スーパーカブ 耐久チャレンジ

JA07型スーパーカブの耐久性を検証するブログです。

2017年 カブ吉くん走行データをアップしました

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 2016年に続き、残念ながら今年もジョニーさんとカブ吉くんのGW長距離ツーリングはありませんでした。それでも、なんとかGW直前までは計画した四国ツーリングへの可能性を残していたのですが、最終的にはどう調整しても『5月2日の大事な仕事』の変更が出来ずに、断念となりました。

 しかし、そこは切り替えの早いジョニーさんです。翌日以降のGW後半5連休を利用して、親戚のいる山形県酒田市へのツーリングに計画変更となりました。

 山形県酒田市には、ジョニーさんのお母様の実家があります。距離としては、片道でちょうど500kmくらいになるので、往復すると1,000kmのツーリングです。

まぁ、ジョニーさんとカブ吉くんにとってはそんなに大変な距離ではありんませんが、こういうものはナメルと痛い目を見る事があります。短い距離でもキチンと準備をしてからでないと、ジョニーさんは出掛けません。

 5月2日の仕事を終えた晩に、ジョニーさんは酒田の親戚に『ちょっと話したいことがあるから、5月4日の夕方にそっちに行くから』と、電話を入れました。そして、5月3日はカブ吉くんの出発前の整備に一日を使います。とは言っても、二週間前にリヤタイヤ、ブレーキシュー、オイルを換えているので、ジョニーさんがやったのは、いつものチェーン給油と空気圧調整、それから各部の締付点検だけです。でも、実はこの『締付点検』が、ツーリングに出る前は、とても重要なのです。

 ジョニーさんは、カブ吉くんのタイヤ交換やオイル交換は、だいたい吉村さんのお店でやります。ですから、その整備に使用される工具類は、吉村さんのお店にある工具が使用されます。当然、プロが使用する工具ですから一級品の工具ばかりです。それをプロの吉村さんが使って、適正なトルクで締める訳ですから、走行中にボルトやナットが緩んでくる事は絶対にありません。

 そうです、ここまでお話しして『ピン』と来た方もいるかも知れません。そういう事がまれに起こるんです、出先で壊れたところを直そうと思ったのに、部品が外れないんです。ボルトやナットやビス類が、ちゃちな車載工具では緩められないんです。

 こういう事態が起こらないように、ジョニーさんはツーリングに行く直前の整備は、最終的に全て車載工具で仕上げる事にしています。それでツーリング中にボルトやナットが緩んだと言う事は、ただの一度もありません。

 自分のオートバイといつも触れ合いながら、長年に渡って整備などをしていると、自然とボルトやナットやビスのサイズを見れば、どのくらいのトルクで締めればいいのかが分かって来ると思います。その点、自転車とそれ程大きく違わないスーパーカブの仲間たちは、乗り手にとても近い輸送機械のような気がいたします。そのスーパーカブを構成している小さな8mmとか10mmのボルトやナットを、親の仇のような力を出して締め付けてはいけません。14mmから19mmのボルトやナットも同様です。そこそこで充分なのです。

 さあ、GW後半をそんな整備をされたカブ吉くんに乗って、ジョニーさんは酒田までのツーリングを楽しんできました。7月末には、今度は新潟に所用ができたので、この時もカブ吉くんと出掛けて行きました。しかし、この年はそれ以外に遠くに走りに行く事はありませんでした。

「それでも、去年よりは楽しかったかなぁ。なんだかんだで、中距離ツーリングに二回行って、距離も年間26,000km走れたんだからね」

ジョニーさんがそう言ってくれるだけで、カブ吉くんは満足なのでした。

 

                                   管理人

【年間走行距離】 26,174km

【年間平均燃費】 58.00km/ℓ

 

 

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2019年4月 カブ吉くん近況報告

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 今月のカブ吉くんは、先月までとは走行エリアががらりと変わり、都区内メインの走行となりました。また、行先もほぼ固定されているようなので、ジョニーさんは『こんなの面白くな~い』と言いながら、悶々とした日々を過ごしているようです。

