カブ吉くん メンテナンス(ハンドル廻り編)その二

(その二)

 

 それでは次に、コンビネーションメータについてお話しをしたいと思います。

 

【メータ照明関係ほか】

 JA07型スーパーカブのメータ内に使用されているバルブは、ニュートラルインジケータ、メータ照明ライトの二つが通常バルブを使用するもので、ウインカインジケータ、PGM-FI警告灯の二つが交換不要のLEDとなります。ここではひとまず交換可能な通常バルブのお話しをしていきたいと思いますので、宜しくお願い致します。

 まず最初に、そのバルブは標準仕様で12v-1.7wという非常に省電力なウェッジ球が使われています。そして、それはニュートラルインジケータとメータ照明ライトに、それぞれ一つずつ使われています。

 メーカーの見解としては、この仕様に関して市販化される前に十分にテストを重ねた上に、さらキチンと検証をして最終仕様を決定しているはずなので、メータ照度的には十分な明るさが確保されていて、特段の問題はないと考えていると思います。

 しかし、ジョニーさんもそれは十分に理解できるのですが、いかんせん比較的年齢が高く、ジョニーさんも含めて、視力に若干問題を抱え始めたライダー達からは、

「う~ん、もう少しハッキリと見えると嬉しいんだけどなぁ~」と、いうような評価も少なからずある事を報告させて頂きます。

 話しが変わって申し訳ないのですが、ジョニーさん個人の話しを少しさせて頂くと、ジョニーさんはカブ吉くんと走り始める少し前くらいから、夜間の視力低下が気になるようになってきていました。それは、走行中の前方視界や路面状況もそうですが、計器類の確認も含めての事となります。そういう訳で、ジョニーさんは運転免許の条件に眼鏡等の使用指定はないのですが、それを少しでも改善する為に、夜間走行の際は必ずメガネを掛けて運転をするようにしていました。

 

 話しを元に戻します。

そのような理由から、ジョニーさんにとってメータ照明は、少しでも明るいに越したことはないのです。走り始めて2年3か月(約5万5千キロ)の間は、純正仕様の1.7wで頑張っていたのですが、2012年10月の時点でメータ照明とニュートラルインジケータのバルブは、12v-3.4wタイプに変更となりました。

 でも、この交換をした時点で、どちらかのバルブが切れたりするようなトラブルが発生した訳ではありません。

 ニュートラルインジケータは、ギヤがニュートラルの時にしか点灯しませんが、メータ照明のバルブはヘッドライトやテールライトと一緒で、エンジンが掛かっている間は、ず~っと点きっぱなしです。ここまで5万5千キロの距離を走って来ていると言う事は、それを時間に換算(ここではやや速い感じもしますが、平均時速30km/hで計算しました)してみると、合計で約1800時間くらい点灯しているという事になります。純正の1.7wの小さなウェッジ球の耐久性という意味では、全く問題が無いという事を、ここに記載しておきます。

 とは言いながらも、取り外された1.7wのウェッジ球を見てみると、経年劣化は隠すことが出来ません。電球のガラス表面には広範囲に黒く煤が付き、これでは新車の時と比べて照度が落ちるのはやむを得ないと思えるような状態です。これを確認したジョニーさんは、ワット数の向上も含めてこのタイミングで交換する事を選択しました。

 そして、ほぼ同様の理由から、2015年7月に再び3.4wから5wへの変更交換が行われます。ここまでワット数を上げる必要があるのかは、若干疑問が残りますが、この時点ではジョニーさんの視力の低下も進んで来ており、このような対応となっている事をご報告しておきます。

 その後、メータ照明に関しては一度もバルブ切れの発生はありません。現在までの交換回数は3回で、最長使用は5wタイプを8万5千キロ使用していました。しかし、このバルブは20万8千キロ走行時点で、強制的に交換されています。その理由は、ニュートラルインジケータのバルブ切れによるものです。この2本のバルブ取付位置は、コンビネーションメータの裏側にあり、すぐ隣り同士になっています。どちらかに不都合が起きれば、その後の事も考えて同時に交換してしまうのが普通です。

