皆さまこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。
今月は、4月25日に発表された『第93回アカデミー賞』で、大方の予想とは裏腹に、二度目の主演男優賞を受賞した ≪アンソニー・ホプキンス≫ の話しから始めたいと思います。
皆さまもよくご存じの通り、この名優アンソニー・ホプキンスは、30年前の1991年に『羊たちの沈黙』でハンニバル・レクター博士を演じ、一度目のアカデミー主演男優賞を受賞しています。
ロンドンで舞台俳優としてキャリアをスタートさせた後、1968年に『冬のライオン』で映画初出演を果たします。そして、この映画の中では、主演のピーター・オトゥールやキャサリン・ヘプバーンに臆することなく堂々とした演技を見せ、映画ファンたちに強烈な印象を残しました。
それ以降も、往年の名優たち(ローレンス・オリヴィエ、ショーン・コネリー、マイケル・ケイン、ロバート・レッドフォード、ジーン・ハックマン他)が出演していた1976年の『遠すぎた橋』のイギリス軍落下傘部隊の隊長役や、1980年『エレファント・マン』の医師役などを演じ、存在感をさらに高めて行きます。映画好きの吉村さんやジョニーさんにとっても、大好きな俳優さんの一人です。
そんな積み重ねの結果が、1991年の『羊たちの沈黙』による一度目のアカデミー主演男優賞受賞へとつながって行きます。
それから約30年後の2020年に、今度は『ファーザー』という作品で、80歳を越えて認知症の兆候が出始めた父親と、その父親の行動一つひとつに対応して徐々に消耗していきながらも、それでも何とか父親を支えていこうとする娘の物語に出演します。そして、そこでの認知症の父親役の演技が賞賛を呼び、今回再びの受賞となりました。
近年、『親の認知症』という問題は、世界中の誰もが体験する可能性のある問題なのではないかと思うのですが、そんな身近でありながらも非常にデリケートで難しいテーマを扱い、その認知症特有の記憶と時間の混乱が出始めた父親役を、本当に素晴らしくアンソニー・ホプキンスが演じているそうです。
日本での公開は5月中旬からのようなので、ジョニーさんは『コロナの様子を見ながらだけど、俺は絶対に観に行くぞ~』と宣言をしていましたが、新型コロナウイルスへの緊急事態宣言の関係もあるので、興味のある方は充分に対策をした上で足を運んでみてはいかがでしょうか? きっと、また新しい発見があるかもしれません。
さて、アカデミー賞関係のアンソニー・ホプキンス出演作品の話しが長くなってしまいましたが、実は今回お話ししたかったのは、本当は違う作品の話しなのです。
オートバイに乗っていたり、オートバイが大好きな人にとって忘れてはいけないアンソニー・ホプキンス主演作品があります。それは、『世界最速のインディアン ≪The World's Fastest Indian≫ 』です。
この映画はオートバイに乗らない方々を含めても、多くの皆さまがご存じではないかと思いますが、ここで簡単にあらすじをご紹介したいと思います。
ニュージーランド南島インバーカーギル出身である、すでに60歳を過ぎているバート・マンローが、最高速度挑戦用に改造を続けてきた1920年製のインディアン・スカウト(スーパーカブが発売になる38年前のオートバイです)と共に、多くの苦労を乗り越えながらアメリカに渡り、ユタ州にある『ボンネビル・ソルトフラッツ』で開催される最高速度競技会に出場して、世界記録を樹立するという物語であります。
ジョニーさんは本当にこの映画が大好きで、映画が始まってすぐのバート・マンローが暮らす家(作業場?)の数シーンだけで、もうすでに完全な降参状態となってしまうのだそうです。
『OFFERINGS TO THE GOD OF SPEED』と白いペンキで書かれた木製の棚に、恐らく自身で製作したであろうピストンも含む、数多くのシリンダーほかのエンジン部品類がのせられています。
その棚を、カメラはやや低めのアングルから、ゆっくりと左から右にパンしながら映していくだけのシーンなのですが、これがなんだかとてもカッコイイのです。
これを観てしまったジョニーさんは、早速自分の部屋にあるスチール棚にマジックで同じことを書きます。そして、その上に当時乗っていたセローのスパークプラグやエアクリーナエレメントなどを並べて悦に入っていたそうです(あまりにスピードが出なそうで、スピードの神様に怒られてしまいそうですが……)。
主人公のバート・マンローが最初の記録を樹立したのは、彼が63歳の時だったそうです。ジョニーさんもその年齢に大分近づいて来ているので、やっぱり何か思うところがあるのかも知れません。今ではこの映画は、ジョニーさんにとって、人生の大切なバイブルのようなものになっているそうです。
