本人は言っておりますが、傍から見ている限りでは、どう見てもまだ100パーセントの状態には戻っていない感じがして、本当に大丈夫なのかとても心配になります……。

 

 『お月見ツーリング』のコースは、甲州街道(国道20号線)を韮崎まで下り込み、そこから身延、本栖、富士吉田、大月とまわり、再び甲州街道で練馬まで戻るという約10時間、300km強のコースです。患部に痛みを抱えた状態のライディングではかなり厳しいものがあります。

 なんだかんだ言いながらも、心配性のジョニーさんは予定している『十三夜ツーリング』の前日の10月14日の夜に、本当に大丈夫なのかどうかを自分自身で確認する為に、いつもの環八から羽田空港を経由してお台場を往復する『夜走り』に出掛けて行きます。往復の走行距離はだいたい140km程で、走行時間は約4時間です。

 結果は、『コーナーリングの際にポジションを変えてもほぼ痛みはないので、問題はないだろう』という結論になりました。『十三夜ツーリング』、実施決定です。

 

 10月15日火曜日、ジョニーさんとカブ吉くんは、20時10分に練馬の自宅を出発します。本日の主役である『十三夜の月』の南中時間が21時51分(甲府で観測する場合)である事を考えると、少しのんびり過ぎるような気もいたしますが、ジョニーさんに言わせると『この時間に出た方が、あまり身体をひねったりしないで月が見れるので都合がいいんだよ』という回答でした。

 昨夜の夜走りでは患部に痛みが出なかったとは言え、やはり300km強の距離を走る事を考えると、本人も少し不安なようでございます。

 そんな理由もあってか、今回の『十三夜ツーリング』はいつもより休憩を増やしながら実施する方向となりました。

 気温の方は10月中旬としてはそれほど落ち込むこともなく、大体15℃前後の走りやすい状況となっていました。

 それでも、寒いのが嫌いなジョニーさんなので、準冬装備へのお色直しも兼ねて第一回目の休憩を大垂水峠の手前で取ります。通常はここで休憩をとると、次は新笹子トンネルの先の『道の駅甲斐大和』までは一気に走ってしまうのですが、今回はJR四方津駅のあたりで第二回目の休憩を軽く取る事にします。

 ジョニーさんは、好物の濃厚ミルクティーを自販機で買って飲みながら『なんとか大丈夫そうだな~』などと言って、安堵のため息をついておりました。

 その後も、昨年がま口を拾ったいつもの『道の駅甲斐大和』にも立ち寄り、トイレ休憩を済ませた後、再び快調に甲州街道を下り込んで行きます。

 『十三夜の月』も、明後日にスーパームーンを迎える事もあって、いつもの『十三夜の月』に比べると、随分と立派な大きさに感じられます。

 ジョニーさんとカブ吉くんは、大好きな甲府の夜景を楽しみながら甲府バイパスを走り抜け、いつもの竜王のガソリンスタンドで給油をします。練馬からここまでの距離は139kmです。燃費の方も62.05km/ℓ というまあまあの数値が出ています。ここで給油をしておけば、あとは何の心配もなく東京まで戻れます。

 二人はさらに甲州街道を下り込み、韮崎の船山橋北詰交差点を左折し、県道42号線(旧国道52号線)を身延方面に向かいます。

 そして、身延からは国道300号線に入り、『十三夜の月』を観賞する為の最終目的地である下部温泉を目指します。

 甲府を過ぎるあたりから厚い雲にその姿を隠していた『十三夜の月』も、下部温泉到着後にはそれまでの心配をよそに、短時間ではありましたが再びその秀麗な姿を見せてくれました。ジョニーさんは、このタイミングの見事さに感激

 さあ、ジョニーさんとカブ吉くんはここから一気に帰路に就きます。本栖湖(標高900m)へ向けて標高も身延から400mほど上がり、気温もぐっと下がるので、ジョニーさんはもう一枚上着を着込んで走り始めます。出発は午前1時、気温は15℃です。

 昔と比べると街灯が増え、新しいトンネルがたくさん出来た本栖みち(国道300号線)のつづら折れを、ジョニーさんとカブ吉くんはハイペースでぐんぐんと登って行きます。この時間帯は交通量もまったくないので、一気に本栖湖まで駆け上がる事が出来ます。しかし、この時に気を付けなければならないのは、ここのところ急激に数を増やしている『シカ』です。本栖みちのように、深夜になると交通量がほとんどなくなってしまう山道は、完全に『シカ達』のテリトリーと言っても過言ではありません。

 今回も、『左のブラインドコーナーを抜けると、対向車線の真ん中に、立派な角を持った雄のシカがこちらを向いて立っていた』というシーンがあったそうです。

 『直線路であれば、こちらを向いてくれていると目が光ったりするので、事前に心構えが出来るんだけど、ブラインドコーナーの先に立っていられると、本当にビックリするんだよな~』と、ジョニーさんも嘆いておりました。