 でも、このニュートラルインジケータのバルブ切れには、さすがのジョニーさんも少し驚いたようです。40年以上のライダー人生の中で、二度目の経験だそうです。一度目は、72年型のマッハⅢに乗っていた時に同様の事があったようですが、その時は別にそれ程不便を感じなかったそうです。何故なら、その時ジョニーさんが乗っていたマッハⅢは、ボトム・ニュートラルというタイプの5速ミッションで、止まる時にはひたすらシフトダウンさえしていれば、必ずニュートラルにたどり着くのが分かっていたからだそうです。しかしカブ吉くんの場合は、停止してしまうとロータリー式の為、それまで何速で走っていたのかをキチンと覚えていないと、止まってから不自由な思いをする事になります。とは言いながらも、何速に入っていてもとりあえず走り出せてしまうのが、スーパーカブのいいところなんですが……。

 ジョニーさんは、カブ吉くんで使用するバルブ類のスペアを、ビジネスボックスの中に常時持っています。この時も12v-5wのウェッジ球は、スペアとして持っていたのですが、バルブが切れた場所が比較的自宅に近かったので、この時は、

「おっ、まずい。また四速で発進しちゃった」などと言いながら、そんな不具合も楽しんだうえで、自宅に戻ってからの交換となりました。

 

 次に、メータ照明の話しではありませんが、メータ関係でもう一つ珍しいトラブルがあったので、そちらも報告させて頂きます。

 それは、2017年7月16日の夜間に国道246号線を東京に向かって走行してい時に起こりました。累計走行距離は、約17万7千kmくらいの時です。

 ジョニーさんとカブ吉くんは、江田駅前の交差点を過ぎて、峠茶屋手前の長い上り坂をいつものように快調に走っておりました。道路は上り坂から下り坂に変わり、その先の鷺沼二丁目の交差点で信号停止をした時です。

 ジョニーさんは、何気なくスピードメータに視線を落としました。次の瞬間、

「あれっ!? 針が変なとこにいる!」と、びっくりしたような声を上げました。

その視線の先にあるカブ吉くんのスピードメータの赤い針は、メータ文字盤のちょうど30km/hのあたりを指して、ピタリと止まっています。

「え~っ、どうなっちゃってるの~?」などとジョニーさんは言いながら、軽くではありますが、カブ吉くんのスピードメータをポンポンと叩き始めました。

 しかし、その変なところで止まってしまった赤い針は、いっこうにいつもの位置に戻ろうとはしません。

 そんな事をしているうちに、信号が青に変わり、二人は再び走り始めます。すると、その止まっていた赤い針は、カブ吉くんの速度が30km/hを超えていくと、何事もなかったかのように、また普通に動き始めるのです。そして、その針の動き方は、先ほどまで変なところで止まっていたのが嘘のように滑らかに動いています。

「あ~良かった! ちゃんと普通に動くじゃん。なんか、メータの中で引っ掛かってたのかなぁ~? でも、動いてくれて本当に助かったよ。このタイミングでメータ交換は、悲しいもんな~」などと言いながら、ジョニーさんはほっとしているようです。

 宮崎小入口の交差点を通り過ぎ、新道馬絹の交差点もタイミングよくクリアした二人ですが、梶ヶ谷の交差点では、赤信号で再び停止する事になります。

 ジョニーさんはカブ吉くんを減速させながら、スピードメータをちらちらと確認しています。先行車に合せながら、速度が40km/h以下に落ちたところで、赤い針は再びピタリと動かなくなりました。

「ありゃ~!? やっぱりダメだよ~」などと言いながら、ジョニーさんはまたカブ吉くんのメータ辺りをペンペンと叩き始めます。

その振動に反応したのか、赤い針が一瞬動きました。しかし、ちょっと動いただけで、今度は文字盤の25km/hあたりでピタリと止まって動かなくなってしまいました。

 結局、その後もそんな事を繰り返しながら二人は走っていたのですが、ジョニーさんの自宅に帰り着いても、カブ吉くんのスピードメータの赤い針は0km/hを指すことはありませんでした。