まだご覧になっていない方がいらっしぃましたら、もし宜しければ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか? 生きて行くための夢や楽しさが、少し増えるかも知れません。
管理人も、この映画が大好きです。とても良い映画だと思います。
さあ、今月もカブ吉くん以外の話しが長くなってしまいました。ごめんなさい。
それでは、4月の近況報告を始めさせて頂きます。
まず走行エリアとしては、月の前半は神奈川県の海老名市に昨年の6月から続いている現場があり、その最終仕上げのタイミングがちょうど今月上旬に決まったので、ジョニーさんとカブ吉くんは毎日国道246号線を使って、せっせとその海老名市の現場まで通っておりました。
片道50kmくらいなので、一日の往復走行距離はこれだけで100kmになります。二人にしてみれば、割と朝飯前の距離かもしれません。しかし、それは何もトラブルが起こらなければという話しであります。
4月6日19時ごろ、その日の海老名の仕事を終えたジョニーさんとカブ吉くんは、快調に国道246号線を上り込んでおりました。多摩川に架かる新二子橋を渡り、駒沢のちょっと手前まで戻って来たところで、ジョニーさんは左に進路変更をしました。その時、ジョニーさんはカブ吉くんのフロント廻りが少し遅れて付いて来るような、何か通常とは違う違和感を覚えます。
「なんだ~、俺はとうとうバイク乗るのも下手くそになったのか~?」
ジョニーさんは独り言を呟きながら、ちょうどよくその先の信号で止まったタイミングで、ウインドシールドの脇からフロント廻りを確認して見ます。
「ありゃ? 何かフロントタイヤがベコベコになってるぞ……」
あまり頻度は多くある事ではありませんが、フロントタイヤのパンクです。ジョニーさんは、カブ吉くんからすぐに降りて、カブ吉くんを車道の外まで押して行き、歩行者や自転車の少ない場所を見つけてカブ吉くんのセンタースタンドを立てます。
「まったくもう、先月フロントタイヤ変えたばっかりなのにな~。また、吉村さんいたずらして、何か入れたんじゃないだろうな~?」
さすがジョニーさんです、文句を言う事は絶対に忘れません。
とりあえず、何が原因なのかを特定しないといけないので、ジョニーさんはバッグから頭に付けるヘッドランプを取り出し、それを装着します。
手で触ってみると、フロントタイヤはほぼ空気が抜けてしまった状態になっています。ジョニーさんは、空気を入れるバルブの位置を起点に、タイヤのトレッド面をヘッドランプで照らしながら、ゆっくりゆっくりと回転させて行きます。
「あれっ!? 何にも刺さってないじゃん……」
ジョニーさんはそう呟いた後、もう一回ゆっくりとタイヤを回転させてみますが、やっぱり何も発見出来ません。バルブのムシが緩んでしまった可能性もあるので、そちらもムシ回しを使って確認をします。でも、こちらもちゃんと締まっているようなので、問題はありません。
「おかしいなぁ……、やっぱり超高性能リーディンググラスの装着が必要だな……」
ジョニーさんは再びそう呟くと、バッグの中からメガネケースを取り出します。そして、その超高性能リーディンググラス(単なる老眼鏡です……)を装着して、もう一度フロントタイヤをゆっくりと回転させます。
「あった! あった! たぶんコイツだな……」
ジョニーさんの見つめる先には、タイヤトレッドの海(シーと言われる部分。凹んでいる部分です)のところに本当に小さな金属片が刺さっているのが発見されました。どうやれば、こんなところにこんな物がこんな風にうまく刺さってしまうのでしょうか? 考えれば考える程、不思議に思います。
ジョニーさんは、そんな疑問を持ちながらも慎重にマイナスドライバーを使って、その金属片をこじり出します。そして、取り出された金属片は、3mmにも満たない小さな物である事が確認されました。
「こんな小さな金属片がパンクの原因だとしたら、随分手前から刺さってたのかもしれないな~。ひょっとしたら修理をここでしなくても、空気をしっかり入れてやれば何とか家まで帰れちゃうかもしれないぞ」
ジョニーさんは言うが早いか、カブ吉くんのビジネスボックスの中から携帯空気入れを取り出して、フロントタイヤに空気を入れ始めます。この携帯空気入れは本来自転車用なのですが、スーパーカブの2.50ー17サイズのタイヤであれば、100回程ピストンしてやればほぼ規定の200kPa(2.00Kgf/㎠)を入れる事が出来るので、ジョニーさんは大きさも含めてとても気に入っているので、これを常備しています。
