――2022年9月19日 30万キロを通過しました――
皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。
先月はあまり距離を伸ばす事が出来なかったジョニーさんとカブ吉くんですが、今月はジョニーさんの仕事がわりと忙しく、いつもの神奈川県川崎市の現場以外にも藤沢市や、千葉県千葉市緑区の現場、そして東京都区内などカブ吉くんと共に広範囲を移動しておりました。
また、今月初旬には二年ぶりの『中秋の名月ツーリング』も実施し、月間走行距離についても、1月と5月以来となる今年3回目の2千キロ超えを記録しております。
それでは、順番に報告をしていきたいと思います。まず最初は、9月10日から11日にかけて実施した『2022年中秋の名月ツーリング』のお話しからです。
昨年は、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出ていた関係で実行しなかった『中秋の名月ツーリング』ですが、今年の関東地方は心配していた天候にも何とか恵まれ、2年ぶりのツーリング実施となりました。
2020年10月1日の『中秋の名月』の月の出は、東京で17時29分という時刻だったのですが、今年の『中秋の名月』の月の出は18時11分で、約40分ほど遅くなっています。また、それぞれの南中は23時27分と23時55分となります。
2020年の時は、ジョニーさんは吉村さんのお店でカブ吉くんのプラグ交換をして、夕方の帰宅ラッシュが始まる17時半ごろにのんびりと出掛けて行きました。
その時間に出発すると、山梨県の韮崎経由で旧国道52号線を走り、本栖みち(国道300号線)の下部温泉(一応の目的地であります)あたりでちょうど『中秋の名月』の南中にタイミングが合うという計算です。
しかし、今年はどういう訳か、ジョニーさんがぐずぐずと家の事をしていて、なかなか『中秋の名月ツーリング』のスタートを切る事が出来ません。
結局、ジョニーさんが身支度をして、カブ吉くんのビジネスボックスに追加の防寒具等を放り込んで自宅を出発したのは、2年前より3時間半も遅い21時となってしまいました。
この『中秋の名月ツーリング』で使う走行ルートは、前回と同様となります。出来るだけ『中秋の名月』が観やすいように、東側から南側にかけて視界の開けたルートが選択されています。
まずは自宅を出て、いつものように千川通りから新青梅街道を下り込んで行きます。そして、西東京市に入って東伏見と西武柳沢の間を南北に貫いている武蔵境通りとの交差点を左折し、今度はその道を一気に南下して行きます。
スタート時間が遅かったので、『中秋の名月』はすでに南南東の空にそれなりの高度を保ちながら、素晴らしい輝きを放っています。
ジョニーさんとカブ吉くんは、あとは甲州街道(国道20号線)に入いり、ひたすら韮崎を目指して進んで行くだけです。そして、2年前と違って時間が大分遅かった事が幸いしたのか、逆に市街地を抜ける際に渋滞もなく、移動に関してはほぼストレスのない走行が出来ます。
ジョニーさんとカブ吉くんは、JR中央線の高尾駅を過ぎて、その先の京王高尾山口付近のコンビニエンスストアの駐車場に入って行きます。この先は信号もなく一段と気温が下がる大垂水峠を越えて行きますので、寒いのが大嫌いなジョニーさんはビジネスボックスの中から防寒装備を引っ張り出して、春秋用のライディングウエアーの上にそれを着こみます。
2年前のツーリングでは、このあたりで前を走っていた四輪車達が急にいなくなってしまった事で、ジョニーさんは大垂水峠越えの寒さに備えて持ってきた防寒着を着るタイミングを失ってしまい、結局上野原のコンビニエンスストアに着くまで、ガタガタと震えながら走っていた事がとても懐かしく思い出されます。でも、それと引き換えに、遅い車に引っ掛からずに楽しい大垂水峠越えが出来たのですから、これはこれで割り切って考えないといけないのかもしれません。
再び走り始めたジョニーさんとカブ吉くんは、大垂水峠を越えて相模湖を通り抜け、大月市を過ぎて笹子トンネルを抜けた『道の駅甲斐大和』まで一気に走ります。ここで、ジョニーさんは初めてのトイレ休憩です。
前回の『中秋の名月ツーリング』は、出発が早かった事もあり、後方から『中秋の名月』に追いかけてもらうような感じだったのですが、今回はジョニーさんとカブ吉くんが『中秋の名月』を追いかける形となっています。でも、そのおかげで、南東側のロケーションが開けた場所では、ずうっと『中秋の名月』を視界に入れながらのライディングが可能となる素晴らしいツーリングになっています。
