スーパーカブ 耐久チャレンジ

JA07型スーパーカブの耐久性を検証するブログです。

カブ吉くん 日常メンテナンス

【2021年11月14日 修正・追記】

 

 皆さんこんにちは、スーパーカブ耐久チャレンジの管理人です。

 

 今年のお正月は、珍しくジョニーさんがお節料理を肴にお酒を飲んだくれており、ほとんどカブ吉くんと出掛けるという事がありませんでした。

 当然走らなければ、メンテナンスの必要はありません。いつもの年であれば、だいたい1月2日~3日あたりでショートツーリングなどに出掛けて行く事が恒例となっているのですが、今年はどういう訳か朝からニコニコとテレビを見ながらお酒を飲んで酔っぱらっているという、実に由緒正しい正月の過ごし方をしているジョニーさんでしたので、どこにも走りにいけないカブ吉くんはちょっぴり寂しそうでした。

 しかし、そうは言いながらも、1月7日からは新しい年の仕事もはじまり、段々とジョニーさんもエンジンが掛かってきたようです。新年の挨拶回りもあるので、カブ吉くんと出かける機会も徐々に増えて来ました。そして、ようやく昨日、今年初めてカブ吉くんのメンテナンスを実施したようなので、その様子をご報告させて頂きます。

 

1月12日(土)メンテナンス内容(日常メンテナンス)

実施時走行距離 214,926km

①前後タイヤ 空気圧調整及び異物チェック

②ドライブチェーン給油

③ブリーザドレン清掃

④エンジンオイル量点検

 

以上、4点のメンテナンスで、所要時間はおおよそ15~20分くらいの作業となります。当然、整備をするのはジョニーさんなので、料金無料のメンテナンスとなります。

 

 ジョニーさんは、一週間でだいたい300~400kmくらいの距離を走るので、週末がお休みの時は必ずカブ吉くんのメンテナンスを実施します。

 今の時期の日常メンテナンス項目は、①~③となります。しかし、③のブリーザドレン清掃は気温の低い今の時期(概ね10月から4月)だけの点検整備で、気温が上がって来る4月中旬以降は、未燃焼ガスが液化したものもほとんど溜まらなくなるので目視点検のみとなり、③の整備はほとんどなくなるようです。

 ④のエンジンオイル量の点検にしても、昨年の12月にオイル交換をしてから、ちょうど1000kmくらいの距離を走っていたのもあり、『ここのところ、カブ吉は若干エンジンオイルを消費するようになって来ているから、ちょっと確認しておくかな』というような感じで実施したものです。

 

 それでは、ジョニーさんが実施した各メンテナンスの内容詳細をご報告致します。

 

①前後タイヤ 空気圧調整及び異物チェック

 まず、前後タイヤの空気圧調整は、朝の気温の低い時間帯で、走行前に実施します。昼間は気温が上がるので、今回もジョニーさんは朝7時に調整していました。

 そして、基本的には標準空気圧(1人乗車時)を目安として調整をします。なぜ目安なのかというと、このJA07型スーパーカブの前輪175kPa、後輪200kPaという値は、あくまでメーカーの指定するタイヤサイズ及び荷重指数のタイヤを装着して、体重55kgのライダーが乗る事を前提にした空気圧だからです。

 純正以外のタイヤ銘柄やサイズを使用していたり、ライダーの体重が重かったり、積載する荷物があったりすれば、当然タイヤの空気圧は変わるものなのです。

 JA07型スーパーカブの2人乗車時の空気圧は、後輪だけが280kPaに変わります。前輪の175kPaは変わりません。この時に、後ろに乗る人(タンデマーと呼ばれています)の体重も55kgを前提として決められています。

 この辺は、普通のオートバイと違って、前後の重量配分が後輪側が重くなっているスーパーカブの大きな特徴と言えるかもしれません。

 ジョニーさんは、この数値を使ってカブ吉くんの後輪空気圧のグラフを作り、後ろに載せる荷物の重量に合わせて細かく調整をしています。

 ちなみに、今回のカブ吉くん(前カゴが付いています)の空気圧は、ここのところ常時前後にちょっとした荷物を積んでいる事や、ジョニーさんの体重が最近若干増え気味な事を考慮して、前輪190kPa、後輪230kPaに調整されました。

 そして、空気圧の調整を終えた後には、必ず前後輪のトレッド部分等に金属片やガラス片等の異物が刺さったりしていないかを確認し、更に亀裂等や損傷の有無を確認いたします。

 

②ドライブチェーン給油

 ドライブチェーン給油に関しては二通りのやり方がありますが、今回のジョニーさんは、時間も掛からずに一番簡単なドライブチェーンカバーを外さないで給油する方法で整備をしていました。

 そのやり方は、ロアカバーの丸いゴム蓋を外し、歯ブラシにオイルを付けてチェーンに給油する方法です。カバーを全部外して整備するのは、1500kmから2000kmに一回くらいだと思います。雨の中の走行があまりないこの冬の時期は、通常はこのやり方です。とにかく油分を切らさないという事が、一番大事なこととなります。

 チェーンをそういう状態に保っていると、初期伸びが終わった後はチェーン自体がほとんど伸びなくなります。実際、カブ吉くんのチェーンアジャスタの引き代は、まだ半分以上を残しています。