 ジョニーさんは一日の仕事の疲れもあったのか、その日はカブ吉くんを直そうとはしませんでした。まぁ、0km/hのところに赤い針は降りて来ないけど、スピードが出てしまえば、速度はキチンと指し示しているようだし、距離計も普通に動いているみたいなので、明朝に明るくなってから確認してみるつもりのようです。

 

 そして、翌朝に少し早く起きたジョニーさんは、カブ吉くんの様子を見に来ます。

カブ吉くんのシートをポンポンと叩きながら、おはようの挨拶をしたジョニーさんは、スピードメータを恐る恐る覗き込みます。

「……、あれっ!? ビス……、取れてんじゃん……」

カブ吉くんのスピードメータの文字盤の中には、小さいプラスのスクリュで、3か所ほど固定されているところがあります。1か所は左上に配置されている燃料計の『F』の左側あたりと、もう2か所は赤い速度指示針が取り付けられている部分の左右にあります。

 そして、その速度指示針の右側に本来締め込まれているスクリュの位置には、主であるはずのスクリュは存在せず、ただ小さな丸い空洞が見えているのです。

更に観察を続けると、その本来の場所から抜け落ちた小さなスクリュは、メータ内の一番低い所に居場所を見つけただけではなく、赤い速度指示針のお尻の少し幅広い部分をうまくホールドする事に成功していました。

「なんだよ~、これかよ~」と思わず声を漏らしたジョニーさんは、その後、安堵の表情を浮かべながら、修理に取り掛かりました。

 抜け落ちたスクリュを正規の位置に締め直し、その他の2本のスクリュも増し締めをしておきます。

 長い距離を走っている間に、恐らく振動で緩んでしまったのではないかと考えられます。それでも、きっと目の良いライダーなら、昼間走行している時に緩んでいるのに気が付いていたかもしれません。

「へぇ~、こんなこともあるんだね~」という、お話しでした。

 

【スイッチ関係】

 カブ吉くんのハンドル廻りに付いているスイッチ類は、右側にスタータスイッチ、左側にディマスイッチ、ウインカライトスイッチ、ホーンスイッチの合計4個となります。

この中で、現在まで不具合のあったスイッチは、ディマスイッチとウインカライトスイッチの二つです。

 ディマスイッチに関しては、2017年5月の17万2千キロ時点で部品交換になっています。このスイッチは、ヘッドライトが常時点灯になっているので、微弱な電流ではありますが、スイッチにも電流が流れ続けています。そうすると、どうしてもスイッチ接点に問題が発生してしまうようです。カブ吉くんも半年くらい前から、不意にライトが消えてしまう等の問題が、ちょこちょこと起きていました。そのたびに、スイッチのローとメインの切り替え操作を『バチバチ』とやってみると、一時的に復活するのですが、最後はまったく反応を示すことなく、終了となりました。部品単体の使用時間としては、メータ照明と同じ計算式を使って計算すると、約5700時間になります。これも、これだけ持てばどなたも不足は感じないのではないかと思いますが、一つだけ注意をしなければいけない事があります。ジョニーさんはカブ吉くんに、雪の日以外は一年中乗るので、カブ吉くんには一年間の内八~九ヶ月間はハンドルカバーが付いているという事です。そうです、ハンドルカバーのおかげで、この期間は直接スイッチに雨が当たる事がないのです。デザイン面や操作性の好き嫌いがあるので、一概には言えませんが、これがあるかないかではスイッチ類の寿命に結構差が出るかも知れません。

 

 次に、ウインカライトスイッチの話しをしたいと思います。

このスイッチに関しては、割合接点不良が起こる事が多いような気がします。

でも、うまくウインカライトが点滅しなかったり、不灯だったりしても、ガチャガチャやってると自然に復活してしまったりするスイッチです。もし、ガチャガチャで復活しない時は、スプレーの接点復活剤を吹いてみます。過去にこれで復活しなかった事はありません。

 ジョニーさんは、もしもの為にウインカライトスイッチとウインカリレーの新品スペアを持っているのですが、まだ出番が来たことはありません。

 

(その三)に続く

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