 しかし、そうは言いながらも、カブ吉くんはちょうど一年使ったリヤタイヤとリヤブレーキシューを交換してもらい、いつでもロング・ツーリングに出れる体勢になっています。

 今まで使用していたリヤタイヤは、昨年の4月13日に交換して、約27,000kmを走りました。このタイヤは割り合いもった方ですが、その年によって使用走行距離は、結構バラツキがあるようです。ジョニーさんは昨年の4月にタイヤ交換をして、5月の連休に『四国西側ツーリング』(時間が足りなくて、全部回れませんでした)に行き、6月の『東北ツーリング』では太平洋側を大間崎まで往復しました。その後も、11月には山形県鶴岡市の『羽黒山五重塔』まで行ったりしていたので、使用距離が延びたのではないかと思います。

 ツーリング使用を含まない近距離走行の繰り返しだと、ここまでタイヤの寿命は延びず、だいたい20,000kmくらいで交換になってしまう事もあります。

 

 カブ吉くんはタイヤ交換の後、ジョニーさんに久しぶりに奥多摩に連れて行ってもらいました。リズミカルにコーナーリングを楽しみながら、タイヤの皮むきとブレーキシューの当たり調整が一度に出来てしまいます。奥多摩までの道中でも『CB750K0』や、非常に珍しい『CB350セニア』などとすれ違ったりして、ジョニーさんもご機嫌でした。

 燃費は、このように奥多摩などに走りに来ると60km/ℓを超す燃費が出るのですが、それ以外の都区内走行では、今月は50km/ℓを割り込む燃費を3回記録してしまいました。一ヶ月の間にこのような事が複数回起こるのは、2010年7月から走り始めてから、今までになかった事です。信号の多い都区内走行とは言いながらも、片道12kmの距離があるので、それ程条件が悪い訳ではないと思います。気温も決して高くはありませんが、平年並みと考えて問題が無い状況です。しかし、その中で出て来る燃費が、47~48km/ℓというのはやはり少し問題を感じます。ジョニーさんも、今後どのように対応をして行くのかを、吉村さんとちょこちょこ話し合っているようです。

 近日中に対応策が出て来るのか分かりませんが、白煙が止まらなかったり、オイルが極端に減っていたりする訳ではないので、この件はもう少し時間が掛かりそうな気がします。

 

 さて、5月から新しい元号の『令和』が始まります。そして、オートバイに乗るのにも最高の季節がやって来ます。どちら様にも、素敵な新しい1ページが始まる事を祈っております。

                                    管理人

 

2019年4月現在 全走行距離 221,439km

(4月走行距離 1,315km 燃費53.85km/ℓ)

月まであと、163,014km

カブ吉くん メンテナンス(22万キロ整備 詳細編)その二

(その二)

 

7.エンジンオイル量点検

 カブ吉くんは、20万キロを超えてから少しずつオイルが減るようになって来ているので、日常点検項目となりました。

 今回は、オイル交換からまだ360km程しか走っていないので、ほとんど減りは見られませんでした。

 マフラーからの白煙もほぼ気にならないくらいの状態です。しかし、G1オイル使用時と比べれば頻度は低くなってはいますが、信号待ちで停車中にオイルの焼ける臭いをたまに感じる事があるので、完全にオイル上り――この時点ではオイル上りという判断でしたが、2019年9月以降では、排気バルブのステムシール不良によるオイル下がりという判断に変わっています――が治まっている訳ではないようです。今後も、しばらくの間は様子を見ていくように致します。

 

8.バッテリー点検

 カブ吉くんの現在のバッテリーは、新車時装着のものから2個目のバッテリーに替わっています。

 最初のバッテリーは、走り始めてから4年目の夏ごろから突然弱りだし、その時点で距離もちょうど10万キロを超えたところだったので、現在のバッテリーへと交換になりました。

 JA07型スーパーカブには『MFバッテリー』が使われているので、基本的なメンテナンスは不要です。精製水等の補充も必要がないので、確認することは端子の接続のゆるみ及び外観の状態、電圧の確認となります。