その後、いつもの竜王のガソリンスタンドで給油をします。時刻は、日付が変わって9月11日の0時34分です。
練馬を21時に出ていますから、約3時間半で134kmの走行です。ここまでの燃費は62.04km/ℓ です。
ガソリンスタンドを出たジョニーさんとカブ吉くんは、そのまま国道20号線を下り込み、韮崎市の船山橋北詰交差点をいつもの通り左折し、富士川街道(旧国道52号線)に入って行きます。そして、途中から現在の国道52号線へと合流し、身延町から本栖みち(国道300号線)に入り、一応の目的地である下部温泉付近を目指します。
そして、その目的地に到着した後、ジョニーさんはしばらくの間『中秋の名月』を無言で観賞します。
10分ほど煌々と輝く月を観た後は、ジョニーさんは一気に『帰るモード』へ移行していきます。時刻は、午前2時少し前です。
本栖みちから国道139号線へ入り、富士吉田から大月へとハイペースで進んで行きます。
大月では、市街地手前のバイパスには敢えて入らずに、旧国道の市街地のコンビニエンスストアで休憩を取ります。
さあ、普通であれば、ここからは国道20号線をビュンビュンと戻るだけでオーケーなのですが、今回はこの後に思いもしないハプニングが待ち受けていたのです。
ジョニーさんとカブ吉くんは、休憩後も快調に走り続け、上野原から相模湖へと抜け、大垂水峠も越えて、午前4時過ぎには八王子市街まで戻って来ました。
追分の信号を過ぎて、左側の車線をゆっくりと走っていた軽四輪車をジョニーさんが右車線に進路変更をして追い越していると、なんだかカブ吉くんのリヤから突然ゴトゴトと不穏な振動が伝わってきます。
ちょうどその先の信号に引っ掛かったタイミングで、ジョニーさんはカブ吉くんの後輪を覗き込んでみるのですが、なんだか暗くてよく見えません。
信号が青に変わり、今一度カブ吉くんを発進させたジョニーさんが声を上げます。
「あちゃ~、やっぱりパンクだよ~、これ……」
すぐその先にあったコンビニエンスストアに、ジョニーさんはカブ吉くんを滑り込ませます。そして、カブ吉くんをそのコンビニエンスストアの大きな看板の灯りに照らされる位置に駐車します。
ジョニーさんはカブ吉くんから降りると店の中に入って行き、店員さんにパンク修理の為に駐車場の隅っこのスペースを暫く借りる事を伝えます。
駐車場の使用料ではありませんが、コンビニエンスストアで今買って来たおにぎりと野菜ジュースで一息入れたジョニーさんは、頭に付けたヘッドライトでリヤタイヤを照らしながら、くるくると回して刺さっているはずの異物のチェックをはじめます。
「あれっ?! また何も刺さってないじゃん……」
ジョニーさんは、2~3回転ほどゆっくりとリヤタイヤを回転させながら見ていたのですが、タイヤの外側からは異物を発見する事が出来ません。 何年か前の世田谷でフロントタイヤがパンクした時と同じ状況に、ジョニーさんの顔が曇ります。
ジョニーさんは、次に空気入れを取り出して、今一度カブ吉くんのリヤタイヤに2.5ヘクトパスカル程の空気を入れてみます。しかし、カブ吉くんのリヤタイヤからは、いくらも時間の掛からぬうちに空気が抜けていきます。やはり、それなりの大きさの穴があいているようです。
「夜も明けないうちからパンク修理かい……。しょうがねぇなぁ……、バラすか……」
ジョニーさんはそう呟くと、一気にリヤタイヤの取外しに掛かります。トルクリンクをフリーにして、ブレーキロッドのアジャストナット及びチェーンケースを外します。アクスルナットを緩めてアクスルシャフトを引き抜き、リヤタイヤをやや斜めにしながら車体から外します。
チューブのロックナットを一番上まで回して、チューブが引っ張られても傷まないように遊びを作ります。そして、タイヤレバーを使ってどんどんタイヤの片側のビードをリムから外していきます。その際、現在のタイヤ装着位置が分からなくならないように、タイヤに直接マジックでマーキングをしておきます。チューブを取り出します。
その取り出したチューブに空気を入れて確認してみると、ようやくパンクしている場所が分かりました。そんなに大きな穴ではありませんが、シューシューと確実に空気を吐き出しています。
問題は、タイヤの何処にそのチューブに穴をあけた異物があるのか? と、いう事です。タイヤの外側からは、見つかりませんでした。
チューブの穴の位置にもマジックでマーキングをした後、もう一度タイヤの上にそのチューブを重ねて置いてみます。そして、タイヤのその穴の位置付近の内側に手を入れて撫でてみるのですが、それでもやっぱりよく分かりません。
