スーパーカブ 耐久チャレンジ

JA07型スーパーカブの耐久性を検証するブログです。

2018年 カブ吉くん走行データをアップしました

  皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 2012年から2015年まで4年間続いていたゴールデンウイークを利用した宿泊ツーリングも、2016年と2017年はジョニーさんの仕事の関係で中断してしまいました。

 しかし、2018年はそのうっぷんを晴らすかの如く、3回の宿泊ツーリングが企画実施されましたで、ここで簡単にご紹介したいと思います。

 

 まず、最初に実施されたのは、いつものゴールデンウイークを利用した6泊7日の『四国西側ツーリング』です。

 なんか変なネーミングですが、ジョニーさんがいつも通りのいい加減な計画を立ててしまったので、『当初は一周する予定だったが、時間が足りなくなって西側半分しか廻れなかった』という事で、このネーミングになったようです。

 四国へのルートは、当然『耐久チャレンジ』の基本理念である『走って行けるところには、走って行け!』に従い、往きも帰りも陸路の『しまなみ海道』を選択。

 全行程の走行距離は2,610kmで、平均燃費は59.32km/ℓ という結果が出ています。1日あたりでは約370kmを走行しているので、そういう意味では、『走る事を重視』したツーリングだったと考えてもいいかも知れません。

 

 次は、5月27日から6月1日に掛けて実施した『東北太平洋岸ツーリング』です。このツーリングは、5泊6日で『東日本大震災』の被災地を廻り、最終的には下北半島も一周してくるというツーリングとなりました。

 ジョニーさんとカブ吉くんは、2013年にも被災地を巡るツーリングを実施しています。ジョニーさんの心の中では、今後も不定期ではありますが、この『東北太平洋岸ツーリング』は、継続的に実施していくつもりのようです。

 

 走るルートは、今回は東京から国道6号線を一気に下っていくルートが選択されました。千葉県を抜け、利根川を渡って茨城県に入ります。霞ヶ浦を右手に眺めながら、水戸市日立市へとどんどん駆け抜けて行きます。そして、高萩市から北茨木市まで来ると、東北の玄関口である福島県の『勿来(なこそ)の関』までは、もうあと一息です。

 

 この国道6号線は、通称『陸前浜街道』とも言われております。茨城県水戸市あたりまでは比較的渋滞が多く、決して走りやすい道路ではないのですが、ジョニーさんはこの『陸前浜街道』の呼称が大好きです。

 昔は、福島県小名浜港に水揚げされた水産物を積んだ多くのトラック達が、真夜中の『陸前浜街道』を煌々とヘッドライトで照らしながら、築地を目指して爆走しておりました。ジョニーさんは仕事で日立や高萩方面に向かう時などは、そのトラックの大群と早朝に度々すれ違っていたそうです。

 綺麗なアルミバンに、黒字を赤く縁取った勇ましい飾り文字で、大きく『小名浜港』などと書かれたトラック達が、今でもとても印象に残っているそうです。

 東北地方のトラックというのは、関東から西側の地方のトラックと比べると、カラーリングがとても派手なような気がします。シャーシーの部分が真っ赤に塗られているようなトラックは、西の方ではあまり走っていません。当然、塩カル対策の意味もあるのですが、一年の数か月間を雪と共に生きる東北の人々の『内に秘めたるパワー』を、ジョニーさんはそんな所にも感じてしまいます。

 

 そして、今では考えられない事ですが、1980年(昭和55年)時点では茨城県日立市高萩市などにつながる高速道路はありませんでした。それこそ、その頃の日本には、まともな高速道路は『東名高速』と『名神高速』くらいしかなかったのです。

 中央自動車道は、かろうじて首都高速とはつながっていましたが、西側は勝沼までしか出来ていませんでしたし、その先は、韮崎と小淵沢が一部開通しているくらいでした。(名古屋方面からは、恵那山トンネルを越えて伊北のあたりまではつながっていた気がします)

 東北自動車道は、岩槻から宇都宮が出来た後、小間切れに開通しながら、かろうじて仙台を越えた古川のあたりまではつながっていたと思います。

 でも、こちらは中央自動車道とは違い、首都高速とはまだつながっていなかったので、ジョニーさんは東北自動車道を利用する時は、大体が久喜インターチェンジで乗り降りをしていたようです。

 また、関越自動車道にいたっては、練馬と東松山しかつながっていませんでしたから、あまり使う車もいませんでした。ましてや常磐自動車道などは、工事は始まっていましたが、その時点ではどの区間も出来ておりませんでした。

 ですから、茨城県日立市高萩市方面に仕事で行くのは、当時は結構大変なことだったのです。午前2時くらいに出発しないと、朝一番に日立市に着かないのです。ほかの道路の選択肢もあまりないので、『陸前浜街道』がやっぱりメインとなります。

 真っ暗な『陸前浜街道』を、たくさんの大型トラック達が運転席の上に付いているグリーンの速度表示灯(今は速度表示灯はありません。当時、大型貨物車は中速車指定で、法定速度は50km/hでした。ちなみに、原付を除く250cc未満の二輪も中速車でした)を3個フル点灯して爆走している様は圧巻でした。(違反ですが……)