 成獣となると100kgくらいの個体もいるので、走行中に衝突するとお互いにかなりのダメージとなります。更に9月から11月は『シカ』の繁殖期に当たるので、行動範囲も広がり動きも活発になるので、特に注意をしなければなりません。

 さて、シカ達の生態観察と真っ暗闇のコーナーリングを楽しんだジョニーさんとカブ吉くんは、本栖湖畔までやって来ました。気温は14℃です。

 

「あれっ? 気温全然低くないじゃん……。なんか拍子抜けだな~、どうしちゃったんだ~」

 

言葉では不満を口にしているようにみえますが、実際のジョニーさんはニコニコ顔です。考えてみれば分かりますが、寒がりのジョニーさんが予想より暖かい事に文句を言うはずがありません。

 二人は速度を60km/hを上限と決め、慎重に道路の周囲にも視線を送りながら、走行を続けていきます。

 国道300号線から国道139号線に入り、左手に精進湖から西湖、右手に青木ヶ原樹海という『シカ・アタック』をどこから受けてもおかしくない絶好の状況の中を、ジョニーさんとカブ吉くんは目をキョロキョロさせながら進んで行きます。

 河口湖町から富士吉田へと進んできたところで、ジョニーさんが突然変な事を言い出しました。

 

「カブ吉~、家に帰るまでにシカが何頭いるか数えてみるか~」

 

本来であれば、夜間の道志みちの『シカ・アタック』も非常に頻度が高く危険なので、ジョニーさんは富士吉田からそのまま国道139号線で大月に抜けて甲州街道を戻る事が多いのですが、一体今日はどうしてしまったのでしょうか? 予想より気温が高かった事が、ジョニーさんを浮かれさせてしまったのでしょうか?

 

 しかし、大月に向かって左折する交差点を曲がらずに、富士五湖の中で最も標高の高い山中湖(標高980m)に向かって走り始めてすぐにこの選択が誤りだった事が分かります。

 気温が急激に8℃まで低下し、道路を含んであたり一面真っ白な霧の中です。シールドは一瞬で水滴が付着し、降ろした状態ではまったく前が見えません。しかたなくシールドを上げた状態で走行するのですが、霧によって見える範囲が限りなく狭くなっているので、道路わきに潜んでいるであろう『シカ』を発見するのは至難の技です。カブ吉くんの走行速度は、とうとう50km/hまで低下します。

 

「ツーリングっていうのは、本当に何が起こるか分からなくて、めっちゃ楽しいな~」

 

これは、世間では強がりと言われているものです。ジョニーさんの声は震えています。

 

 結局、この状況は山伏トンネルを抜けても暫く続き、ジョニーさんが余程の用事がないと止まらない『道の駅どうし』に、珍しく半ば強制的に寄る事となります。

 ジョニーさんはシールドを洗い、乾いた布で綺麗に拭き上げます。そして、カブ吉くんのミラーや灯火類も併せて吹き上げて行きます。しかし、カブ吉くんのミラーなどは一瞬で細かな水滴が付着し、あっという間に見えなくなってしまいます。

 

 ジョニーさんとカブ吉くんはまず利用しないこの道の駅も、一般的にはやはり人気があるようで、三連休明けの平日火曜日の深夜帯にも関わらず、10台余りの四輪車と、リッタークラスのオートバイが1台休憩をしています。

 ジョニーさんは温かいミルクティーを飲み、トイレを済ませ、充分に心を落ち着かせてから、再び走り始めます。

 そして、シカ達はその後も現れ続け、結局相模原市青野原のコンビニエンスストアーの駐車場脇で確認したシカ2頭が最後となりました。最終的にジョニーさんとカブ吉くんが出会ったシカ達は13頭になります。その内の4頭は、道路上からジョニーさん達を見つめていた勇気あるシカ達だったという事でした。

 その後は、橋本から南大沢を経由して、練馬最終到着は、5時20分となりました。

 

 近年、富士山周辺や道志みち界隈、奥多摩から柳沢峠周辺等は本当にシカ達に日常的に遭遇するようになりました。今回の『十三夜ツーリング』でも、山中湖付近の霧がなければ、もっと多くのシカ達を確認する事になったような気がいたします。

 そのような理由からも、夜間の時間帯にどうしてもこの地域を走らなければならないライダー諸氏は、充分に気を付けてご走行頂ければと思います。

 

 最後に今月のメンテナンスですが、日常メンテナンスが一回とエンジンオイルの交換が一回実施されています。今月もカブ吉くんの走行距離は伸びませんでしたが、カブ吉くん自体の調子は絶好調でありますので、どうかご心配なく。

 

 それでは皆さん、秋の清涼な風を感じながらのライディングを存分にお楽しみくださいませ。 また、来月お会いしましょう。

                                    管理人

 

2024年10月末現在 全走行距離 336,294km

(10月走行距離 828km 月間平均燃費 62.12km/ℓ )

月まであと 48,106km