2020年1月 カブ吉くん 近況報告

 皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 いよいよ新しい年が始まりました。皆さまにとっては、どのようなスタートの一ヶ月になりましたでしょうか? 

 ジョニーさんとカブ吉くんの走行状況は、1月中旬くらいまでは昨年の12月に引き続き、あまり寒さを感じる事なく過ごせる日が多かったので、その間は比較的穏やかなライディングが楽しんでいたようです。とは言っても、今年も去年と同じで『〇〇〇新春ツーリング』などと言う、年末年始を利用した趣のある行事は、全く実施される事はありませんでした。

 しかし、1月も下旬が近づいて来たあたりで、気象庁が雨や降雪の予報を出した事をきっかけに、通常はこの時期降雨も少ないので、スルーしがちになってしまうスリップサインの出始めていたカブ吉くんのフロントタイヤの交換を、ジョニーさんは急遽実施する事にしました(ツーリングに行く為ではありません。滑って転びたくないだけだと思いますが……)。

 雪が降ってしまうと、さすがのジョニーさんもカブ吉くんに乗るのをやめてしまうのですが、雨や霙交じりくらいの天気だと、普通に出掛けて行きます。ただ、やはり溝のないフロントタイヤでのライディングは、あまり気持ちのいいものではないので、この予報が出たタイミングでの交換となりました。

 これでフロントタイヤは、9本目の交換となります。当然、いつもようにフロントフォークオイルの交換も、併せて実施となりました。

 せっかくフロント廻りを外したのですから、ついでにいろいろな部分を点検して行きます。

 まずブレーキシューですが、167,000kmで交換して約7万キロを走行しておりますが、全く問題はありません。恐らくあとタイヤ二本分、距離にして約5万キロくらいは大丈夫なくらいシュー自体の残量がありました。

 ホイールベアリングの回転にも問題はなく、メーターギヤのグリスも充分に残っています。フロントフォークに入っているフォークスプリングの長さも、315mm弱の長さがあり、ほとんど13万3千キロ時に計測した値と変化がありません。

 バイク便などで使用されている250cc以上のマシン達は、やはり20万キロを超えて来ると、重量の関係からかホイールベアリングを粉砕してしまうマシン達が増えて来るのですが、カブ吉くんにその兆候は見られません。こういう部分では『軽量である』という事は、本当に重要な要素であることが分かります。

 また、このタイヤ交換の時には、エンジンオイルも一緒に交換しています。こちらも12月の交換と同じく、G2(10w-40)への交換です。先月は、交換から交換までの間に、エンジンオイルを補給する事はなかったのですが、1月は100ccほどの補給が必要となりました。気温的にそれほど暖かく感じていた訳ではないのですが、今月は信号で停車している時に、たまにオイルの焼ける臭いを感じる事がありました。

 きっと、その辺は非常に微妙な問題があるのだと思います。『寒い時期は一切オイルが減らない』というようになってくれれば、どれだけ気持ちが楽になるのかと考えると、ちょっとジョニーさんは悲しい気持ちになってしまいます。でも、こればかりはカブ吉くんも機械なので、修理をしない限りは絶対に直る事はないのです。

 

 このまま、何事も起こらずに1月も終わるのかと思っていた1月29日に、その出来事は起きました。

 その日、神奈川県の県央地域で仕事を終えたジョニーさんとカブ吉くんは、大分西側に傾き始めた太陽を背に受けながら、家路を急いでおりました。

 国道129号線を上り込み橋本を経由し多摩センター方面に向かっていた二人は、微妙に燃料が足りなそうな雰囲気を感じ取り、こちら方面に来た時にちょこちょこ給油する南大沢のガソリンスタンドに入って行ったのです。

 

 「191km走って、3.73 ℓ 入ったか……。って事は……、約51km/ℓ しか走ってないじゃん……」ジョニーさんは、カブ吉くんを不満げな目つきで見つめます。

『え~っ、僕のせいじゃないよ~。ジョニーが少しスロットルを開けすぎなんだよ~』カブ吉くんは必死に弁解をしています。

「まぁ、しょうがないか……。ともかく、ここからは少しゆっくり帰ろうかな」ジョニーさんはそう呟いた後、メインスイッチを入れ、スロットルグリップの脇にあるスタータスイッチを右手の親指で押し込みます。

「……、ぅうん、なんだ~?」ジョニーさんは、びっくりしました。

本来ならスタータモータによってエンジンが始動するはずなのですが、スタータモータは全く回転しません。それに、先ほどまで煌々と点いていたはずのニュートラルランプまで消えてしまっています。

「どうなっちゃてるの~」などと言いながら、スタータスイッチを使って始動を試みるジョニーさんですが、カブ吉くんはうんともすんとも言いません。メインスイッチを切ったり入れたりしてもダメです。ニュートラルランプは全く点かず、PGM-FI警告灯が細かく瞬きをするように微かに点いています。

 しかたなくジョニーさんは、カブ吉くんを給油ポンプの前から他の人の邪魔にならない場所に移動します。

『まずはヒューズの確認をしてみるか……』

 そう考えたジョニーさんは、右サイドカバーのビスを10円硬貨を使って緩めます。次に、ヘルメットホルダー近くに留められているトリムクリップを外します。そして、サイドカバーの内側にある15Aのメインヒューズと10Aのサブヒューズの両方を確認します。

「全然、切れてないじゃん……。どういうこと~……」ジョニーさんは困惑しています。

 