 250ccクラス以上の、それなりにパワーを持っているマシン達では厳しいかも知れませんが、110ccのカブ吉くんの前後スプロケットとドライブチェーンは、この簡単なメンテナンス方法と、ドライブチェーンカバーを外してチェーンの1コマ毎に細かく給油しながらローラーの固着を確認するという二通りのメンテナンス方法で、新車装着の純正品が20万キロを超えた現在も使用されております(2020年2月、24万キロを走行したタイミングでドライブチェーンと前後スプロケットは、初めての交換となりました)

 冒頭に、『①から④までのメンテナンスをやって、掛かる時間は15分~20分』などと書かれていますが、これはこのドライブチェーンの簡単なメンテナンス方法を今回選んでいるからです。チェーンの1コマ毎に給油するメンテナンス方法で実施する場合は、この倍くらいの時間が楽に掛かります。でも、とても楽しいメンテナンスですし、その効果は絶大であります。

                             

③ブリーザドレン清掃

 ブリーザドレン清掃に関しては、この時期(冬期)はとにかく未燃焼ガスが液化したものがよく溜まるので、ジョニーさんは頻繁に排出と清掃をしています。

 本来、このブリーザドレンは『1年点検整備項目』になっていて、取扱説明書では『エンジン性能を維持する為には、定期的な清掃が必要です』と記載されています。そして、具体的な表記としては、『ブリーザドレン内の堆積物を取り除きます』と書かれています。

 しかし、ここで注意しなければいけない事があります。この『堆積物』といういかにも何かちょっと固そうな物を連想させるかのような表記が結構くせものなのです。言葉だけでイメージすると『1年に一回、なんかネチョネチョドロドロした物が堆積した場合に清掃するくらいでいいのかな?』っていう気になってしまうところです。

 実際、ジョニーさんも最初はそう信じ込んでおりました。夏の時期には一切何も溜まらずに、冬の寒い時期になると未燃焼ガスが液化したものがどんどん溜まっていくのです。

『ありゃ? なんかドンドン溜まってるけど大丈夫なのかな~?』

などとブツブツ言いながら、心配そうにブリーザドレンチューブを見つめているのです。でも、ここは『1年点検整備項目』であるというのが頭の中にあるので、まだそれを外して排出しようとはしません。

 さらに、ここでもう一つ、ジョニーさんがこの整備になかなか手を出さなかった理由というのが別にあるのです。

 それは、『まぁ、エアクリーナケースの中に溜まっても、結局この隣の黒いドレンから出て来るんだよな?』というものです。

 そうです、このスーパーカブ110のエアクリーナケースから出ているブリーザドレンチューブのすぐ手前には、なんともう一つ黒いゴムのドレンプラグがあるのです。

 これはいけません、ジョニーさんは完全にこのワナにはまってしまいました。

『それにしても、このブリーザドレンチューブはとっくの昔に一杯になっちゃってるんだけど、黒い方のドレンからは全然何にも出てこないな~』

などと言いながら、それでもまだチューブを外そうとはしませんでした。

 もし皆様の中に、このジョニーさんと同じようにお思いの方がいらっしゃいましたら、くれぐれもお気をつけ下さい。その二つのドレンは、エアクリーナエレメントを境にして、透明のブリーザドレンチューブは『エアクリーナケース(エンジン側)』に付いており、黒ゴムのドレンは『エアクリーナカバー(外気側)』についているのです。

 もっと具体的に言うと、この黒ゴムのドレンは、外気を吸入する際に一緒に入った雨や水を排出するためのものなのです。

 この二つのドレンのあいだには、エアクリーナエレメントが『壁』のように立ちはだかっているのですから、基本的にはケース側(エンジン側)で溜まった液体が、カバー側の黒ゴムのドレンから出る事はありません。

 他のカブ乗り達の話しを聞くと、エアクリーナエレメントがびしょびしょになっていたり、エアクリーナケースを開けた瞬間に、ドバ~っと水が溢れ出したりする事があるようなので、それがイヤなジョニーさんはこまめにチェックをして、排出と清掃をするのだそうです。

 

④エンジンオイル量点検(交換後、988km走行)

 エンジンオイル量は、点検した結果、今回はレベルゲージのアッパーレベルまでちゃんとありました。

 ここのところ、1000kmくらい走ると必ずロアレベルくらいまで減っていたので、また補給しなければいけないのかとジョニーさんは思っていたようですが、今回はそのような減りは見られませんでした。

 しかしながら、今後このメンテナンスは必須項目となっていくような気が致します。 今までのカブ吉くんに関しては、20万キロを超えるまではエンジンオイルを交換するサイクル(2000km)の間に、エンジンオイルが減ると言う事はほとんどありませんでした。しかし、そんなエンジンオイルが減らなかったカブ吉くん(JA07型スーパーカブ)の取扱説明書には、実はしっかりと次のように記載がされているのです。

 

『エンジンオイルは走行距離や時間の経過とともに劣化したり減っていきます。そのため、定期交換時期に行う交換だけでなく、日常点検によるオイル点検・補給が必要です』 

 

 やっぱり、吉村さんの言ってるとおりなんだよなぁと、つくづく思うジョニーさんなのでした。

 
 以上となりますが、ベテランの方々には釈迦に説法的なお話しで申し訳ありません。
少しでも参考にして頂ける部分があれば、幸いでございます。
 
 それでは皆さま、真冬の寒い時期ではありますが、凍結路面に注意して元気にオートバイをお楽しみ下さい。
                                    
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