「やっぱり、軍手してると分かんないな……」
ジョニーさんはそう言うと、軍手を外して素手でタイヤの内側を再び撫でていきます。
「痛っ!」
そう言いながらも、ジョニーさんはゆっくりとその手を戻します。タイヤの内側の異物を探っていたジョニーさんの左手の人差し指からは、少し血が出ているようです。
「何があったのか分かったのはいいけど、本当に幅1mmあるかどうか分からなくらいの薄い金属の刃のようなものが刺さってるんじゃ、暗い中でタイヤの外から見たって分かる訳ないよな……」
ジョニーさんは、そんな事を言いながらマイナスドライバーとラジオペンチを使ってその異物を引き抜きます。そして、もう一回慎重に先ほど見つけた金属片以外の異物がないかどうか、素手でタイヤの内側を点検します。これはとても大事な作業になります。この作業をきちんとやっておかないと、修理したチューブや新品チューブを組み込んでもすぐにまたパンクする事になってしまいます。
今回ジョニーさんは、常時ビジネスボックスに積んでいる新品チューブを使用して、タイヤを再び嵌め始めます。その時は、チューブに必ず空気を少し入れておきます。そうしないと、タイヤレバーでチューブに穴をあけてしまう危険性が増えてしまいます。
ジョニーさんにしてみれば、そこら辺はもう手慣れたものなので、あまり意識する事なく作業をどんどん進めていくのですが、ここで再びタイヤにある異変が起こります。
先ほどから嵌めているタイヤとリムの間から、なんだか薄いゴムのようなものがペロッと出ているのです。
「何だこりゃあ? あっ?! リムバンドか……」
ジョニーさんはがっかりです。もうちょっとで修理が終わるところだったのに、リムバンドが切れてしまっているのです。
ジョニーさんが常時積んでいるパンク修理用品の中に『新品リムバンド』も入っているので、これに交換する為にもう一度タイヤ及びチューブを外します。
しかし、ここで凄かったのは、ジョニーさんはただリムバンドを付け替えるだけではなく、せっかくだから――やけくそとも言います――といきなりマイナスドライバーを使ってリムの内側の錆落しを始めた事です。
確かに、この作業は頻度としてもあまり通常のメンテナンスの中でやる作業ではないと思いますが、まさかツーリング途中の、それもこの夜明けのパンク修理のタイミングでそれを実施するとは思いませんでした。
ジョニーさん、恐るべしです。
結局、こんなトラブルがあったので『2022年中秋の名月ツーリング』は、9月11日の8時に帰宅・終了となりました。復路の燃費は64.67km/ ℓ でした。
さあ、次は今回の報告の冒頭にも記載した30万キロを通過したお話しです。
カブ吉くんは、9月19日にジョニーさんの藤沢市の現場に向かう途中で、無事に30万キロを通過する事が出来ました。
2018年の6月に20万キロを過ぎて、その夏にこのブログを立ち上げてから約4年ちょっとで10万キロを走った事になります。
2020年からは、新型コロナウイルスの影響で微妙に走る距離が少なくなっていた事もあり、やや時間が掛かりましたが、おかげ様でほぼ予定通りの30万キロ通過となりました。
30万キロを迎えるに当たり、特別なメンテナンスはしていませんが、9月17日に吉村さんのお店でエンジンオイル交換、エアクリーナエレメント交換、スパークプラグ交換が実施されています。
これは、それぞれのオイルや部品が、この耐久チャレンジを始める時にジョニーさんと吉村さんで決めた交換距離に達した為に実施されたものです。
エンジンオイルは2千キロ、スパークプラグは5千キロを走ったところで交換となります。エアクリーナエレメントに関しては、2万キロでの交換です。これは、JA07型スーパーカブ110の数少ない定期交換部品の一つです。
それ以外には、今まで耐久チャレンジをやってきた中で決められた、3万キロで交換する事にしたプッシュロッド先端部の樹脂(ゴム?)部品と、テンショナスプリングが交換されています。
交換されたテンショナスプリングの自由長は109.5mmまで縮んでおり、この部品の使用限度が109mmなので、ちょうどいいタイミングでした。
これらのメンテナンスによって、カブ吉くんのカムチェーンからのノイズは、格段に低いものとなります。
10月は、恐らくジョニーさんが『30万キロ整備』を実施すると思いますので、詳細はまたその中で報告をさせて頂きます。
それでは皆さま、また来月お会いしましょう。
管理人
2022年9月末現在 全走行距離 300,873km
(9月走行距離 2,220km 月間平均燃費 62.25km/ℓ )
月まであと 83,572km