 その後、ジョニーさんは吉村さんに電話を掛けて、いろいろなアドバイスを受けたようです。

 カブ吉くんには、電気がまともに流れていない状況ではありますが、キックスタータを使用すれば、エンジンがなんとか掛かかる事が分かりました。ウインカーランプなどは、うっすらとしか点かなかったりしますが、なんとか気を付ければ走行する事が出来そうです。ジョニーさんとカブ吉くんは吉村さんのお店を目指して、『明るいうちに出来るだけ帰ろう』と、再スタートを切りました。

 走行を始めてしばらくの間は、ウインカーもまともに作動しない為、ジョニーさんは手信号を使いながら、進路変更をしたり減速をしたりして走行を続けます。しかし、聖蹟桜ヶ丘の手前辺りまで戻って来た時に、何気にニュートラルランプが煌々と点いている事にジョニーさんは気が付きました。

「あれ~、なんかさっきより元気になったみたいな感じだぞ……」ジョニーさんは、試しにウインカースイッチに指を掛けてみます。

『カチッ…カチッ…カチッ』規則的なウインカリレーの音と、正常に点滅するウインカーランプが確認できます。

「なんだか訳わからないけど、直ってるみたい……」ホッとするジョニーさんです。

「また壊れないでくれよ~、カブ吉~。吉村さんのところまで頑張ってくれ~」

 

 吉村さんのお店に到着した後、ジョニーさんと吉村さんで、スタータスイッチを交換してみたり、バッテリーを再充電してみたり、いろいろとやってみたのですが、すぐに原因は特定する事が出来んませんでした。

 しかし、一つだけどうしてもおかしな事があったのです。それは、カブ吉くんに付いているバッテリーが、無負荷だと13ボルト付近を表示するのですが、スタータスイッチを押した瞬間に、6ボルト付近まで急降下してしまうのです。通常ではありえない事です。その状況を、デジタルテスターを使って確認した吉村さんが口を開きます。

「ジョニー、これはたぶん『バッテリー突然死』ってやつだな……。ちょっと一回、ほかの元気なバッテリーに変えてみるか」吉村さんは、言うが早いかすぐに作業に取り掛かります。

 最初にバッテリ(-)ケーブルを取り外し、次にバッテリ(+)ケーブルを外します。サービスチェックカプラをバッテリケースカバーから外して、ケースを固定しているスクリュ2本を取れば、バッテリーはもう外せる状態になります。

「カブ吉の純正の『YTZ7S』は今ないから、この4アンペアのバッテリーを使ってみるか」などと言いながら、吉村さんはバッテリーの入れ替えを進めます。

「JA07型のバッテリー『YTZ7S』は6アンペアだけど、今走ってるJA44型は4アンペアだからな。一時的なら、何の問題もないだろう。スタータモータも普通に回ると思うぞ」と、吉村さんが言い終わる頃には、バッテリーの交換は終了していました。

「ジョニー、スタータスイッチを押してみてくれ」吉村さんが言います。

「うん、わかった。押してみるね」ジョニーさんはそう言いながら、右ハンドルカバーの中に右手を突っ込みます。

『キュルキュルキュル』と軽やかにスタータモータが回転し、カブ吉くんのエンジンは始動しました。

「やっぱり、バッテリーが原因だったな」吉村さんが頷きなが、ジョニーさんに話しかけます。

「本当だね、でも勘弁して欲しいよな……。燃料入れるのにスタンド入る前までは、何の不調もなく元気に走ってるんだよ~……。それで、燃料入れ終わって出ようと思ったら『バッテリー突然死』って、……そんなの、分からないっつうの……」ジョニーさんは不満顔です。

 

 現在カブ吉くんは、その4アンペアのバッテリーを仮搭載して、新しい6アンペアのバッテリーが来るのを待っているところです。

 バッテリーメーカーの話しを聞くと、製造設計的には10年は持つ計算で製品は造られているらしいのですが、カブ吉くんで使用されたバッテリーはそんなに持ちませんでした。

 使用環境的には、ほぼ毎日走っているので、悪い環境ではないはずですが、少し走り過ぎている感じがしないでもありませんので、設計寿命の10年を迎えられるような、ほどよい環境ではないのかもしれません。

 新車から付いていたバッテリー『YTZ7S』は、約4年3ヶ月、10万2千キロで交換しました。そして、今回ダメになった『YTZ7S』は、約5年4ヶ月で約13万6千キロです。なんだか、やっぱり納得出来ない感じのジョニーさんです。

 そんなジョニーさんの気持ちを察したかのように、吉村さんが口を開きます。

「そう言やぁ、年間5~6万キロは走るバイク便のマシン達に付いてるバッテリーも、大体2年に1回は換えてたなぁ~。そうやって考えてみると、容量の小さいバイク用バッテリーってのは、10万キロくらいしか持たないのかもしれねぇなぁ~。13万キロ走ったカブ吉のバッテリーは、充分持った方じゃねぇのかなぁ~」

「……、そうかもね。こんな小さい6アンペアのバッテリーだもんね……」

ジョニーさんは、カブ吉くんから外された『YTZ7Sバッテリー』を、じっと見つめていました。

 

 さて、新しい3個目のバッテリーを付けたカブ吉くんの2月の走りは、一体どうなるのでしょうか? 皆さま、お楽しみに!

                                   管理人

 

2020年1月末現在 全走行距離 238,692km

(1月走行距離 1,944km 燃費 55.23km/ ℓ )

月まであと 145,708km