 そんなジョニーさんの大好きな『陸前浜街道』ですが、2011年の東日本大震災の時に同時発生した福島第一原子力発電所の事故を境に、帰宅困難区域を通る部分が長い間通行止めになってしまいます。

 2014年9月に四輪車のみ通行が出来るようになりましたが、その後も二輪車や自転車は通行禁止が続けられていました。

 このツーリングの時点で、震災発生からすでに7年の歳月が流れています。そして、一時に比べれば、震災関連の報道はぐっと数が少なくなっている感じがします。ジョニーさんの中では、あの未曾有の大惨事が、人々の記憶から薄れて行く事だけは断じてあってはならないという思いが強くあります。

 そして、その国道6号線の富岡町にある『二輪車通行禁止』区間の始まるところまで行ってみたいという思いもあり、今回のルートが決められました。

 

 5月27日(日曜日)の朝6時から走り始めて、その日の午後にようやくその『二輪車通行禁止』場所までたどり着きました。ジョニーさんとカブ吉くんは、国道6号線の『月の下』交差点を左折してすぐに停車します。建物を見ると掲示物の一部から、その建物が『東邦銀行富岡支店』だったのが分かります。

 ジョニーさんとカブ吉くんの立っているこの県道112号線を境にして、北側は『帰宅困難区域』に指定されているので、目に入って来る家々に居住されていた方々は、現在はおられません。

 ジョニーさんは、今回のツーリングに持参している『家庭用放射線測定器』をおもむろに取り出し、その地点の放射線を測定し始めます。

数分後『0.36μ㏜/h(マイクロシーベルト)』の値が出ます。これは、一時間当たりの放射線量なので、年間に換算すると約3.2m㏜(ミリシーベルト)になります。一般の方の放射線被ばく量は1m㏜(ミリシーベルト)と以下と法律で定められていますので、その約3倍になります。

 ジョニーさんは放射線測定をしながら、

『この県道を境にして、北側は帰宅困難区域に指定されているけど、南側はされていないんだよな……。でも、道路を境にして、反対側の指定されていない区域の放射線量が激減している訳じゃないからな……』などと、何やらぶつぶつと言っております。

 ふと気が付くと、そんなジョニーさんを遠巻きに、かつては人に飼われていたのではないかと思われる数頭の野犬たちが集まって来ています。それに気が付いたジョニーさんは、素早く再スタートの身支度を済ませ、カブ吉くんに跨り、再び走り始めました。

 『帰宅困難区域』を右手に見るようにしながら、大きく山側に廻り込む迂回路を走って行きます。その途中々々に建っている家を見ると、カーテンが半開きになったままで、住んでいる人の気配が感じられないような家々が散見されます。

 普段なら、気になる場所があればジョニーさんはすぐにカブ吉くんを止めるのですが、今回はそうもいきません。さっきからずうっと付いて来ている野犬たちが、じわりじわりと数を増やしながらジョニーさんとカブ吉くんの動向に注目をしているようなのです。

 ジョニーさんも結構長いあいだ日本各地を走り回っていますが、こういう意味で緊張をする場所は、あまりなかったような気がします。ジョニーさんは、何とも言葉に出来ない複雑な気持ちになりました。

 

 その後、このツーリングは5日間続き、全行程で2,169kmを走りました。そして、このツーリングの尻屋崎に向かう途中で、カブ吉くんは『200,000km』を通過したのです。若干、気温が上がらず肌寒い日が多かったせいか、平均燃費はあまり伸びずに、57.9km/ ℓ という結果でした。

 

 最後は、11月2日~4日の二泊三日で実施した『羽黒山ツーリング』です。

このツーリングは、ジョニーさんが前から観たがっていた『羽黒山五重塔(国宝)』を観に行く為のツーリングです。

 『羽黒山五重塔』は、明治維新から現在に至るまでの150年間、塔の内部が一般公開された事はなく、今回が初めての一般公開となるものです。

 ジョニーさんは、本当はもっと早い時期にツーリングを実施したかったのですが、仕事の都合がなかなかつかず、結局一般公開(11月4日まで)が終了する間際のツーリングとなってしまいました。

 しかし、全行程で1,000kmという短いツーリングでしたが、この時期にはなかなか宿泊ツーリングを実施する事がないので、早朝に新潟県の白根で国道8号線を離れ、新津から阿賀野川を渡って行くあたりで経験した『幻想的な朝霧の中を、きらきらとした朝陽を浴びながら走行する』場面があったりと、短いながらもとても印象に残るツーリングとなりました。

 

 結局、2018年は一年間で26,212kmを走行致しました。その内の、約6,000km弱が上記三つのツーリングとなります。

 ジョニーさんとカブ吉くんにとっても、『九州ツーリング』に行った2015年以来の楽しい一年だったのではないかと、管理人は思います。

 また、それぞれのツーリング内容も、別の機会となりますが、どこかで詳しくお伝えする事が出来ればいいなと考えております。

                                    

                                   管理人 

【年間走行距離】 26,212km

【年間平均燃費】 57.75km/ℓ

 

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