いつもよりやや多い120回程ピストンをした後、空気圧を測定すると240kPaくらいまで入っているようです。予想通り、急速な空気の漏れはなさそうです。
「よし! カブ吉、このまま家まで戻るぞ!」
ジョニーさんはそう言うと、さっと身支度を済ませてカブ吉くんに飛び乗りました。環七通りを走り始めた二人は、周りの交通の流れに充分に注意を払いながらも、出来るだけ早く走る事を心がけます。高円寺を過ぎた辺りから、大分フロントタイヤの空気が減った状態になって来ましたが、ジョニーさんは細心の注意を払いながら、カブ吉くんを家まで連れて帰る事が出来ました。
ジョニーさんは軽く夕食を取った後、カブ吉くんのパンク修理に掛かります。結構パンクした状態で距離を走ってしまったせいか、リムからタイヤを外して中から引き出されたチューブには数ヶ所の小さな穴があいてしまっています。
「こりゃ、チューブを交換しちゃったほうがいいな」
ジョニーさんはそう言うと、カブ吉くんのビジネスボックスから今度はスペアのチューブを取り出します。出先である程度のトラブルがあっても、そう簡単には走れなくならないようにカブ吉くんのビジネスボックスの中にはある程度の部品類が積載されているのです(使用された部品類は、自宅にストックされている中からすぐに補充されます)。
でも、フロントタイヤのパンクは随分久しぶりになります。走行データを確認してみたら、2015年9月に横浜からの帰りに第二京浜(国道1号線)の西馬込あたりで、道路上に落ちていた10cm角くらいの木材に乗り上げてリム打ちのパンクをして以来となります。思い出してみれば、その時もジョニーさんはその場で修理をせずに、空気を入れながらだましだまし帰って来たようであります。
いずれにしても、3月はヘッドライトとコンビネーションメータの電球が同じ日に切れたりとか、今月はフロントタイヤのパンクとか珍しい事が続いています。ジョニーさんは、「一体、来月は何で楽しませてくれるのかな~」などと軽口を叩いておりますので、管理人も楽しみにしておきたいと思います。
その他の整備としては、例年4月に交換されているリヤタイヤとリヤブレーキシューが今年も予定通り交換されました。
リヤタイヤに関しては、昨年は新型コロナウイルスの影響でゴールデンウイークの中・長距離ツーリングも実施をせずに都区内・市街地走行中心の一年間だった為か、走行約23,500kmの使用で、残り1.5分山での交換となりました。
リヤブレーキシューはタイヤとは逆に、やはり都区内・市街地走行が中心となると使用頻度が高くなるのか、ほぼ使用限度まで使っての交換となっています。ブレーキシューが当たるブレーキドラムの内径に関しては、正確には図っていませんがまだまだ大丈夫のようです。
ホイールベアリングもすべて点検しましたが、ゴロゴロとした動きの悪いものは一つもありません。
エンジンオイルは、走行距離が今月も2000kmを超えたので、一回交換されています。
しかし、ここで気になる事が一つ出て来ました。
今月に入ってから、何故か急にエンジンオイルの消費が増えているようなのです。
走っていてオイルの焼ける臭いを感じる事が多くなったとジョニーさんも先日吉村さんと話しをしておりました。
今年も新型コロナウイルスの影響で、連休中のツーリングには出掛けない事が決定しているので、ひょっとすると今度の連休で何かその辺りの整備の動きがあるかもしれません。もし、そのような動きがありましたら、また来月に報告させて頂きます。
最後になりますが、4月の月間平均燃費をご報告致します。
今月の数値は、過去最高であった2015年の61.89km/ℓ と比べて1.22km/ℓ 低い60.67km/ℓ という結果となりました。随分と差があるような気が致しますが、この数値も決してそんなに悪い数値ではありません。過去の記録と比較しても、2013年の61.33km/ℓ に次ぐ三番目の記録になります。
この4月から5月にかけての月間平均燃費は、その年によって違いますがゴールデンウイークの中・長距離ツーリングの燃費も含まれてしまうので、一概に比較してしまうのも難しさが伴います。
まぁ、そのような状況ではありますが、ジョニーさんとカブ吉くんには来月もいつもと変わらずに、限られた条件の中で走行をして頂いて、その結果をまた報告させて頂きます。
それでは、今月も長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。
皆さまにとって、素敵な連休となりますように祈っております。
管理人
2021年4月末現在 全走行距離 268,260km
(4月走行距離 2,138km 月間平均燃費 60.67km/ℓ )
月まであと 116,140km