 バッテリー端子には白い粉等の発生もなく、接続も問題のない状態でした。バッテリー外観に関しては、搭載の仕方が横倒しに近い形なので、液漏れ等の異常がないかを含めて点検します。こちらも問題なしです。

 最後にバッテリー電圧の確認をします。やはり、この項目がバッテリー点検の中で、一番重要な部分となります。特にMFバッテリーの場合は、常に満充電の状態になっている事が求められます。慢性的な充電不足では、バッテリーの寿命は非常に短くなってしまいます。そういう意味からも、カブ吉くんでは定期的に確認をしています。

 また、開放型のバッテリーと違って、寿命が来た時には、一気に性能がダウンしてしまうというのも、このMFバッテリーの特徴かもしれません。

 冒頭にも記載しましたが、実際にカブ吉くんのバッテリーも4年目(2014年)の8月を迎える辺りまでは何の問題もなかったのですが、9月の中旬ぐらいから突然スタータモータの回転力が弱く感じるようになって来たのです。

 ジョニーさんは親友の田中さんから充電器を借りて追加充電などをしてみたのですが、その時点ではもう12.68ボルト(正常なバッテリーは、充電後は12.8~13ボルトを少し超えるくらいまで電圧は上がります)までしか電圧が上がらなくなっていました。

 そして、結局このままの状態で寒い冬の時期を迎える訳にもいかないので、10月の初旬には純正指定と同型式のバッテリーを購入し、それと交換となりました。

 その年の4月中旬に電圧を測定した時は13.06ボルトの電圧があり、全く問題がなかったのですが、数か月後の交換時には12.19ボルトまで低下していました。こうなってしまうと、どんなに充電しても12.6ボルト以上は電圧が上がらないようになってしまいます。これは『MFバッテリー』の典型的な最後です。

 さて、今回のカブ吉くんのバッテリー電圧はどうだったのでしょうか?まずは、開放電圧の点検ですが、13.11ボルトをデジタルテスタが表示しています。まったく問題ありません。そして、次にエンジンを始動した状態で、再度測定をします。こちらの値も、14.23ボルトを表示しています。更にエンジンの回転を上げていくと、15ボルト近くまでデジタルテスタの値も上昇します。レギュレート/レクチファイヤも含めてこちらも問題ないようです。

 最初のバッテリーは、4年前に約10万2千キロで交換しました。現在のバッテリーは、そこから約5年経過して約12万キロ使用しています。『もうそろそろかな?』という気もするのですが、まだ予備のバッテリーを購入するまでに至っていません。購入予定のバッテリーは、純正で装着されている『YUASA製 YTZ7S』です。ジョニーさんは吉村さんときちんと話しをして、耐久性に少しでも影響が出そうな部品については『基本的には純正部品』を使用する事に決めています。少し値段は高いですが引き続き純正指定のバッテリーを使う予定です。

 

9.ハンドルカバー防水処理

 カブ吉くんには、だいたい10月~翌年梅雨明け(概ね7月中旬くらい)まではハンドルカバーが装着されています。それは、雪と台風以外は天候に関係なくジョニーさんがカブ吉くんに乗るからです。ですから、当然雨天の走行も多くなります。しかし、ジョニーさんは平気な顔をして雨天に走り回るくせに、とても寒がりで身体が濡れたりするのをとても嫌がるのです。そんな理由から、カブ吉くんのハンドルカバーは梅雨明けまで外される事がありません。

 しかし、そのハンドルカバーも完全防水ではないので、長い時間の雨中走行や豪雨の時には、中までぐちゃぐちゃになってしまいます。その状態になるのを少しでも引き延ばそうとして、ジョニーさんは雨中走行のあとには必ずハンドルカバーに防水スプレーを吹くのです。こうしておくと、次回の1時間くらいの雨中ライディングでは、中まで雨水が浸透してくるのを防止する事が出来るのです。豪雨とか長時間のライディングでは、やっぱり無理ですが……。

 また、『ハンドルカバーは、中が濡れてしまうとなかなか乾かない』と言って、悩んでいる方がおられますが、ジョニーさんはあまり気にしていないようです。一日の雨中ライディングが終わった後に、ジョニーさんはどんなに疲れていても、雑巾を硬く絞ったあと、そのを四つ折りにして、ハンドルカバー内側のボア生地に残った水分を吸い取ります。この作業を三~四回くらい繰り返してやると、ほぼボア生地は乾いた感じに復活します。そして、次の日がうまい具合に晴れてくれれば、その日の午後には完璧にハンドルカバーの内側は乾いているはずです。お試しください。

 

 

10.リヤバルブソケット交換

 先月の中旬に、カブ吉くんのテールランプが5ヶ月ぶりに切れました。ジョニーさんは『あ~あ、またなんかちょこちょこ切れ始めちゃったなぁ~』などと言いながら、テールレンズ下部にある2本のスクリュを緩めて、カブ吉くんのテールレンズを外します。そして、中の切れたバルブを引き抜くために、そのバルブに指を掛けたのですが、次の瞬間、ジョニーさんは自分の指先に微妙な違和感を覚えました。

『あれ~、バルブの取付状態って、こんなにグラグラしてたっけ?』思わず中を覗き込むジョニーさん。

『なんかバルブを挟んでる樹脂のソケットが欠けてんじゃないのか~?』と言いつつ、ジョニーさんは少し指先に力を込めてバルブをゆすってみました。すると、ポロポロとその樹脂のバルブソケットが端の方から崩れていくのです。

 びっくりしたジョニーさんは、すぐに吉村さんに電話します。そして、状況を説明すると、吉村さんから『とうとう、カブ吉にも出ちゃったか……。まぁ、バルブが装着されてる部分だけの部品が取れるから、それを取っておくよ。また、暇なときに寄ってくれ』という返事が戻って来ました。

 ジョニーさんが後日その部品を引き取りに行った際に、吉村さんから詳しい話が聞けたそうなので、ここに報告させて頂きます。

 2009年6月から販売されたJA07型スーパーカブから現在に至るスーパーカブまで、このバルブソケットは同じ形状の樹脂部品が使われているようです。そしてこの部品は、長い間使用していると、熱の影響を受けて樹脂の部分がぼろぼろになってしまう物があり、カブ吉くんに起きたようなトラブルが発生する事があるそうです。一概に『長い間』と言っても、カブ吉くんで考えてみると、20万キロ走る間はずうっとテールランプは点いている訳ですから、平均時速30キロで割ってみると、約6,700時間くらいになります。これは、単純に考えてもそうとうに長い時間です。

 結局、ジョニーさんは『これに交換してやれば、次は40万キロくらいまで大丈夫って事だな』などと言いながら、吉村さんに取ってもらった同じタイプの樹脂部品に交換したのですが、その事とは別に、吉村さんからスーパーカブのテールランプに関して面白い話しを聞かせてもらったので、ここに紹介させて頂きます。

 

『JA07型スーパーカブが発売されてから、現在販売されている車種まで同じ樹脂のバルブソケットが使われて来てたんだけど、最近一車種だけ違う部品を使ってるのがあるんだ。それが、60周年記念モデルなんだよな~。それもウェッジ球じゃなくて、昔の金属口金付タイプを使用するんだよ。やっぱ、そっちの方が良いって事なのかね~』

 

 そんなことを教えてもらったジョニーさんは、カブ吉くんのテールランプを丸ごと交換してみようかなぁ? などと、真剣に考えているようです。

 確かに、サービスマニュアルの絵を見ていると、何だかアッセンブリで交換が可能なような気もしてきますが、果たしてそこまでする必要があるのでしょうか? 

 実に微妙なところであります。だって、今までの仕様でも、カブ吉くんの場合で6,000時間以上使えていた訳ですからねぇ……。

 

 それでは、この辺で二回に分けて掲載させて頂いた『22万キロ整備 詳細編』も、終わりにさせて頂きたいと思います。

 

 少しでも皆さまのお役に立てれば、幸いでございます。

                                   

                                   管理人